「電気自動車に関する消費者の意識調査」(6ヶ国調査) 

2013年08月20日
GfKは日本、中国、フランス、スペイン、ロシア、アメリカの6ヶ国で「電気自動車に関する消費者の意識調査」を実施。

【調査サマリー】

・電気自動車(EV)の購入検討者の割合は6つの主要マーケットで比較的高い-中でも日本とロシアが牽引

・ 中国は価格の高さと信頼性の低さにより最も関心が低い

・ 電気自動車は高級車の購入意向者層において最も積極的に 購入検討されている


調査の結果、全体の半数以上(55%)の回答者が電気自動車(EV)に対して好印象を持ち、半数近く(44%)の回答者が次回の購入時に「ある程度/大いに検討する」としていることが明らかになりました。一方で、約3分の1 (31%)は「それほど/まったく検討するつもりはない」と答えています。

全体として、電気自動車に関する肯定的な印象の上位3位は、間接的メリットである「低公害/環境に優しい」(77%)、「革新的である」(76%)、「走行中の音が静か/騒音が少ない」(76%)であり、続いてユーザーにとっての直接的メリットである「運転しやすい」(68%)、「電気代/燃料費が安い」(65%)となっています。否定的な印象の上位3位は「選択肢が少ない」(67%)、「サービスや修理を受ける場所が限定されている」(64%)、「価格が高い」「バッテリー寿命が短い」(ともに61%)となっており、これらは「一回の充電での走行距離が短い」(58%)や「充電インフラが整っていない」(57%)などを上回っています。

「電気自動車の主なメリットを認識することにより、国によって異なる課題や機会が明らかとなりました。電気自動車に最も親しみのある日本では、「運転のしやすさ」「安全性」「信頼性」などの『ユーザーにとっての直接的メリット』が6 ヶ国中で最も高い割合となっていました。一方、中国、USA、ロシア、フランスと、その4 か国よりは比率はやや高いもののスペインも含めて日本以外の5 か国では、それら(直接的メリット)の割合が低くなっています。これら4 ヶ国のマーケットでは「低公害」など間接的メリットの印象が高い反面、『ユーザーにとっての直接的メリット』の印象は低くなっています。
 
国別結果:購入に際してのメリットとデメリット
電気自動車購入の関心がより高いのは、高級車セグメントの購入意向者層


中国を除くすべてのマーケットにおいて、購入しようと思っている車と同じ車種で電気自動車があった場合にその電気自動車の購入を最も積極的に検討するのは、高級車の購入意向者層となっていました。マーケットのポテンシャルとして日本とロシアは6 ヶ国中最も有力であり、4 分の3 前後が電気自動車に対して好印象を持ち、半数以上が購入を検討するという結果となっています。これらのマーケットにおける調査結果を詳しく分析すると、高級車の購入検討者が主な潜在顧客となっています。

日本では高級(輸入)ステーションワゴンの購入検討者の76%、ロシアでは高級コンパクトカーの購入検討者の81%が電気自動車の購入検討に関して前向きです。日本・ロシアに続いて、マーケットとしてのポテンシャルが3 番目に高いのはスペインとなっており、3 分の2 近くが好印象を持ち、半数近くが購入検討に前向きとなっています。また、高級セダンの購入意向者が電気自動車の購入検討に最も前向き(55%)となっています。フランスにおいては半数以上が好意的ですが、購入検討に前向きなのは3 分の1 となっています。アメリカでは好印象は3分の1程度と低くなっているものの、スペインと同程度の割合で購入検討に前向きであり、顧客が持つ懸念をクリアすることによりマーケットとしての可能性が広がりそうです。最下位となった中国では、購入検討に前向きなのは5分の1で、好印象の割合はさらに低くなっており、電気自動車の普及には大きな課題となっています。

日本 - 多数が電気自動車に対して好印象を持ち(82%)、購入を検討している(63%) 重要なマーケットです。日本のマーケットを動かしている要素は他国とは異なり、「運転のしやすさ」「安全性」「信頼性」といったユーザーにとっての直接的なニーズと合致しています。また、コストパフォーマンスが高いという印象を持ち、高価格だとしても購入意向を持っています。一方、電気自動車の印象として「低公害/環境に優しい」と答えた購入検討者は半数以下となっています。日本において購入のデメリットとなるものはみられませんでした。


【調査概要】
GfKの2013年度電気自動車調査は、電気自動車に関する国際的意識調査を目的として6ヶ国の消費者を対象に行われました。対象国、回答者数、調査方法は以下の通りです。中国 (一般回答者3,105人、オンライン調査)、日本(電気自動車購入検討者1,194人、オンライン調査)、フランス(電気自動車購入検討者1,000人、オンライン調査)、スペイン(電気自動車購入検討者235人、対面調査)、ロシア(電気自動車購入検討者904人、オンライン調査)、アメリカ(電気自動車購入検討者500人、オンライン調査)。アンケートは6ヶ国を対象とした既存の調査に組み込まれ、電気自動車に対する認知状況、購入検討、評価や印象について調査されました。調査はすべての対象国において2013年1月から4月の間に行われました。

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン]
 マイページ TOP