Z世代の食に関する意識調査(Z世代の15~24歳女性対象) 

2021年10月19日

SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキューラボ)』と、「Tカード」のライフスタイル・データをもとにマーケティング・ソリューション事業を展開するCCCマーケティングは、Z世代の15~24歳女性の食に対する消費行動を、定性調査及びWEB調査をもとに把握し、6タイプに分かれた食に対する価値観の特徴が判明しました。

調査トピックス

【Z世代の食に関する意識】

【1】 Z世代が1か月で最も支出が多いのは食。食費のうち40%以上を"エンタメ食"に費やす。食そのものよりも空間を重視。

食において重視している価値観の中で、「食を楽しむには、空間も大事だ」と回答した人が64.6%と最も高いことが判明しました。飲食店などのお店の雰囲気に合うファッションを友達と相談してコーデを決め、自分たちも「空間に溶け込むこと」を意識しているという声も聞かれました。

【2】 "エンタメ食"はコミュニケーションツール。事前の打ち合わせから当日の食事、SNS投稿までを楽しみつくす。

自分や一緒にいる人との時間を充実させることを食に求めており、食を通してコミュニケーションを生み出すことが気分転換にも繋がっていると分かります。

【3】 Z世代の食トレンドを4つにカテゴライズ。Z世代のリアルトレンドは世界観を重視した「空間映え食」

「おしゃピク」「おうち居酒屋」など、空間を重視し、準備からその後のSNS投稿まで楽しめる「空間映え食」がトレンドになっています。

【4】 Z世代の食に対する価値観タイプは「トレンドフリークタイプ」「なかよし食タイプ」「メリハリタイプ」...明らかになった6つのタイプとは

最も多い「トレンドフリークタイプ」は、食トレンドに精通しており、情報収集・支出・SNS投稿などすべてにおいて積極的なタイプです。食に対しては「トレンドであること」、「SNS映えすること」を重視します。また、食だけでなくファッションやコスメに対しても関心が高く、消費意欲旺盛であることが特徴です。

調査結果

【1】Z世代が1か月で最も支出が多いのは食。食費のうち40%以上を"エンタメ食"に費やす。食そのものよりも空間を重視。

SHIBUYA109 lab.の過去の調査では、友達と遊びに行く際に「何を食べに行くか」を中心に予定を立てる実態もみられており、Z世代は「食」に関心が高いことが分かっています。今回の調査では、1か月につき自由に使えるお金※図1が平均37,046円、そのうち食に平均10,797円使っており、食に最もお金を使っていることが明らかになりました。また、食の中でも「エンタメ食※」に40%以上を費やしており、Z世代にとって重要なものとなっています。

※エンタメ食とは、普段の生活のための食事ではなく、カフェやお菓子など"楽しむための食事"を指します。

次に、食において重視している価値観※図2を聞いたところ、「食を楽しむには、空間も大事だ(64.6%)」が最も高く、「食は誰かと楽しむためのもの(55.8%)」、「食を楽しむときも行く場所や人にあわせてファッションにもこだわる(43.8%)」などがあがる結果となりました。

グループインタビューでも、「InstagramやTikTokなどのSNSでお店の雰囲気を確認し、そのお店の雰囲気に合うファッションを友達と相談してコーデを決めている。友達とファッションの系統をそろえる方が仲良く見えるし、お店の空間にも馴染む。写真を撮る時も空間全体を撮るようにしている。」、「友達と"おしゃピク"(おしゃれピクニック)をした時は、公園の雰囲気に合わせて、ワンピースに麦わら帽子で友達とコーデを揃えて楽しんだ。」といった声が聞かれており、自分たちも「空間に溶け込むこと」を意識していることが分かります。

次に、エンタメ食に関する情報を知る場所※図3を聞いたところ、「Instagram(73.6%)」が最も多い結果となりました。他のSNSでは、「Twitter( 43.8% )」、「TikTok(21.7%)」となり、「動画配信サービス(44.8%)」も高く、Z世代が普段から見る媒体から自然と情報収集をしていることが分かりました。

Z世代は写真や動画を情報収集源とすることが主流となっており、グループインタビューでは、「Instagramの発見タブから自分のInstagramアカウントの雰囲気に合うカフェを見つけてストックしている。」、「Instagramは投稿数も多く、写真で確認出来るので参考にすることは多いが、TikTok等の動画でお店の外観・内観の雰囲気を確認することもある。Instagramにある程度投稿がされていて、雰囲気が良いことが決め手になる。」といった声が聞かれ、情報収集の段階では味よりも「撮れ高」を確認する様子が目立ちます。

【2】"エンタメ食"はコミュニケーションツール。事前の打ち合わせから当日の空間、SNS投稿までを楽しみつくす

次に、エンタメ食において重視する点※図4を聞いたところ、「おいしいこと(73.6%)」に続き、「自分が楽しめること(68.5%)」、「友達や恋人と楽しめること(57.3%)」、「気分転換になること(54.6%)」という結果となりました。味だけではなく、自分や一緒にいる人との時間を充実させられることを食に求めており、食を通してコミュニケーションを生み出すことが気分転換にも繋がっていると分かります。

グループインタビューでは、「友達とSNSを見ながら行くカフェを決めて、当日は事前に見たSNSの投稿内容との答え合わせを楽しんでいる。SNSで見た情報と実際に体験したギャップがあっても、それを友達と話して共感するのが楽しい。」「友達とその場の空間を楽しみながら話すのが好きなので、おいしくてもそうでなくても、話のネタになるので味はあまり重視していない。」といった声が聞かれました。

また、Z世代に食に関するSNSの投稿方法※図5を聞いたところ、「投稿しない」と回答した人は37.4%となり、60%以上がSNSに投稿していることが分かりました。グループインタビューでも、SNS投稿用の写真へのこだわりが見られており、「カフェに行ったらInstagramのストーリーズ用に縦型、フィード投稿用にスクエア型をそれぞれ撮る。カフェから帰る時はカメラロールが同じ写真ばっかりになるくらい沢山写真を撮っている。」「SNSへの投稿はもちろんだけど、撮影した動画や写真を後日見返して余韻に浸るまでがカフェ巡り。」といった声が聞かれ、SNSへの投稿を見越した行動をしており、その場を楽しむだけでなく余韻に浸ることも食の楽しみ方のひとつであることが分かります。

情報収集から実際の行動・お店の評価において、味に対する言及がほとんどされず、お店に行くまでの過程や、当日の友達との会話、SNSでの見え方や後日写真や動画を見返したりする楽しさを話す方が多いことが印象的でした。Z世代は食を通して、友達とコミュニケーションを取ることに最も価値を感じていることが分かります。

【3】Z世代の食トレンドを4つにカテゴライズ。Z世代のリアルトレンドは世界観を重視した「空間映え食」

直近の食トレンドへの態度を分析したところ、以下の4つにカテゴライズされました。

①リアルトレンドゾーン:空間映え食
今まさにZ世代の中で広くトレンドになっている食です。「おしゃピク」「おうち居酒屋」など、空間を重視し、準備からその後のSNS投稿まで楽しめるものが多くなっています。

②見る専ゾーン:見て・聞いて楽しい食
「大食い」「ASMR※」など、自分では取り組みませんが、コンテンツとして楽しまれている食です。
※人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚。

③密かに流行ゾーン:これからマス化?食
「ヌン活(アフタヌーンティ活動)」「台湾チキン」「渡韓ごっこ」などは、Instagramでは主流になっていますが、トレンドのピークアウトを迎えておらず、これからマス化する可能性のある食です。

④これから流行ゾーン:これから流行る?トレンドの芽or様子見食?
「エシカルフード」「ヴィーガンフード」に関心が高まっている傾向にありますが、まだZ世代の情報接触が少なく、取り入れ方が分からないため、手を出せていない食です。

【4】Z世代の食に対する価値観タイプは「トレンドフリークタイプ」「なかよし食タイプ」「メリハリタイプ」...明らかになった6つのタイプとは

本調査の食に対する価値観と行動特徴から、Z世代の食に対する価値観タイプが6つに分類されることがわかりました。本リリースでは、6つのタイプの中で最も多い「トレンドフリークタイプ」について解説します。「トレンドフリークタイプ」は、食トレンドに精通しており、情報収集・支出・SNS投稿などすべてにおいて積極的なタイプです。食だけでなくファッションやコスメに対しても関心が高く、消費意欲旺盛であることが分かります。「トレンドであること」を食の一番の価値基準にしており、SNSへの投稿を1つのモチベーションにしているため、味の評価よりも話題性・SNS映えを優先しています。この層は、SNSを中心にほぼ無意識的にトレンドを収集・把握しており、話題のお店にはいち早く飛びつき、SNSへの投稿も欠かしません。情報収集が得意なため、他のタイプではまだ関心が低い傾向にあった「エシカルフード」や「ヴィーガンフード」など社会課題と繋がる食への関心が高いのも特徴です。

調査概要

①T会員対象 WEB調査
・調査期間:2021年8月11日~2021年8月25日
・調査機関:CCCマーケティング株式会社 Tアンケート(T会員へのWEB調査)
・調査対象:全国/女性/18~24歳/学生
・調査設計:SHIBUYA109 lab./ CCCマーケティング株式会社
※サンプル数:1,184s

②SHIBUYA109 lab.による定性調査(グループインタビュー)
・対象者条件:食に興味がある女子高校生~大学生
・人数:高校生グループ3名、大学生グループ4名の計2グループ
・その他過去定性調査をもとに考察

『SHIBUYA109 lab. / CCCマーケティング共同調査』

詳しいリサーチ内容はネタ元へ

[SHIBUYA109 lab.]
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