就職活動、新卒採用活動に関する調査 

2013年12月06日
アイデムは、2015年に就職活動を行う学生の実態と企業の新卒採用活動の動向を明らかにすることを目的に、学生と企業の両方を対象に、就職活動、新卒採用活動に関する調査を実施した。

 【調査結果のポイント】

■学生調査

・企業選定の際に重視することは、「事業内容」(81.8%)、「会社・社員の雰囲気」(79.1%)、「職種」(77.8%)、「勤務地」(76.5%)、「企業の安定性」(75.4%)

・就職活動で不安に感じていることは、「どのような準備・対策をすればいいのかわからない」(55.6%)、「内定が取れないかもしれない」(55.6%)、「就職活動と勉強の両立が難しい」(50.4%)

・就職活動の開始時期を遅らせることで学生が学業に専念できるかどうかは、「そう思わない」(35.3%)が最多。就職活動の開始時期にふさわしいと思う時期は「大学3年生/大学院1年生の10月~12月」が24.1%で最多


■企業調査

・新卒採用選考で重視することは、「人柄・性格」(92.7%)、「身だしなみ・立居振る舞い」(83.3%)、「志望動機」(74.3%)

・「エントリーシート」の確認時間は応募者1人あたり「10~30分未満」(49.5%)が最多。25.5%の企業はエントリーシートの確認する際に、何かしらの条件を設けて応募者を抽出

・2016年度より就職活動の時期を現行から3ヶ月後倒しする、経団連の「採用選考に関わる指針」への順守意向については、62.3%が「守ると思う」と回答。採用選考活動の期間は「終了時期を後倒しにする」(37.1%)と「終了時期は従来通りにする」(36.2%)がほぼ拮抗

・就活時期後ろ倒しの影響ついては、「特にない」(64.1%)が最多。良い影響では「質の高い学生の応募・採用が見込める」(53.3%)、悪い影響は「採用担当者の負担増」(36.0%)


 【調査結果の詳細(学生)】

◆ 企業選定の際に重視するもの

志望企業を選定する際に、以下の26項目をどの程度重視するかを聞きました。
重視派(「とても重視している」+「重視している」の合計)が多かったのは、順に「事業内容」(81.8%)、「会社・社員の雰囲気」(79.1%)、「職種」(77.8%)、「勤務地」(76.5%)、「企業の安定性」(75.4%)でした。反対に、「成果主義であること」、「海外展開していること」、「外資系企業であること」は重視派が少なく、それぞれ21.4%、17.1%、10.2%にとどまっています。

◆ 就職活動での不安

就職活動に対する心境として、期待と不安のどちらが大きいかを聞きました。結果は、「不安のみで、期待は全くない」が23.8%、「期待もあるが、どちらかと言えば不安の方が大きい」が36.4%、「期待と不安は同程度である」が25.9%となり、8割以上の学生が、期待と不安が同程度もしくは不安の方が大きいと感じていることがわかりました。
また、「期待のみで、不安は全くない」以外を回答した者に対し、感じている不安を具体的に聞いたところ、「どのような準備・対策をすればいいのかわからないこと」、「内定が取れないかもしれないこと」が、ともに55.6%で最も多くなっています。次いで、「就職活動と勉強の両立が難しいこと」50.4%、「自分の何を評価されるのかがわからないこと」47.7%、「本当に自分のしたいことが何か分からないこと」45.3%となっています。

◆2016年度就職活動の後ろ倒しについて

2016年度入社の採用選考活動について、経団連から「採用選考に関わる指針」が出されています。これは、採用選考活動の開始時期を現行より3ヶ月後ろ倒し(大学3年生12月→3月)にするよう呼び掛けるものですが、これについて学生側の意見を聞きました。

まず、政府や企業が大学教育や留学等の促進を目的に、就職活動の開始時期について議論・検討していることを知っているかを聞くと、約8割の79.1%が「知っている」と回答しました。また、就職活動の開始時期を遅らせることで、学生が現行よりも学業に専念できるようになると思うか聞いたところ、結果は「そう思わない」が最多で35.3%、次いで、「就職活動の開始時期と学業に専念できるかどうかは関係ない」30.2%となり、7割近い学生が就職活動開始時期の後ろ倒しが、学業への専念につながるのか、疑問を呈しています。加えて、就職活動の開始時期にふさわしいと思う時期を挙げてもらうと、「大学3年生/大学院1年生の10月~12月」24.1%、「大学3年生/大学院1年生の1月~3月」20.3%、「大学4年生/大学院2年生の4月~6月」20.1%の順で多くなっていました。

【調査結果の詳細(企業)】

◆2014年度新卒採用で取り入れた選考方法

2014年度の新卒採用活動において、どのような選考を取り入れたのかを聞くと、もっとも多かったのは「個人面接」で71.5%でした。従業員規模が大きくなるほど、各選考方法の回答割合が高くなる傾向にあり、より多くの手法を取り入れている様子がうかがえます。また、「エントリーシート」での選考を取り入れている企業に、その詳細を聞いたところ、エントリーシートの確認時間は、応募者1人あたり「10~30分未満」の企業が49.5%でした。また、約3割の企業では、エントリーシートを確認する際に、何かしらの条件を設けて応募者を抽出していました。

◆インターンシップの実施状況

過去3年のインターンシップの実施状況について聞くと、インターンシップを「行った」企業は35.2%、「行っていない」企業は57.4%でした。また、インターンシップを「行った」と回答した企業に、インターンシップの目的を聞くと、「学生への自社の認知や応募者増加のための広報活動」と捉えている企業が37.8%で最も多く、次いで、「選考の一環」35.2%、「社会貢献活動の一環」22.7%の順となりました。

◆2014年度新卒採用選考での重視ポイント

2014年度の新卒採用において、下記の16項目の重視度合を聞きました。重視度が高かった(「とても重視した」+「どちらかと言えば重視した」)のは、1位「人柄・性格」92.7%、2位「身だしなみ・立居振る舞い」83.3%、3位「志望動機」74.3%でした。

◆2015年度新卒採用活動の開始時期

2015年度の新卒採用活動の開始時期について、日本経済団体連合会(以下経団連)が示す「採用選考に関する企業の倫理憲章」を意識しているか聞きました。結果は、「意識している」50.3%、「意識していない」34.9%でした。従業員規模別で見ると、従業員規模の大きい企業では「意識している」という回答が70.0%に上りますが、従業員規模が小さくなるにつれその回答割合は低くなっていきます。

◆2016年度新卒採用選考における「採用選考に関わる指針」の順守意向

2016年度の新卒採用選考活動について、経団連から「採用選考に関わる指針」が出されています。これは、採用選考活動の開始時期を現行より3ヶ月後ろ倒し(大学3年生12月→3月)にするものですが、これについて、現段階での順守意向を聞きました。「守ると思う」と回答した企業は62.3%で6割を超えましたが、約3割の企業は「わからない」と回答しています。
従業員規模別に見ると、「29人以下」の企業では、「わからない」という回答が49.6%と約半数に上り、方向性を決めかねている様子がうかがえます。また、「守ると思う」という回答は、従業員規模が大きくなるほど回答割合が高くなり、規模の大きい企業ほど順守意向が強くなっています。

◆2016年度新卒採用の期間

2016年度の新卒採用選考活動について、開始時期が現行より3ヶ月後ろ倒しになった場合、採用選考活動を行う期間はどのようになりそうかを聞きました。

「採用選考活動の開始時期が後ろ倒しになった分、終了時期も後ろ倒しにする(従来の採用選考活動期間を確保する)」が37.1%、「採用選考活動の開始時期が遅くなっても、終了時期は従来通りにする(実質、採用選考活動期間を短縮する)」が36.2%、「経団連の指針は意識しておらず、従来通りの採用期間で進める」が26.7%という結果になりました。「採用選考活動の開始時期が遅くなっても、終了時期は従来通りにする(実質、採用選考活動期間を短縮する)」の回答者に、それを実現するための対策や取り組みとして考えていることを聞きました。最も多かったのは、「他部署と連携して、採用時期だけ人員を増員する」23.2%でしたが、「考えていない/わからない」とする企業も21.0%存在していました。

◆2016年度新卒採用選考活動の開始時期が後ろ倒しになることの影響

2016年度の新卒採用選考活動について、開始時期が現行より3ヶ月後ろ倒しになった場合、自社にどのような影響がありそうか聞いたところ、64.1%の企業が「特に影響はないと思う」と回答しました。従業員規模別に見ると、従業員規模が大きくなるにつれて、「良い影響がありそう」「悪い影響がありそう」のそれぞれの回答割合が高くなる傾向にあります。規模の大きい企業ほど、少なくとも何かしらの影響があると想定しているようです。

2016年度入社の採用選考活動について、開始時期が現行より3ヶ月後ろ倒しになった場合に「良い影響がありそう」「悪い影響がありそう」と回答した者に、それぞれの理由を聞いたところ、「良い影響がありそう」と考える理由は、「学生が学業や課外活動に専念する時間が増え、より質の高い者の応募・採用が見込めそうだから」が53.3%と突出していました。
一方、「悪い影響がありそう」と考える理由では、「選考期間が短くなることで、採用担当者の負担が大きくなりそうだから」36.0%、「選考期間が短くなることで、応募者一人当たりにかけられる時間が少なくなりそうだから」35.4%が拮抗しています。


【調査概要】
・調査対象:
 学生/民間企業への就職を希望する大学3年生・大学院1年の男女
 企業/2014年度の新卒採用活動を行い、2015年度の新卒採用活動も実施・予定している企業
・調査方法 株式会社クロス・マーケティングの登録モニターを利用したWebアンケート調査
・調査期間 2013年11月11日~11月13日 2013年11月8日~11日
・有効回答 学生/374名  企業/1000名

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アイデム]
 マイページ TOP