2015年度就職活動に関する調査(2014年2月末状況) 

2014年04月09日
アイデムの人と仕事研究所は、2015年3月に卒業予定で、民間企業への就職を希望している大学3年生及び大学院1年生の男女510名を対象に、2014年2月末時点の就職活動の進捗状況・企業選定の傾向・就職活動に対する気持ちに関する調査を実施。

<調査結果>

【就職活動の進捗状況について】
現在のステータス:
・「面接・試験段階」を挙げた人が1月末の8.3%から24.1%へ大幅に増加
・エントリーシート・履歴書の提出社数も1月末の平均8.84社から平均12.63社に
・面接選考企業数は「平均3.12社」で前月から微増

企業説明会への参加 :
・会社説明会への参加回数は1月末の平均14.50社から平均19.73社に増加
・説明会で他の学生を見て「この企業は自分に合わないと感じたことがある」は77.2%
・ネット上で視聴できる「WEB説明会」に参加したことがある学生は46.9%
・WEB説明会の最大のメリットは「時間の融通が利く」(69.4%)
・一方、デメリットは「会社・社員の雰囲気が分かりづらい」(46.1%)

【企業選定の傾向について】
応募の際のハードル:
・「エントリーに手数料がかかる」場合でも、84.4%は選考に参加

公表されていないと不安な企業情報:
・多い順に「離職率」(50.0%)、「1日の就業時間」(43.5%)、年間休日数(40.2%)

<調査結果の詳細※一部抜粋>

◆ 就職活動の進捗状況
学生に、2014年2月末時点の就職活動状況を「現在行っている主な活動」と「最も選考が進んでいる企業の進捗」に分けて聞いた。
「現在行っている主な活動」においては、「エントリー活動段階」を挙げた者が55.5%となり、前回の1月末状況調査の67.1%から約1割減っていた。その半面、「面接・試験段階」の回答割合が前回の8.3%から24.1%と大幅に増え、就職活動が本格的な選考段階に移行してきたことがうかがえる。

◆ エントリーシート・履歴書提出企業数
「就職活動の進捗状況」において、「現在行っている主な活動」もしくは「最も選考が進んでいる企業の進捗」が「エントリー活動段階」以降の活動だった学生に対し、2014年2月末時点でエントリーシートや履歴書を提出した企業の数を聞いた。1人平均12.63社となり、男性では11.91社、女性では13.35社となっている。また、大企業志向の者の平均は14.04社と、中小企業志向の者(12.01社)や企業規模を意識していない者(10.19社)よりも多くなっている。
回答分布を見ると、「1~9社」が47.1%、「10~29社」が43.2%で約9割を占めている。1月末状況調査と比較すると、「10~29社」と回答した者の割合が20ポイント以上伸びていた。

◆ 面接選考企業数
「就職活動の進捗状況」において、すでに内々定を獲得している学生と「現在行っている主な活動」もしくは「最も選考が進んでいる企業の進捗」が「面接・試験段階」と回答した学生に対し、2014年2月末時点で、「グループディスカッションやグループワーク形式の選考」と「対面形式の面接選考」を行った企業の数を聞いた。
「グループディスカッションやグループワーク形式の選考」においては、全体の平均は2.57社となり、男性では3.03社、女性では2.14社と、男性の方がやや多い。また、大企業志向の者の平均は2.90社、中小企業志向の者は2.20社、企業規模を意識していない者は2.19社という結果だった。
「対面形式の面接選考」においては、全体の平均は3.12社だった。男性は3.43社、女性は2.82社で、男性の方がやや多いようだ。大企業志向の者と中小企業志向の者においては、それぞれ3.30社、3.27社と差はないものの、企業規模を意識していない者では2.49社と社数がやや少なくなっている。

◆ 会社説明会参加回数
「現在取り組んでいる/今後取り組む就職活動準備・対策」において、2014年2月末までに行った準備・対策として「個別企業の説明会・セミナーへの参加」と「複数企業合同の説明会・セミナーへの参加」と回答した学生に対し、2014年2月末までの会社説明会・セミナー参加回数を聞いた。結果は、平均19.73回だった。また、大企業志向の者の平均は24.36回となり、中小企業志向の者よりも参加回数が平均10回多かった。
また、回答分布を見ると、「1~4回」14.6% 、「5~9回」15.0%と10回未満の参加回数の者は3割に留まった。1月末状況調査と比較すると、「20~29回」「30回以上」の回答割合が大幅に増えており、約半数の者が会社説明会・セミナーに20回以上参加しているという結果になっている。

◆ 会社説明会で感じる他の学生の様子
「現在取り組んでいる/今後取り組む就職活動準備・対策」において、2014年2月末までに行った準備・対策として「個別企業の説明会・セミナーへの参加」と「複数企業合同の説明会・セミナーへの参加」と回答した学生に対し、2014年2月末までに参加した会社説明会・セミナーで、同席していた学生の雰囲気や経歴にふれて、「この企業は自分に合わないのではないか」と感じたことがあるか聞いた。結果は、77.2%が「ある」と回答し、会社説明会・セミナーに参加している他の学生の様子から、その企業の雰囲気を推し量っている様子がうかがえる。
また、「ある」と回答した学生に対し、その結果、当該企業への志望度がどのようになるかを聞くと、「志望度が下がる」と回答した者が90.8%に上った。

◆ WEB説明会の参加体験
学生に、「WEB説明会※」に参加したことがあるか聞いた。「ある」46.9%、「ない」53.1%となり、参加経験がある者の方が若干少ない結果となった。企業規模に対する志向との関係を見ると、WEB説明会に参加したことが「ある」者は、大企業志向の者で58.1%と6割近くに上る。中小企業志向の者は39.1%、企業規模を意識していない者では33.1%となっていることから、企業規模の大きい企業で多く導入されている印象を受ける。
また、学生に、「WEB説明会」のメリット・デメリットについて聞いた。メリットとして上位に挙がったのは、「時間の融通が利く」69.4%、「移動の交通費がかからない」61.8%、「自分の好きな場所で参加できる」56.3%、「身だしなみ等を気にせず、気軽に参加できる」53.1%だった。通常の説明会・セミナー等とは異なる、効率の良さや気軽さが支持されているようだ。
一方、デメリットとして上位に挙がったのは、「その会社や社員の雰囲気が分かりづらい」46.1%、「緊張感や集中力を保ちづらい」42.4%、 「他にどんな学生が参加しているのか、雰囲気が分かりづらい」41.0%だった。その企業に足を運べば自然に得られる情報が、WEB説明会では得づらいというのが難点のようだ。とは言え、デメリットよりもメリットの方が、各項目に対する回答割合が高くなる傾向にあり、学生がメリットを強く感じている様子が明らかである。

◆ エントリー・応募の際のハードル
学生に、企業側がエントリーや応募に際して「説明会・セミナーに参加しないと、エントリー・応募ができない」、「WEBやメールではなく、電話や訪問でエントリー・応募をする」、「エントリー・応募する際に手数料がかかる」、「その企業の関係者から推薦をもらわないと、エントリー・応募ができない」等、一定の条件を課していた場合、どの程度の志望度ならばエントリー・応募に踏み切るのかを聞いた。
一見、エントリー・応募するのに障壁となりそうな「エントリー・応募する際に手数料がかかる」という条件に関しては、「志望度にかかわらず、エントリー・応募はしない」という回答は15.7%に留まり、手数料がかかったとしても8割以上の学生がエントリー・応募をする意向があった。とは言え、「具体的な応募を検討していたわけではないが、興味を感じた企業であればエントリー・応募する」という回答は11.6%と、他の条件の場合よりも、回答割合が低くなっており、志望度の低い学生がエントリー・応募することに対する抑制になっていることもうかがえる。

◆ 公表されていないと不安な企業情報
学生に、以下に挙げた企業情報のうち、公表されていないと応募が不安になるものは何かを聞いた。最も回答を集めたのは、「離職率」で50.0%だった。次いで、「1日の就業時間」43.5%、「年間休日数」40.2%、「時間外労働(残業)時間」39.4%となっている。
男女別に見ると、全体的に女性の方が回答割合が高く、より多くの企業情報の公開を望んでいる。特に、「有給休暇の取得状況」「育児・介護休業の取得状況」においては、男性と大きく差が開いており、男女の温度差がうかがえる結果となった。


【調査概要】
・調査目的: 2014年2月末時点における就職活動の準備・進捗状況等から、就職活動を行う学生の実態を明らかにすること
・調査対象: 2015年3月卒業予定で、民間企業への就職を希望している大学3年生及び大学院1年生の男女
・調査方法: インターネット調査
・調査期間: 2014年2月28日~3月6日
・有効回答: 510名(男性252名、女性258名/文系318名、理系192名)

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