矢野経済研究所は、国内のグリーン電力市場の調査を実施した。

<グリーン電力とは>
グリーン電力とは、太陽光や風力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギーによる発電電力をさす。グリーン電力は環境負荷が少ない電力であるため、他の一次エネルギーを利用し発電した電力よりも高い環境価値を持つ。

<グリーン電力市場とは>
本調査におけるグリーン電力市場とは、グリーン電力を販売する自由化市場であり、新電力事業者がビジネスとしてグリーン電力を供給する事業の売上高を対象とした。ここでは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)により、再生可能エネルギーによる発電電力を一般電気事業者(従来からの電力会社)が買い取って、再生可能エネルギー賦課金負担により電力使用者(国民全般)に販売する規制市場は含まない。

【調査結果サマリー】

◆グリーン電力市場は2013年度から2020年度までの年平均成長率が36.6%で推移し、2020年度には1兆2,000億円に拡大と予測
現在、再生可能エネルギーによる発電電力は、主に国の固定価格買取制度(FIT)により電力会社が買取と販売を行なっているが、それ以外にも、新電力事業者が自由化市場においてビジネスとしてグリーン電力を調達し供給する事業が形成されてきている。2013年度のグリーン電力市場規模は、既に電力小売が自由化されている高圧分野を中心として1,350億円(事業者売上高ベース)であった。
さらに2016年度には、電力小売が低圧分野まで自由化されるため、現状では多数の新電力事業者が新規参入してきており、各社は差別化を図るために、環境価値の高いグリーン電力の供給比率を高める事業計画を立てている。これにより、一般家庭においても電力事業者やメニューを選択できるようになることから、グリーン電力に対する需要が急増する見込みである。グリーン電力市場は、2013年度から2020年度までの年平均成長率(CAGR)が36.6%で推移し、2020年度には1兆2,000億円(事業者売上高ベース)に拡大すると予測する。

◆バイオマスを中心として発電所建設が加速し、通信事業とリンクするビジネスモデルも計画
新電力事業者におけるグリーン電力の内訳としては、安定的な発電が可能なバイオマス発電システムの比率が高く、今後も太陽光や風力、バイオマス、地熱の各々で新規発電所建設が加速していく。また、新たに自由化される低圧分野の電力小売では、新規参入のIT系事業者等がグリーン電力を調達し、既存の通信事業とリンクさせて一般家庭に供給する新しいビジネスモデルも計画されている。


【調査概要】
調査期間:2014年5月~7月
調査対象:PPS(新電力事業者あるいは特定規模電気事業者)、電力供給関連事業者
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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