中国の80後,90後の消費者像分析(SNS新浪微博上で調査) 

2017年04月18日
ホットリンクグループであるトレンドExpressは、中国のSNS新浪微博上で実施したアンケート結果をもとに、中国の80後(1980年代生まれ)90後(1990年代生まれ)の消費者像を分析しました。

【調査概要】
新浪微博を活用したアンケート
調査期間:2017年3月1日~3月3日
対象:80年代、90年代生まれの男女50名ずつ合計200名

回答者の未婚:既婚の比率は80後23:77、90後68:32で、今年28歳となる89年生まれ~37歳となる80年生まれが構成する80後では八割近くが結婚しています。また回答者の居住地は、多い順に広東省、上海市、北京市、重慶市、浙江省、江蘇省となっており、新浪微博のユーザー分布と似た構成になっています。今回のアンケートでは「欲しいもの(お金以外)」や「理想の家族像」の他、消費行動に影響を及ぼすと考えられるライフスタイルや価値観について調査しました。

欲しいものランキング ~80後は第二子に意欲、90後の“三つのしない”とは?~

まずは「欲しいもの」についての回答です。全体のランキングでは1位「結婚相手」43ポイント、2位「車」38ポイント、3位「家」37ポイント、4位「就職先」18ポイント、5位「子供」12ポイント、6位「第二子」、7位「転職先」、8位「なし」「自由な時間」、10位「確実に値上がりする株」となりました。結婚相手や就職先、転職先などお金で買えないもの、人生と切っても切り離せないものがランクインし、欲しいものへの切実な思いがにじむ結果となっています。

80後、90後に分けてランキングを作成すると、上位の順位が入れ替わります。80後は1位「家」、2位「車」、3位「結婚相手」、4位「子供」、5位「第二子」、90後は1位「結婚相手」、2位「車」、3位「就職先」、4位「家」、5位「なし」です。80後は家や車といった結婚前後に必要とされるものの順位が高くなっています。3位にはまだ結婚相手もランクインしており、結婚したいものの相手のみつからない状況がうかがえます。4位、5位の子供と第二子は既婚者の回答と思われますが、昨年全面解禁された「ふたりっ子政策」を受けてか、80後は子供を持つことに積極的な姿勢を持っていることがわかります。

欲しいものTOP10(80後)
1 家
2 車
3 結婚相手
4 子供
5 第二子
6 就職先
7 自由な時間
7 転職先
9 特になし
10 ダイヤの指輪

90後では結婚相手が1位となっており、結婚願望はあるものの相手が見つからない多数派の存在が予想されます。2位の車や4位の家について、90後の消費傾向に80後との違いはあるのか、新浪微博のクチコミをのぞいてみたところ、『90後には三つの「不(しない)」がある。家を買わない、車を買わない、結婚しない、だ。親に援助してもらわないと買えないものは買わない。独立志向の強い90後にとって、物質的な豊かさよりも自由が大切だ』という投稿がありました。80後に続き、これから結婚、子育てとライフイベントを経験していく90後の消費活動には「親の手を借りずに購入できるかどうか」という点が訴求ポイントとなっていきそうです。

また3位の就職先という結果からは、転職が盛んな中国であっても18歳~27歳である90後の若者にとっては就職が満足のいく結果になっていないこと、また就職先を確保することが困難なこととして認識されていることが考えられます。

欲しいものTOP10(90後)
1 結婚相手
2 車
3 就職先
4 家
5 なし
6 確実に値上がりする株
第二子
6 転職先
9 子供
10 きれいな空気

理想の家族像 ~80後と90後の違いくっきり、核家族望む若者たち~

アンケートでは理想の家族構成も質問しました。結果を80後、90後に分けて集計したところ、今回アンケートに回答した80後と90後では理想とする家族構成に大きな違いがあることがわかりました。80後の理想とする家族構成は1位「夫婦と子供と祖父母」25ポイント、2位「夫婦と子供一人」23ポイント、3位「夫婦と子供複数人」「夫婦のみ」22ポイント、5位「一人」8ポイントとなりました。一方90後は1位「夫婦と子供複数人」24ポイント、2位「夫婦と子供一人」23ポイント、3位「夫婦のみ」「夫婦と子供と祖父母」19ポイント、5位「一人」15ポイントとなっています。

一番の相違点は、なんと言っても90後では祖父母が家族構成に加わることを求めていない方も多いという点でしょう。80後では理想の家族構成の1位に登場している祖父母が、90後では3位になって初めて登場します。独立志向の強さは消費活動だけでなく、ライフスタイル全体に影響を与えるようです。中国では日本のような保育園は普及しておらず、育児休業か祖父母のサポートを得ることで出産後の女性の会社勤めが維持されるのが一般的ですが、今後こういった90後の要望がどのような民間のサービス、社会福祉に結びつくのか、あるいは専業主婦が増えるのか、注目に値する分野の一つとなりそうです。

他には、年齢的な制限や晩婚化が影響するのか、子供を複数人持った家族像を描くのはやはり90後が多いということがわかりました。また「一人」を理想とする回答は90後よりも80後の方が少なく、年齢とともにパートナーを求める傾向が高まることも考えられますが、これとは対照的に80後と90後のどちらにも「夫婦のみ」を志向する層が一定数いることもわかります。夫婦二人を家族単位とし、彼らをターゲットとした有形無形の商品がこれから増えていく可能性もありそうです。

「トレンドExpress調べ」

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