「東京の夏を検証!夏の暑さ」に関する意識調査(東京在住の外国人対象) 

2014年07月18日
ダイキン工業は、「東京の夏の暑さ」をテーマに、東京在住の外国人 100人を対象とした『第20回現代人の空気感調査』アンケートを実施。『現代人の空気感調査』は、“空気”に関する現代人の意識や課題を浮き彫りにし、日頃意識されにくい“空気”について、多くの方々に興味と関心を持っていただくことを目的として、2002年から実施しています。

20回目となる今回の調査では、東京の夏を経験したことがある外国人を対象に、「東京の夏に関する意識と実態」を調べました。その結果、9割の外国人が「東京の夏は自国と比較して暑い」と感じていることが分かりました。また、暑さに適応している日本人の夏の生活スタイルや都市のエアコン設置状況などに驚きながら、徐々に自分も日本の夏に適応していく様子が見てとれ、興味深い調査結果となりました。

【調査結果】

日本の夏は世界一過酷? 約9割の外国人が自国よりも東京のほうが暑いと回答

東京の平均気温はこの100年で3℃以上上昇しており、世界の中でもヒートアイランド化※が顕著な都市と言われています。最高気温が35℃を超える猛暑日や熱帯夜の日数も増加しており、世界的に見ても東京の夏は過酷な環境だと言えるのではないでしょうか。

では、海外の方は東京の夏をどのように感じているのでしょうか。東京の夏を経験したことのある外国人へ「あなたは、東京の夏をどう感じますか」との質問をしました。その結果、すべての方が「東京の夏は暑い」と回答しており、さらに、「自国と比べてどう感じますか」という質問には、「耐えられないくらい暑い25%」、「暑い44%」、「やや暑い19%」と約9割(88%)の方が「自国よりも東京の方が暑い」と回答しました。
気温だけを見ると、中東や東南アジア、アフリカ地域では東京より高い気温を記録する都市も多くありますが、東京の夏の方が暑いと感じている方が多いという結果となりました。

暑さを感じる原因は湿度!? コンクリートに覆われた地面や夜間の気温も一因か

東京の夏はなぜ暑く感じるのでしょうか。「あなたが東京の夏を暑く感じる理由は何でしょうか」と聞いたところ、ダントツの1位は「湿度が高いため(80%)」でした。夏に太平洋からの湿った風が流れ込み、気温だけでなく湿度も高くなる日本の特徴をよく表しています。

2位以下に続いたのは、「気温が高いため(56%)」、「地面がアスファルトやコンクリートに覆われているため(28%)」、「夜でも気温が下がらないため(28%)」という回答でした。この結果はヒートアイランド現象の特徴と合致する結果となっています。都市化が進むことによりアスファルトやコンクリートの地面からの照り返しで温度が上がり、同時に地面や建物がため込んだ熱が放出されないため、夜間の気温が下がりにくく、多くの外国人が暑さを感じているようです。

また、人間は湿度が高いほど体感温度が高くなり、暑く感じるようになりますが、夏の蒸し暑さを定量的に表した指標として「不快指数※」というものがあります。気温と湿度から算出される指数ですが、夏期の湿度が高い東京は、世界の主要都市と比較しても、かなり不快指数は高いようです。

出身地域別の回答を見ると、中東・アフリカの方は特に湿度が苦手なようです(湿度が高いため96%)。ヨーロッパの方は夜間の気温が下がらないことで暑さを感じている方が多く見られました(夜でも気温が下がらないため56%)。気温だけ見ると東京と同等の環境の都市はありますが、暑さを感じる要素が複合的に重なる東京の夏は、世界一過酷とも言えるかもしれません。

外国人が驚いた日本人の暑さ対策、1位は「日傘をさす」

東京の夏の暑さ対策で、あなたが感心した・驚いた対策はありますかと聞いたところ、1位は「日傘をさす(46%)」でした。日本では多くの女性が暑さ対策、日焼け対策として日傘をさしていますが、外国ではあまり一般的でないようで、半数近い外国人が驚くという結果になりました。

2位は「うちわや扇子を使う(37%)」、3位は「浴衣を着る(35%)」「涼感グッズを使用する(35%)」でした。以下、「打ち水をする(32%)」「風鈴をつるす(32%)」が続いており、古くから日本人が実践してきた暑さをしのぐ知恵や工夫に、外国人が感心している様子が見て取れます。日本人にとっては当たり前と思っている暑さ対策も外国人から見ると不思議で驚きがあるようです。

日本の伝統的な暑さ対策が上位にランクインする一方で、「エアコンを使用する(18%)」ことに驚かれる方も意外に多くいることが分かりました。日本の場合、建物だけでなく電車等の乗り物も含め、「あらゆる場所にエアコンが設置されている」ことに驚いているようです。また、「屋内でのエアコンの設定温度が低すぎて寒く感じる」との声もありました。

日本は変わっている!? 東京の夏で驚いた光景は?

「東京で印象的・驚いた光景はありますか」と聞いたところ、多くの方が、「サラリーマンが真夏の暑い中でもスーツの上着を着て仕事をしている光景」に驚きを感じているようでした。一方で、「暑いはずなのに日焼け対策のため、腕の上部まで覆う手袋を付けたり、長袖の服を着ていたりしている」のが印象的だという回答も見られました。また、涼感グッズについても「扇風機のついている帽子をかぶっている人がいた」など、海外だけでなく日本でも珍しい光景を目にして驚いていたようです。

日本人よりも暑がり?外国人のエアコン設定温度は24℃

日本人と外国人で、エアコンの使い方に違いはあるのでしょうか。出身国および日本の自宅でエアコンを使いますかと聞いたところ、「出身国で使う人:56%」「日本で使う人:87%」という結果になりました。特にヨーロッパ出身の方は自宅でエアコンを使うことが少なく、日本に来てから初めて使う方が多いようです。

また設定温度については、、「外国人は24℃設定にしている方が最も多い」という結果でした。
夏場のエアコンの設定温度については政府が28℃を推奨していますが、外国人はそれよりもかなり低い設定温度になっています。外国人は東京の厳しい夏の暑さを乗り切るために、少しでも低めに設定しがちなのかもしれません。

日本のような高温多湿な環境の場合、室内の空気環境を快適にするためには特に湿度をコントロールすることが重要です。設定温度をさげなくても、除湿することで湿度を下げたり、扇風機などを活用して気流をつくったりすることで、涼感を得ることは可能です。

出身地域別にエアコンの利用実態を見てみると、「ヨーロッパ出身の方の72%が、エアコンを使ったことがない」という結果になりました。しかし、「日本での利用状況を聞いてみると、使ったことのない人の割合は4%まで下がっている」ことが分かりました。ヨーロッパは比較的涼しい地域が多く、夏でもエアコンを使わずに過ごしている方が多いようですが、さすがに東京の夏はエアコンなしでは乗り切れないようです。

また、中東・アフリカにおいては、「出身国でエアコンを使う(よく使う+たまに使う)人の割合は52%」でしたが、「日本では、エアコンを使う方の割合が100%」 に上がっていました。中東・アフリカの人は夏を暑く感じる理由として、96%が「湿度が高いため」と回答していましたが、東京の蒸し暑さに対処するためにはエアコンが必須なのかもしれません。

東京オリンピックの屋外観戦 2人に1人は自信がない

東京オリンピックの開催は2020年(7月24日~8月9日予定)です。6年後の夏に向け、東京への関心はますます高まっていくことが予想されます。真夏での開催ということもあり、「真夏に東京で屋外スポーツを暑さに耐えながら観戦する自信がありますか」と聞いたところ、54%の人が「いいえ(自信がない)」と回答しました。やはり、過酷な東京の夏を経験された方は、真夏の観戦にはなかなか自信が持てないようです。


【調査概要】
表題:「東京の夏を検証!夏の暑さ」に関する意識調査
調査主体:ダイキン工業株式会社
調査実施:株式会社マクロミル
調査方法:アンケート調査(インターネット調査による)
調査期間:2014年6月13日(金)~6月27日(金)
調査対象:東京在住1年以上の外国籍の方100名
回答人数:100名

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[ダイキン工業]
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