アクセンチュアの最新調査によると、高まるセキュリティへの懸念、スマートフォンやタブレット端末の需要の停滞、そして期待されるインターネット オブ シングス(IoT)市場の足どりの重さにより、家電業界を取り巻く環境は、来年度まで大きな好転が見られないことが明らかになりました。

世界28カ国28,000人の消費者を対象とした「2016 Accenture Digital Consumer Survey(2016年 アクセンチュア デジタル消費者調査)」では、約半数(47%)の回答者が、IoTデバイスや関連サービスの購入を控える理由として、「セキュリティ上の懸念」や「プライバシーリスク」を上位3項目内に挙げています。なお、IoTデバイスにはスマートウオッチ、ウェアラブル フィットネス モニター、スマートホーム サーモスタットなどが含まれます。

スマートフォンとタブレット需要
本調査では、消費者向けスマートデバイスの需要の停滞が明らかになりました。例えば、「今年中にスマートフォンを購入する」とした回答者は半数以下(48%)であり、去年の54%から6ポイント減少しました。同様の傾向は他のスマート家電製品でも顕著に見られて、「今年中に新型テレビやタブレットを購入する」とした回答者は、それぞれ30%と29%と、昨年の38%から減少しました。

IoTデバイス市場
本調査では、成熟したスマートフォン市場に代わり、今後の成長をけん引すると有望視されたIoTデバイス市場の成長も鈍く、踊り場から脱して大きく伸びていないことが明らかになりました。例えば、「来年中にスマートウオッチを購入する」とした回答者は13%であり、昨年度の調査と比較して1%の微増にとどまりました。フィットネスモニター、ウェアラブルヘルス端末、スマートサーモスタット、コネクテッドホーム 監視カメラを含むさまざまな製品に購入意欲を示した回答者は9%と大きな成長がみられず、昨年度の調査からあまり変化が見られませんでした。特にスマートウオッチの販売不調は、消費者の求めるバッテリー駆動時間、操作性、デザイン性における期待値をいまだにメーカーも販売店も十分に満たせていないことに起因しています。


日本市場を対象とした調査結果として、スマートフォンの購買意欲がピーク時の2年前と比較して、8%程度低下しており、毎年、徐々に鈍化傾向にあります。買い替え需要はあるものの、既に日本はスマートフォンに関してかなり成熟した市場であることが判明しました。 一方、スマートウォッチ、ウエラブル フィットネス モニターなどの次世代型IoT製品に関しては、他国と比較すると購買意欲に大きな遅れが見られます。これは通常みられる日本市場の特徴ではありますが、その理由として、製品が普及期に達するためには、まだまだ高額であること、また、使用する価値が不明瞭、もしくは複雑すぎる特性と機能を消費者が課題視しているという結果となりました。家電メーカー、そしてプロバイダー各社は、消費者の心をつかむべく顧客体験を向上させる一層の努力が必要です。


【調査方法】
本調査は2015年10月から11月にかけて、世界28カ国2万8000人の消費者を対象にオンライン上で実施されました。対象国はオーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、チェコ、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、ロシア、サウジアラビア、スロバキア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、アラブ首長国連邦、イギリス、米国です。各国におけるサンプルサイズは各国のインターネット人口に基づくものであり、回答者の年齢は14歳から55歳超です。調査では関連データモデリングを通じて、デジタル端末、コンテンツとサービス、購買パターン、サービスプロバイダーに対する嗜好や信頼度、コネクテッド ライフスタイルの将来性に対する消費者意識を定量化しました。

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[アクセンチュア]
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