NRI生活者1万人アンケート調査(金融編) 

2013年12月25日
野村総合研究所(NRI)は、2013年8月~9月に、全国の18歳~79歳の男女個人を対象として、金融意識や行動の実態と変化の方向性を把握するため、「NRI生活者1万人アンケート調査(金融編)」を行いました(有効回答10,073名)。

「老後生活への準備」については、生活資金の準備と仲間づくりが重点項目となっていること、20~30代でもすでに5割が生活資金の貯蓄に関心を持っていることがわかりました。「金融詐欺の経験」については、22%の回答者が、親族・知人を含め経験・見聞していることが明らかになりました。

【調査結果】

1)老後の生活や相続の準備・計画状況について

■生活資金の準備と仲間づくりが、老後の備えの重点

老後の生活や相続に関して提示した20項目の中で、“準備・計画している”、“準備・計画していないが興味がある”の回答率がともに最も高かったのは、「老後の生活資金の貯蓄」でした(準備・計画している25%、準備・計画に興味がある47%、合計72%。以下同様)。それに次ぐのが「定年から公的年金支給までの生活費の確保」(16%、45%、62%)、「趣味や旅行のための仲間づくり」(17%、44%、61%)でした。生活資金の準備と仲間づくりが、老後に向けた備えの重点項目になっていることがわかります。
「自分が入るためのお墓の確保・購入」「葬式費用の準備(互助会での積み立てなど)」については、“準備・計画している、もしくは興味がある(前述の2つの合計)”の回答率に比べて、“準備・計画している”の回答率が高く、ニーズに対する実現率が高いと言えます。これらは、老後や死後に備えるサービスが、古くから存在しているからと解釈できます。
一方で、「エンディングノートや遺言の作成」「介護付き有料老人ホームへの入居」「財産の一覧の作成」「民間の介護保険への加入」「生前贈与」については、ニーズが一定程度(2割強)あるにも関わらず、“準備・計画している”の回答は数%にすぎません。これらは比較的新しいサービスとして関心を集めており、これから準備・計画する人が増えていくと考えられます。

■20代~30代の約5割が、老後の生活資金の貯蓄に関心

「老後の生活資金の貯蓄」について、年代別に準備・計画や興味の有無について集計したところ、年代が上がるとともに“準備・計画している”割合が高くなります。特に、50代になると老後の生活資金の準備が本格的に始まることが確認されました。
一方、老後の生活資金の貯蓄に関して、“準備・計画していないが興味がある”割合は、40代が約6割と最も高くなっていますが、20代~30代でも約5割の人が興味を持っています。老後の生活資金の貯蓄に関する興味は、若年層においても高い水準にあります。

お墓や葬儀費用の準備といった、従来定着していることだけでなく、民間の介護保険、介護付き有料老人ホーム、生前贈与など、新たなサービスの広がりとともに、生活者にとっての選択肢も多様化し、今後は、準備・計画をしている人の割合が高まっていくと考えられます。

2)金融詐欺の経験について

代表的な金融詐欺として、「振り込め詐欺※1」「投資詐欺※2」「フィッシング※3」「スキミング※4」の4つを取り上げ、その経験を尋ねました。“自分や親族・知人が被害にあったことがある”割合と“自分や親族・知人が経験したことがある(被害はなかった)”割合の合計を、「経験・見聞率」と呼びます。

■金融詐欺の経験・見聞率は22%

上記4つの金融詐欺のいずれかについて、“自分や親族・知人が被害にあったことがある”(6%)、“自分や親族・知人が経験したことがある(被害はなかった)”(16%)、合わせて18~79歳の22%が金融詐欺を経験もしくは見聞きしていることがわかりました。種類別の経験・見聞率は、「振り込め詐欺」が16%と突出して高く、以下「投資詐欺」「フィッシング」「スキミング」の順になっています。調査結果からは、振り込め詐欺を中心とする金融詐欺が身近に迫っている様子がうかがえます。
今後、ネットバンクやクレジットカード・電子マネーの利用、あるいはNISA等を活用した投資が普及するにしたがって、金融詐欺を防ぐための、利用者の啓発と社会的な仕組み作りが、一層重要になると考えられます。

※1家族などをかたってお金をだまし取ろうとする電話
※2高利回りで低リスクな架空の投資商品の販売など
※3金融機関からのメールやWebサイトを装った詐欺
※4クレジットカードやキャッシュカードの磁気記録情報を不正に読みだして使用する犯罪


【調査概要】
・調査名:「生活者1万人アンケート(金融編)2013」
・調査目的:日本人の金融意識や行動の実態と変化の方向性を把握する。具体的には、決済(クレジットカード、電子マネー等)、生命保険、自動車損害保険、借入、貯蓄・投資資産運用、老後・相続、および家計等について、多面的に金融機関や商品・サービスの利用実態とその理由を明らかにする。
・調査時期:2013年8月~9月
・調査方法:訪問留置法
・調査対象:全国の満18~79歳の男女個人(層化確率比例抽出法(性・年代別に割当))
・有効回答数:10,073名

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[野村総合研究所]
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