「企業が求めるビジネスミーティング英語力」の調査 

2014年11月20日
国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、一般社団法人大学英語教育学会(JACET)とビジネスの場で使われる英語(EBP=English for Business Purposes)に関して、2012年4月から2014年3月にかけて「企業が求めるビジネスミーティング英語力」の調査をアンケートとインタビューで行いました。

英語の必要性が急速に高まる中、日本企業においてミーティングにおける英語スキルの必要性が指摘されているという背景をうけ、実際に業務で英語を使用している部署の管理職に対してWEBアンケートを実施したものに加えてインタビューを実施し、その調査結果と提言を報告書にまとめました。

【主な調査結果】

<アンケート調査のまとめ>

■多くの部署が現在の英語レベルと到達したい英語レベルのギャップを抱えている。

■英語会議は対面が主流だが電話・テレビ・ネットも増加傾向、ネイティブは多数派ではない。

■複雑なタスク・ニュアンスを伴う表現・多様な英語・瞬時の判断を要する場面などが困難の源。

■一般的な英語力向上は必要条件だが、それだけでは課題は解決しない。

■管理職者は、部署内の現在の英語のレベルは、「はっきりとした話し方や発音であれば基本的なやり取りや議論はできる」レベル(CEFR※ B1)であるが、「活発で複雑な論議についていき説得力を持って見解を示せる」レベル(CEFR B2.2)まで到達したいと考えており、現実と理想との間にギャップが存在している。
※CEFR:Common European Framework of Reference,ヨーロッパ言語共通参照枠

<インタビュー調査のまとめ>

■ビジネスパーソンは職位や経験年数に応じて、英語の困難について異なる認識を持っている。

会議の困難の度合いは、職位(ジュニア~シニア~マネージメント)、あるいは経験年数により、視点が異なるという新たな知見を得ることができた。職位のそれぞれの段階で求められているスキルは異なっていて、ジュニアクラスでは自分自身の英語力を鍛えること、シニアクラスでは会議のファシリテーションができるようになり、双方向性の議論へと深化させるための、より洗練された英語表現を習得していくこと、そしてマネージメントクラスでは、会議を離れた場での信頼関係の構築など、仕事で使う英語とはまた異なるレベルの英語が求められる様子がわかった。

【総括として】
グローバル化の時代に突入し、企業活動に参加する人たちは多様化してきています。ネイティブスピーカーのような発音で話す人はマイノリティという状況が昨今の会議のスタイルとなっています。
先ずは、聞き取りやすい英語のスピードに慣れ、英語を英語で理解するレベルが目標となっています。母語を背景とした訛りの強い英語に関しては、数ヶ月程度耳慣らしをすればその特徴は把握することができます。聞く耳が仕上がったら、議論を理解するための引き出しを増やすことも大切です。また、理解を深めるために質問や確認をする英語表現を増やして、議事内容を的確に把握する必要があります。
その次の段階としては、会議の相手に意図を正確に伝え、英語力が不足している参加者の理解を確かめるような、会議のファシリテーションに必要な英語表現を身につけていくことが求められます。
会議の進行をさらに円滑にしていくためには、上記のような言語スキルに頼るだけでなく、会議の外で相手と信頼関係を構築することも必要となっています。特に、食事の場面など、仕事を離れるほど英語は一般化し、多様性を帯びてくるため、英語の実力がより試される場となっていることがわかりました。
このように、それぞれの役職においても、異なるレベルの英語力が求められることが、調査結果から得られました。

【調査概要】

アンケート調査概要
実査期間:2013年2月5日~4月30日
調査方法:オンラインアンケート
調査対象:国際業務に携わる管理職
有効回答数:909件

インタビュー調査概要
実査期間:2014年2月1日~2014年2月6日
調査対象:アンケート調査に回答いただいた方のうち12名
所要時間:約60分

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[国際ビジネスコミュニケーション協会]
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