COVID-19 パンデミックに関する各国・各世代の意識調査 第2回(世界14カ国対象) 

2020年04月07日

マッキャン・ワールドグループのグローバルなソートリーダーシップチームであるMcCann Worldgroup Truth Centralは、2020年3月下旬(3月23日〜30日)にCOVID-19パンデミックに関する各国・各世代の意識調査「Truth About Culture and COVID-19 Wave 2(文化と新型コロナウィルスについての真実 第2回調査)」を実施しました。これは日本を含む世界14カ国において、約1万4000人(各国約1000人)を対象として行ったもので、3月中旬(3月12日〜22日)に行った第1回調査の継続調査です。

調査結果


高まる現実感

3月中旬の第1回調査時点では、36%の人が「例えコロナウィルスに感染したとしても、自分は大丈夫だと思う」(調査14カ国平均)と回答していたのに対し、3月下旬時点の今回調査では「自分は大丈夫」と考えている人は24%に減少しました。特に感染が急速に広がった欧米では米国が31%(前回調査58%)と大幅に少なくなったほか、カナダ29%(同54%)、英国27%(47%)など約半数の人々が楽観視していた国で、この2週間ほどで認識が大きく変わったことがわかりました。

現実味が増すにつれ「メディアは不要にパニックを煽っている」と感じている人の数も減っています。前回調査では14カ国平均で42%だった同回答が、今回の調査結果では31%に減っています。日本は11ポイント減って45%(前回調査56%)に。他の国別でも米国35%(同:50%)、イタリア24%(同:29%)、スペイン23%(同:29%)、ドイツ28%(同:38%)、フランス34%(同:37%)、英国34%(同:53%)と各国で軒並みメディア報道の信頼性が高まりました。

不安の高まり

新型コロナウィルスの感染拡大に対して「とても心配している」「心配している」と回答した人は、前回調査では調査14か国平均で53%だったのに対して今回は14ポイント増加して67%でした。感染者数の拡大に伴って人々の不安が高まっているのが分かります。感染者数の増加した国別に「とても心配している」「心配している」の合計値を見ると、米国57%(前回調査:34%)、イタリア67%(同:65%)、スペイン76%(同:68%)、ドイツ59%(同:54%)、フランス74%(同:67%)、英国71%(同:40%)、日本は64%(同:51%)と3月末時点では、どの国でも感染拡大への不安が6割から7割の人々に広がっていたことが分かりました。

新型コロナウィルスの感染の危険以外の人々の懸念や不安は、感染による死亡者数の増加という人的な被害の増加と、失職や収入減による生活への影響の二つの面がありました。

感染死亡者数の増加への懸念を挙げる人は14カ国平均で51%(前回調査:43%)と半数でした。国別に見ると米国で52%(前回調査:34%)、イタリア49%(同:49%)、スペイン61%(同:47%)、ドイツ53%(同:47%)、フランス61%(同:49%)、英国59%(同:52%)、日本43%(同:31%)と各国とも10ポイントから20ポイント増加しました。

失職や収入減による生活への影響への懸念や不安がある人々は調査14カ国平均で26%(前回調査:25%)でした。日本では38%(同:35%)と4割近い人々が懸念を抱いています。各国別では経済政策や生活支援政策によって懸念や不安を抑えることに成功している国もあります。米国では31%(前回調査:23%)、イタリア23%(同:17%)、スペイン24%(同:19%)、ドイツ26%(同:27%)、フランス13%(同:17%)、英国29%(同:20%)でした。

感染防止の体制と政策に強い関心

新型コロナウィルスの感染拡大防止について、自国政府の対応体制が「整っている」および「とても整っている」と回答した人は、14か国平均は30%(前回調査:31%)とほとんど変わりませんでした。日本では前回調査から4ポイント少ない14%(同:18%)でした。同質問で前回調査より対応体制の評価が高まったのはインド64%(同:55%)、ドイツ33%(同:25%)、英国26%(同:20%)、カナダ44%(同:40%)でした。

感染拡大防止のために「完全なロックダウン」政策を実施すべき、という意見に賛同する人は14カ国平均では約4割でした。日本は調査対象国中では最も低い24%でした。

広がるソーシャルディスタンス(社会的距離)

世界の人々の感染防止への意識と行動は益々高まっています。感染防止のために「人の集まる公共の場を避ける」という人は、調査14か国平均で14ポイント増の73%(前回調査:59%)でした。日本は前回調査の45%から8ポイント増の53%でした。各国別では、3月下旬時点で「外出禁止」などの規制を強めている国では着実に意識が高まっています。国別では米国75%(同:49%)、イタリア70%(同:68%)、スペイン73%(同:73%)、ドイツ75%(同:65%)、フランス79%(同:77%)、英国84%(同:32%)と欧米諸国は7割以上の人々の行動が変わっています。

世界は根本的に変わる

世界の半数の人(および本調査を実施したほぼ全ての国の過半数の人)は、今回のパンデミックで「世界は根本的に変わる」と感じています。しかしその長期的影響の全てがマイナスのものであるとは考えていません。パンデミックの暗い側面については広く認識されているものの、多くの人は、家族やコミュニティとのつながりを再確認する等、この時間を前向きに活用しようとしています。

  • 3人に1人が「今回の出来事をきっかけに、大切な人たちとの距離が縮まった」とすでに感じています
  • 3人に1人が「いつも以上に人と人が助け合うようになっている」と感じています
  • 10人に6人が、今回の出来事は「人生で本当に大切なものを考える機会になる」と考えています
  • 17%の人が、これを機に新しい趣味を始めています
  • 18%の人が「人々の信仰心が厚くなる」と考えています
  • 46%の人が「二酸化炭素排出量が減る」と思っています

調査概要


本調査で提示しているデータは、Googleサーベイ360のプラットフォームと提携して取得しています。
調査実施国(14か国):
日本、カナダ、フランス、ドイツ、メキシコ、スペイン、英国、米国(当該国の人口構成に相似した代表性のある標本集団)
コロンビア、トルコ、チリ、イタリア、アルゼンチン、インド(調査が可能であった標本集団)
新型コロナウィルスの感染拡大状況は急速に進展しているため、各国の意識や政府の対応は日々変化しています。そのため、本調査のデータはある特定期間の観測結果であることを留意ください。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[マッキャン・ワールドグループ]
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