企業のリスクマネジメントに関する調査(2013年版) 

2014年01月08日
トーマツでリスクマネジメント等の調査・研究を行うトーマツ企業リスク研究所は、企業のリスクマネジメントに関する調査(2013年版)結果を公表。この調査は2013年に開催したセミナーの出席者(主に企業のリスク管理部門、コンプライアンス部門、内部監査部門の方)に対して実施し、223社から回答を得た。同調査は2002年から始まり、今回で12回目。

【調査総括】

リスクマネジメントは、企業価値に影響を与える潜在的リスクを識別し、適切に管理することでリスクの最小化を図る活動である。当調査において、潜在的リスクを識別・評価する「リスク評価を実施している」と回答した企業(以下、リスク評価実施企業)の割合は2年ぶりに上昇し、2011年85.0%、2012年82.6%から2013年は87.0%へと回復傾向を見せた。
リスクマネジメント体制の整備について「現状維持である」と答えた企業が大多数(79%)であるものの、今回は、「拡大した」と答えた企業が前回より6%増加(18%)していることから企業のリスクマネジメント体制拡充が進んだ年であったと言える。

一方で、自社のリスクマネジメント体制を「適切に構築されているとは言えない」と評価している企業が44%に上り、前回より10%増加した。これは、リスクマネジメントの重要性に対する理解の浸透に呼応してリスクマネジメントに求める水準が高くなったことや企業のグローバル活動が拡大していること等を受け、自社の状況をまだ不十分とする認識が芽生えていることや、日本企業の海外進出が加速することに伴う海外リスクマネジメントの必要性が高まりつつあるためだと推定される。

優先すべきリスクは、「海外拠点の運営に係るリスク」が初めて全体の1位(29%)になったことに加え、海外関連リスクと密接に関係する「子会社ガバナンスに係るリスク」は2012年と同じ4位ではあるが、前回より12%増の26%となった。2011年、2012年と1位であった「地震・風水害等、災害対策の不備」は、2012年より6%減(26%)の全体3位となり、落ち着きを見せた。一方、認識度が高まっているリスクとしては、「情報漏えい」(28%、前回比9%増)、「役員・従業員の不正」(16%、前回比8%増)が挙げられる。


【調査概要】
この調査は、有限責任監査法人トーマツのリスクマネジメント等の調査・研究を行うトーマツ企業リスク研究所が2013年5月~10月までに開催したセミナーの出席者に対して実施したアンケート調査結果に基づくものである。有効回答数223社(2011年226社、2012年144社)。

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[トーマツ]
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