日本ビジネスメール協会は、仕事におけるメールの利用状況と実態を把握した「ビジネスメール実態調査2014(平成26年)」を発表。
仕事でどのようにメールが利用され、どのような課題があるのか。ビジネスパーソンが直面しているメールコミュニケーションの現状について調査を行いました。本調査は、ビジネスメール教育の専門企業であるアイ・コミュニケーションが2007年から毎年実施してきましたが、2014年から一般社団法人日本ビジネスメール協会が引き継ぎ、2014年で8年目を迎えました。

【調査結果】

仕事上のコミュニケーション手段トップは「メール」98.45%
LINE、Facebookが無視できない存在に


仕事上で周囲とコミュニケーションをとる主な手段は「メール」(98.45%)が最も多く、「電話」(91.98%)、「会う」(89.87%)と続き、この並びは2013年と同様です。「LINE」(12.03%)は2013年の5.82%から6.21ポイント上昇し、LINEやFacebookといったソーシャルメディアは一部のビジネスシーンで利用され、仕事上でも無視のできないコミュニケーション手段となりつつあります。

メールを1日に1回以上確認は、98.04%
1日1回はメールをチェックが常識に


ビジネスメールの確認頻度は平均で、「1日に10回以上」(42.33%)が最も多く、頻繁にメールを確認して、メールを中心に仕事が進んでいることが分かります。「1日に4~9回」(33.83%)、「1日に2~3回」(18.57%)、「1日に1回」(3.31%)と、1日に1回以上を合計すると98.04%です。毎日メールを確認することが当たり前になっていると考えられます。

約7割が自分のメールに不安を感じている
2013年から5.14ポイント上昇


メールを書くとき、不安に感じることが「よくある」(13.99%)と「たまにある」(53.02%)の合計が67.01%で、約7割の人が自分のメールに対して不安を感じています。不安に感じる内容は、「きちんと伝わるかどうか」(77.54%)が最も多く、「文章の書き方」(35.68%)、「敬語の使い方」(34.63%)、「相手を怒らせないかどうか」(33.58%)、「何が正しいメールなのか分からないこと」(27.39%)の5項目が上位を占めています。ビジネスメールについて基本からしっかり学ぶことはもちろんのこと、コミュニケーションについても学ぶ必要があると考えられます。

50.56%がメールを受け取って不快な気持ちに
不快トップは「文章が曖昧」(37.69%)


ビジネスメールを受け取って不快に感じたことが「よくある」(4.22%)と「たまにある」(46.34%)の合計が50.56%で、半数の人が何らかの不快を感じています。不快に感じた内容は、「文章が曖昧」(37.69%)、「文章が失礼」(31.85%)、「文章が攻撃的」(21.84%)、「文章が冷たい」(17.94%)、「件名(タイトル)が分かりにくい」(17.39%)の5項目が上位を占めています。不快感を誘発するのは人によって感じ方の違う感情的で抽象的な内容であることが分かりました。特に、不快感を生む原因は、文章の占める割合が大きく、文章が不快感を引き起こすことが分かりました。ビジネスメールのマナーやルールだけでなく文章の書き方や伝え方についても学び、配慮あるコミュニケーションを心がける必要があるといえます。「件名(タイトル)が分かりにくい」ことが、ビジネスメールの失敗として認識されると同時に、受け手の不快感を誘発していることも分かりました。

メールの返信が遅れてしまう(72.72%)のは「すぐに結論が出せない」(69.25%)から

ビジネスメールの返信が遅れてしまうことが「よくある」(8.58%)、「たまにある」(64.14%)の合計が72.72%で、7割の人が日常的にメールの返信が遅れてしまうことがあるようです。返信が遅れてしまう理由は、「すぐに結論が出せない」(69.25%)が最も多く、結論を出すのに時間のかかる重要な用件や複雑な用件をメールでやりとりしていることが分かります。「返信が遅れても問題ない相手(メール)」(36.27%)、「自分が返信すべきか迷う」(16.73%)など、相手や内容に応じて、いつ返信すべきかを判断し、優先順位をつけて処理していることも分かります。しかし、「忙しくて時間がない」(42.46%)、「メールの文章を考えるのに時間がかかる」(22.82%)、「処理するメールの量が多い」(17.02%)、「メールが届いていることを忘れてしまう」(15.47%)、「1つのメールに複数の用件が入っている」(13.06%)、「メールを見逃してしまう」(7.93%)、「メールを書くのが遅い」(7.74%)、「メールを書くのが苦手」(4.84%)などの回答もあることから、メール処理の効率化やスピードアップ、社内ルールの策定など根本的な対策や、文章力の向上が必要だといえます。

ビジネスメールの社員研修がある会社は8.30%

会社でビジネスメールの社員研修が「ある」(8.30%)人は1割にも満たず、メールは仕事上の主要なコミュニケーション手段であるにもかかわらず、9割以上の人が会社では学んでいないことがわかります。これでは、メールの失敗やトラブルが起きても当然だといえます。


【調査概要】
調査の目的: ビジネスにおけるメールの利用実態と課題を把握
調査対象: 仕事でメールを使っているすべての方
調査時期: 2014年6月3日(火曜)から2014年7月2日(水曜)
調査方法: パソコンサイト上のアンケートフォームによる選択回答式
調査実施機関: 株式会社アイ・コミュニケーション
有効回答数: 1,422

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本ビジネスメール協会]
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