スマートハウス・ZEH関連主要設備機器市場に関する調査 2014 

2014年07月29日
矢野経済研究所は、国内のスマートハウス・ZEH関連主要設備機器市場の調査を実施した。
本調査におけるスマートハウス・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)関連主要設備機器とは、HEMS(HomeEnergy Management System)、スマートメーター<以上、制御系機器>、太陽光発電システム、燃料電池システム、ガスエンジンコージェネレーションシステム<以上、創エネ系機器>、家庭用蓄電システム、V2H(Vehicle to Home:電気自動車等から住宅への電力供給装置)<以上、蓄エネ系機器>の計7機器(全て住宅用)をさす。

【調査結果サマリー】

◆2013年度のスマートハウス・ZEH関連主要設備機器の市場規模は、前年度比110.6%の8,645億円

電力需給逼迫に対する懸念の高まりを背景に、エネルギーの効率的な利用を実現する「スマートハウス」、年間の一次エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにする「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」に高い注目が集まっており、既にこれらの仕様を備えた住宅商品も上市されている。当然、これらの住宅を構成する各種設備機器の需要も高まりを見せており、2013年度のスマートハウス・ZEH関連主要設備機器市場規模(末端販売額ベース、工事費含めず)を前年度比110.6%の8,645億円と推計した。

◆2020年度のスマートハウス・ZEH 関連主要設備機器市場を1兆1,795億円と予測

現在は、太陽光発電システムがスマートハウス・ZEH関連主要設備機器の市場拡大を牽引しているが、この背景にはFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)における売電での経済的メリットが存在する。ただし、FIT買取価格は年々低下し、一方で電気料金は徐々に値上げされており、近い将来これらは逆転すると考えられる。また、2016年に予定されている電力小売の全面自由化が実施されれば、電力需要に応じて電力料金が変化する時間帯料金メニューが多様化し、この結果、太陽光発電システムで発電した電力や割安な深夜電力を蓄え、自宅で消費するといった電力消費スタイルが増加すると考える。自由化以降に市場は本格的に拡大し、2020年度のスマートハウス・ZEH関連主要設備機器市場規模(末端販売額ベース、工事費含めず)は2011年度比178.3%の1兆1,795億円になると予測する。

◆HEMSを活用した、ヘルスケア分野でのサービスに高い注目

将来的な市場拡大の鍵を握るのが、HEMSを活用してどのようなサービスを提供できるかという点である。現在は、エネルギーの利用状況の見える化機能やエネルギー設備機器の自動制御機能など省エネルギー面における活用がメインであるが、安全・安心や健康・福祉、住宅・機器のメンテナンス、取得データの様々なマーケティング活動への活用等が検討されており、特に最近は健康管理や疾病予防などヘルスケア分野でのサービス検討が目立っている。


【調査概要】
調査期間:2014年2月~6月
調査対象:スマートハウス・ZEH関連設備機器メーカー、ハウスメーカー、関連業界団体
調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに文献調査併用

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
 マイページ TOP