介護報酬における「特定事業所集中減算」についての調査(ケアマネジャー対象)
2016年09月15日
「ケアマネジメント・オンライン」を運営するインターネットインフィニティーは、会員ケアマネジャーを対象に、介護報酬における「特定事業所集中減算」について、調査を行いました。
「特定事業所集中減算」は、正当な理由なく、特定の在宅介護サービス事業所へ介護保険利用者の紹介が集中することを防ぎ、中立・公正なケアマネジメントを行うことを目的に設けられた仕組み。しかし、優良なサービス事業所でありながら、減算を免れるために紹介を諦めるケースもあり、本来の目的とは異なる調整が行われている実態も度々指摘されています。
そこでケアマネジメント・オンラインでは、現場のケアマネジャーが日々の業務において、「特定事業所集中減算」をどれくらい意識しているのか調査を行いました。
【調査結果ポイント】
【調査結果詳細】
○7割のケアマネジャーが事業所選びに一定の負担感
介護保険利用者(以下、利用者)への支援を具体的に展開していくうえで、サービス事業所選びは重要なポイントとなります。そこで、事業所探しや調整に負担感を感じているかどうかを聞いたところ、274名(27.3%)のケアマネジャーが「感じる」、422名(42%)が「少し感じる」と回答し、約7割が一定の負担を感じていることがわかりました。「感じない」と回答したのは、49名(4.9%)にとどまりました。
○事業所は、「利用者のため」を第一義に選択する傾向
居宅サービス計画(ケアプラン)に位置付けるサービス事業所は、どのように選ぶことが多いかを聞いたところ、半数のケアマネジャーが「利用者の希望に合う事業所」(508名、50.5%)と答えました。以降には、「サービスの内容や質に定評がある事業所」(216名、21.5%)、「日ごろ連携をとっている事業所」(159名、15.8%)、「併設の事業所や運営会社が同じ事業所」(110名、10.9%)と続き、多くのケアマネジャーが、利用者の希望に沿い、自立支援に資すること第一義に事業所選択を行っていることがうかがえます。
○約3割は減算適用
ケアプランに位置付けているサービスのなかで、最も高い集中割合について聞いたところ、333名(33.1%)が、減算が適用される「80%超」と回答しました。一方、「70%超80%以下」と回答した人は295名(29.4%)、「70%以下」と回答した人は377名(37.5%)でした。
○減収を避けるため、4割近くが意図的に集中割合を下げている
最も高い集中割合が「70%超80%以下」もしくは「70%以下」と回答した672名を対象に、減算を受けないようにするため、プランの調整を行っているかを聞いたところ、170名(25.3%)が「いつも行う」、232名(34.5%)が「たまに行う」と回答しました。さらに、「減収を避ける目的で、意図的に集中割合を下げたことがあるかを聞いたところ、69名(10.3%)が「いつもある」、181名(26.9%)が「たまにある」と回答。減収を避けるため集中割合を下げているケースが実に4割近くも発生していることがわかりました。
○約7割が特定事業所集中減算の仕組みに懐疑的
現場のケアマネジャーは、「特定事業所集中減算」がケアマネジメントの中立・公正の確保に効果があると感じているのでしょうか。「そう思う」と明確に回答したのは87人(8.7%)で1割にも満たず、「ややそう思う」は191人(19.0%)でした。「そう思わない」は366人(36.4%)、「あまりそう思わない」は361人(35.9%)で、7割以上のケアマネジャーが、「特定事業所集中減算」の意義や効果に懐疑的であることがわかりました。
アンケートではさらに、ケアマネジメントの中立・公正の確保のために有効と思う方策について回答を求めました。すると、「特定事業所集中減算」の廃止の是非よりも、仕組みの変更に関する意見が目立ちました。また、居宅介護支援事業所のあり方を問う声もあり、事業所運営やケアマネジメント業務の本質に関わるものであることが浮き彫りになりました。
【調査概要】
期間:2016年7月11日~7月31日
方法:インターネット調査
対象:「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャー
回答数:1,005名
詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
「特定事業所集中減算」は、正当な理由なく、特定の在宅介護サービス事業所へ介護保険利用者の紹介が集中することを防ぎ、中立・公正なケアマネジメントを行うことを目的に設けられた仕組み。しかし、優良なサービス事業所でありながら、減算を免れるために紹介を諦めるケースもあり、本来の目的とは異なる調整が行われている実態も度々指摘されています。
そこでケアマネジメント・オンラインでは、現場のケアマネジャーが日々の業務において、「特定事業所集中減算」をどれくらい意識しているのか調査を行いました。
【調査結果ポイント】
○ 7割のケアマネジャーが事業所選びに一定の負担感
○ 事業所は、「利用者のため」を第一義に選択する傾向
○ 約3割は減算適用
○ 減収を避けるため、4割近くが意図的に集中割合を下げている
○ 約7割が特定事業所集中減算の仕組みに懐疑的
【調査結果詳細】
○7割のケアマネジャーが事業所選びに一定の負担感
介護保険利用者(以下、利用者)への支援を具体的に展開していくうえで、サービス事業所選びは重要なポイントとなります。そこで、事業所探しや調整に負担感を感じているかどうかを聞いたところ、274名(27.3%)のケアマネジャーが「感じる」、422名(42%)が「少し感じる」と回答し、約7割が一定の負担を感じていることがわかりました。「感じない」と回答したのは、49名(4.9%)にとどまりました。
○事業所は、「利用者のため」を第一義に選択する傾向
居宅サービス計画(ケアプラン)に位置付けるサービス事業所は、どのように選ぶことが多いかを聞いたところ、半数のケアマネジャーが「利用者の希望に合う事業所」(508名、50.5%)と答えました。以降には、「サービスの内容や質に定評がある事業所」(216名、21.5%)、「日ごろ連携をとっている事業所」(159名、15.8%)、「併設の事業所や運営会社が同じ事業所」(110名、10.9%)と続き、多くのケアマネジャーが、利用者の希望に沿い、自立支援に資すること第一義に事業所選択を行っていることがうかがえます。
○約3割は減算適用
ケアプランに位置付けているサービスのなかで、最も高い集中割合について聞いたところ、333名(33.1%)が、減算が適用される「80%超」と回答しました。一方、「70%超80%以下」と回答した人は295名(29.4%)、「70%以下」と回答した人は377名(37.5%)でした。
○減収を避けるため、4割近くが意図的に集中割合を下げている
最も高い集中割合が「70%超80%以下」もしくは「70%以下」と回答した672名を対象に、減算を受けないようにするため、プランの調整を行っているかを聞いたところ、170名(25.3%)が「いつも行う」、232名(34.5%)が「たまに行う」と回答しました。さらに、「減収を避ける目的で、意図的に集中割合を下げたことがあるかを聞いたところ、69名(10.3%)が「いつもある」、181名(26.9%)が「たまにある」と回答。減収を避けるため集中割合を下げているケースが実に4割近くも発生していることがわかりました。
○約7割が特定事業所集中減算の仕組みに懐疑的
現場のケアマネジャーは、「特定事業所集中減算」がケアマネジメントの中立・公正の確保に効果があると感じているのでしょうか。「そう思う」と明確に回答したのは87人(8.7%)で1割にも満たず、「ややそう思う」は191人(19.0%)でした。「そう思わない」は366人(36.4%)、「あまりそう思わない」は361人(35.9%)で、7割以上のケアマネジャーが、「特定事業所集中減算」の意義や効果に懐疑的であることがわかりました。
アンケートではさらに、ケアマネジメントの中立・公正の確保のために有効と思う方策について回答を求めました。すると、「特定事業所集中減算」の廃止の是非よりも、仕組みの変更に関する意見が目立ちました。また、居宅介護支援事業所のあり方を問う声もあり、事業所運営やケアマネジメント業務の本質に関わるものであることが浮き彫りになりました。
【調査概要】
期間:2016年7月11日~7月31日
方法:インターネット調査
対象:「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャー
回答数:1,005名
詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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