「2015年度新規開業実態調査(特別調査)」からみる20歳代開業者の実態と課題 

2016年03月31日
日本政策金融公庫(略称:日本公庫)総合研究所は、1991 年度から毎年「新規開業実態調査」を実施しています。その結果によると、開業者に占める 29 歳以下の割合は 2013 年度調査から 3 年連続で低下し、2015 年度調査では 7.4%と過去最低となっています。そこで、今年度は「新規開業実態調査」の特別調査として、20 歳代開業者の実態と課題に着目した分析を行いました。主な調査結果と調査の要領は以下のとおりです。

【主な調査結果】

1 専門技術を生かせる業種での開業が多く、早い段階から開業・独立を意識し、準備に時間をかけている
20 歳代開業者の最終学歴の 36.9%が専修・各種学校であり、「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所」や「美容業」など専門的な技術を生かした業種での開業が多い。最初の勤務先を選ぶ時点で将来の開業・独立を意識している割合は 66.3%と他の年齢層に比べ高く、キャリアの早い段階から将来の開業・独立を意識し、開業準備、自己資金の準備に時間をかけている。

2 早期に黒字化を達成し、開業前の予想を超える月商をあげている
20 歳代開業者の 74.5%が黒字基調となっており、他の年齢層に比べ早期に黒字化を達成している割合が高い。開業前の予想を超える月商をあげている企業も 6 割を超えており、業績好調な企業が多い。

3 先輩経営者や他の起業家との交流などを通じて、不足する知識・能力の向上・補完に努めている
20 歳代開業者は他の年齢層に比べてビジネス経験が少なく、知識・能力に不足を感じながら開業しているが、先輩経営者や起業家との交流などにより向上・補完に努めている。「業界に関する知識」が不足していると感じている割合は起業家を志したときの 56.2%から調査時点は 11.9%へと 44.2 ポイント低下、「人的ネットワーク(人脈)」が不足していると感じている割合は同じく 61.1%から 27.4%へと 33.7 ポイント低下している。


【調査概要】
調査時点:2015 年8月
調査対象:融資時点で開業後5年以内の企業1万 1,353 社
調査方法:調査票の送付・回収ともに郵送、アンケートは無記名
回収数:2,644 社(回収率 23.3%)

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[日本政策金融公庫]
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