旅行におけるモバイル&ソーシャル利用市場動向調査 

2013年10月23日
旅行口コミサイトTripAdvisor(トリップアドバイザー)が、旅行におけるモバイル&ソーシャル利用市場動向調査(TripBarometer Mobile and Social survey)を発表。

一般的に、電子機器の電源を切り、日常のノイズをシャットダウンすることこそ休暇の一番の目的と考えられているにも関わらず、実際には、9割近い人々が、旅行中に携帯電話のテクノロジーに依存していることが、トリップアドバイザーの旅行市場動向調査で明らかになりました。

同調査では、世界各国の旅行者のうち87%、日本人では81%の旅行者が、旅行中にスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を使用していると回答。とりわけ、その多くが旅行中も友人や家族とつながっていたいと考えており、その主な理由に、自分だけが取り残されるのではと不安や焦りを感じると回答しています。一方で、増加傾向にある旅行者のモバイルやソーシャルメディアにおけるニーズに対し、宿泊事業者が十分に応えられていないという結果も明らかになっています。

【調査結果】

●モバイル利用により、多くの旅行者が常に「つながっている」状態に

トリップバロメーター・モバイル&ソーシャル調査によると、旅行中にモバイル端末の利用が最も多いのはインドネシア人旅行者(98%)で、日本人旅行者は、81%という結果ながら、世界で最も少ない結果となりました。また、18歳から24歳までの年齢層の利用が最も高く(94%)、女性の利用(88%)は男性(85%)をわずかに上回る結果となっています。

モバイル端末利用の広がりにより、旅行中も常に「つながっている」ことが可能となるなか、モバイル使用の主な理由は通話(73%)とショートメッセージ(SMS)を含むメール(62%)が上位を占め、そのうちの大半がソーシャルメディアを通じて旅のおすすめ情報を検索しています。なお、今回の調査では、ソーシャルメディアを通じて旅のおすすめ情報を検索する日本人旅行者の割合は、世界平均を大きく下回ることが確認されています。

●モバイル活用が旅行者とのキャップを埋めるチャンスに

今回の調査では、世界各国のホスピタリティ事業者が旅行者のモバイルに対する期待に十分応えていないことが確認されていますが、日本も例外ではありません。旅行者の多くが旅行中のモバイル端末利用を希望しているにも関わらず、日本(31%)を含む世界中の約3分の1の宿泊施設がモバイルユーザーとのコミュニケーションに対応していません。とりわけ日本の宿泊施設では、自社ブランドのタブレット向けアプリやモバイルユーザー向けウェブサイト、また旅行者に人気の場所を限定したお得なサービス情報の発信において、世界平均に比べ対応が大きく出遅れています。

世界の宿泊施設の中で、2013年度中にモバイル市場を優先して取り組んでいるのはわずか36%、2014年にモバイルユーザー向けサービスを拡大する計画があるのは53%となっています。一方、日本の宿泊事業者では、モバイル端末による予約機能(22%)を含め、来年モバイル向けサービスを計画している割合は58%に上るにもかかわらず、その大半(41%)は具体的なサービスを決めていないのが現状です。

●旅の計画・実行におけるソーシャルメディア活用の現状

日本人旅行者の5人に1人(21%)が直近の旅行でソーシャルメディアを利用しており、主な利用目的は、おすすめ情報の入手(84%)、目的地の写真と動画の閲覧(58%)、アクティビティや観光に関する情報検索(54%)、割引検索(34%)となっています。

一方、調査では世界中の旅行者の61%、また日本人旅行者の53%が、旅行期間中のかなりの時間をソーシャルメディアに費やしていることが判明。同時に、日本人旅行者はおすすめ情報の検索にソーシャルメディアを利用することが多く、家族や友人の近況確認を目的とした利用は少ない傾向にあることも示されました。

また、旅行期間中のソーシャルメディアの利用目的として、各国の旅行者の8%が「友人に自慢する」と答えており、11%は「友人に自慢できなければ旅行の意味がない」としているのに対し、上記2問の回答者を合わせた日本人旅行者の割合は9%にとどまりました。この設問からは、インド(37%)やインドネシア(30%)の旅行者は、友人に自慢する目的でソーシャルメディアに旅行についての投稿を行う割合が高く、一方、ギリシャ(5%)、イタリア(8%)、日本(9%)は低い傾向にあることが明らかになっています。

●日本の宿泊施設におけるソーシャルメディアを活用したコミュニケーション

日本の宿泊施設の大半(83%)が、宿泊利用者や今後利用いただく可能性のある潜在顧客とのコミュニケーションにソーシャルメディアを利用しており、これは世界平均(82%)と同等の割合となっています。最も多く利用されているプラットフォームは、Facebook(69%)、Twitter(24%)が挙げられますが、ビジネスの点においては、54%がFacebookの利用価値を認めているのに対し、Twitterはわずか2%となっています。また、消費者とのコミュニケーションにブログを利用する割合は、世界平均に比べてはるかに低い水準にとどまっています。

一方、日本の宿泊事業者のうち、顧客とのコミュニケーションにソーシャルメディアを利用しない割合は17%に上り、その主な理由として、知識の不足(68%)、時間の不足(27%)などが挙げられています。ただし、日本の宿泊事業者の34%が2014年にソーシャルメディアへの投資を増やすことを計画しています。


トリップバロメーター調査方法:
今回の調査はトリップアドバイザーが委託し、独立系市場調査会社のEdelman Berlandによって2013年6月から7月までの間、オンラインで実施されました。調査の回答者は宿泊事業者10,469名とオンラインで旅行を予約し、過去1年間に最低1回旅行をした成人消費者19,692名以上で構成されています。回答者の国籍は、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、西インド諸島、中国、エジプト、フランス、ドイツ、ギリシア、インド、インドネシア、イアリア、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、南アフリカ、韓国、スペイン、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国です。日本からは消費者1,112名と宿泊事業者133名が回答しています。

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