未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査(小学校高学年から高校生までの男女及び3歳~18歳の子どもを持つ保護者対象) 

2020年04月07日

デジタルアーツは、未成年者の携帯電話・スマートフォンの最新の利活用状況について、携帯電話・スマートフォンを所持する全国の小学校高学年から高校生(10歳~18歳)までの男女618名、及び3歳~18歳の子どもを持つ保護者1,030名、合計1,648名を対象とし、第13回目となる利用実態調査を実施しました。

昨年後半から、SNSを通じて知り合った相手に小・中学生が連れ去られる誘拐事件が立て続けに報道されました。未成年者がSNSを通じて他人と知り合い、家を訪ねてしまうまでに親しくなった結果の犯罪に世間には衝撃が走り、未成年者自身のSNS利用の危険性に関する無防備な状況に注目が高まっています。こうした現状に対し、従来から警察庁を始めとした関係各省庁・自治体等による取組、各事業者による情報リテラシー向上のための活動等が実施されたおり、未成年者のネット上のコミュニケーションに起因する犯罪については周知され、抑止力としての効果を上げていると考えられます。

本調査では、未成年者のスマートフォンの所有割合や利用実態・フィルタリングの使用率等に加え、インターネット上におけるコミュニケーションの実態と、未成年者の携帯電話・スマートフォン利用(以下、携帯・スマホ)に対する保護者の意識についてもヒアリングし、その結果以下のような傾向が見られました。

調査結果サマリー


■ネット上のコミュニケーション意識の高まりに比べ、リスクに対する危機意識は依然として低い
  • ネット上のみでコミュニケーションを取る友達(「ネット友達」)がいる未成年者は40.1%
    「ネット友達」がいる未成年者は40.1%で、昨年から2.6%増加している。
  • ネット友達と会った・会いたいと希望する未成年者は40.3%で、うち60.7%はネット上の会話を通じて相手を信頼
    相手と実際に会った、またはこれから会いたいと希望する未成年者は全体で40.3%と昨年からは9.7%減少しており、このうち60.7%が「ネット上で話すうちに信頼できると感じた」ことを理由としている。
  • 誘拐事件や自画撮り被害※1に対する危機意識は依然として希薄
    自分の子どもが当事者になり得ると感じたネット上の事件は「特にない」とした保護者は38.3%で、昨年から9.6%減少しているが、子どもたち未成年者は42.1%とほぼ横ばいであった。「誘拐事件」や「自画撮り被害」に対する当事者意識は微増傾向ではあるものの、「誘拐事件」に対しては89.2%(昨年から10.0%増加)/「自画撮り被害」に対しては92.9%(昨年から4.2%増加)が「実感なし」としており、依然として危機意識は希薄である。
  • 裏アカウントの所有率は小学生が増加で低年齢化が進む
    裏アカウントを持つ女子高校生は66.0%で、昨年より3.9%減少、女子中学生は35.0%で、6.7%減少している。それに対して、小学生の所有率が32.0%で昨年から5.5%増加している。
■SNSの利用実態
  • SNSの利用実態
    未成年者の89.8%がSNSを利用しており、利用する内容は「趣味、好きなアーティスト、好きなもの・こと」に関する情報が58.9%で、最も多い。
■未成年者の携帯・スマホの使用状況とフィルタリングの利用率
  • 未成年者のスマートフォン所有率・平均利用時間はほぼ前年並み
    何らかの携帯電話を持つ未成年者のスマートフォン所有率は93.7%でほぼ横ばい。 平均利用時間は昨年より0.1時間減少し、3.6時間となっている。
  • 未成年者のフィルタリング使用率は35.0%
    携帯電話購入時にフィルタリング設定の説明を受けたと回答した未成年者は45.3%で昨年から7.6%減少しており、事件性を危惧する傾向があるにも関わらず、フィルタリングの現在の使用率は35.0%と昨年から5.0%減少している。
■未成年者の携帯・スマホ利用に対する保護者の意識
  • 子どもに連絡手段のために携帯・スマホ等を持たせる保護者が多数
    子どもに携帯・スマホを持たせる目的を「連絡手段」とする保護者が最も多く、小学校高学年~高校生の保護者が69.5%、小学校低学年の保護者が59.7%であった。
  • 多くの保護者は見知らぬ人との繋がりと使いすぎに起因する被害に危惧を抱いている
    小学校高学年~高校生の保護者では、子どものネット利用で不安な点は「知らない人と繋がり、事件等に巻き込まれる危険」とする回答が最も多く、62.0%。次いで「使いすぎに起因する健康被害」が54.9%、「使いすぎに起因する学力低下」が45.1%であった。
  • 携帯・スマホの使いすぎは不安だが、具体的な対策が取れている保護者は約3割に留まる
    携帯・スマホの使いすぎを防ぐ対策として、「子どもの携帯・スマホの利用時間制限」の必要性は感じているが、「フィルタリングで利用時間の制限や使えるアプリを限定する等の制限をしている」という保護者は24.1%で、「利用時間などのルールを設けているがペナルティはない」が28.5% 、「子どもの判断に任せている」が23.0%など、具体的な基準を設けておらず、実質子どもの自由に使わせている保護者が多いと思えた。また、「SNS等の利用について子どもと月1回以上話している」という保護者も40.7%存在している。
  • 子どもに専用端末を持たせている未就学児の保護者は44.7%
    子どもに何らかの専用端末を持たせている未就学児の保護者は44.7%。また、保護者の89.8%が端末で子守をした経験があり、57.3%は子どもが保護者にとって想定外の使い方をしていた経験があった。

調査概要


■調査対象:何らかの携帯電話・スマートフォンを持つ全国の10歳から18歳の男女及び3歳から18歳の子を持つ保護者
■調査期間:2020年2月21日(金)~2月25日(火)
■調査方法:インターネット調査
■有効回答数:1,648サンプル(未成年者:618サンプル、保護者:1,030サンプル)
■実施機関:株式会社マクロミル

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