2019年度 入社半年・2年目 若手社員意識調査 

2019年10月18日

日本能率協会(JMA)は、全国の入社半年・2年目を迎えた若手社員400人を対象に、職場や仕事内容に対する考え、現状への満足度を探ることを目的に意識調査を行いました。

調査結果トピックス


1.若手社員の約半数が転職を検討・活動中で、転職サイトに登録済み。定年まで勤めるつもりの社員でも6割が転職サイトに登録。

2.若手社員の約3割が「副業・兼業をしている」。定年まで勤めるつもりの社員の方が実施率約5割と高い。副業・兼業に興味がある・行っている理由は、「収入を上げるため」が多数。

3.職場に「目標にしたい人がいるか」が、若手社員定着のカギ。
・「能力・スキルアップできている」と感じている社員の方が、仕事への満足度が高く、定年まで勤めるつもりの割合が高い。
・「会社のビジョン・戦略と自分の仕事のつながり」を感じている社員の方が、会社組織への満足度が高く、定年まで勤めるつもりの割合が高い。
・職場に「目標にしたい人がいる」社員の方が、「能力・スキルアップできている」「会社のビジョン・戦略と自分の仕事がつながっている」と感じる。

調査結果


1. 若手社員の約半数が転職を検討・活動中で、転職サイトに登録済み。定年まで勤めるつもりの社員でも6割が転職サイトに登録。

●現在および将来の転職を検討または活動している人は48.8%
「転職に対する考え方」を聞いたところ、「転職することを検討しているが、特に行動していない」が33.5%と最も多く、「転職することを検討し、近いうちに転職活動を始める予定である」(12.3%)、「現在、転職活動をしている」(3.0%)をあわせると、若手社員の約半数(48.8%)が転職を検討・活動中という結果が見られました。「転職はせず、今の会社に定年まで勤めるつもりである」は21.8%、「今のところ、転職することは考えていない」は29.5%でした。

●転職サイトに登録している人は46.8%
「転職はせず、今の会社に定年まで勤めるつもり」の人の60.9%が転職サイトに登録

転職サイトに登録しているかどうかを尋ねたところ、「登録している」が46.8%にのぼりました。
転職に対する意向別に見ると、「転職はせず、今の会社に定年まで勤めるつもりである」と回答した方の60.9%が「登録している」と答えています。
現状、転職をするつもりは無いにしても、本当に現在の会社で良いのかどうか、他社とも比較しながら情報を取ろうとしている姿勢がうかがえます。

2. 若手社員の約3割が「副業・兼業をしている」。定年まで勤めるつもりの社員の方が実施率約5割と高い。副業・兼業に興味がある・行っている理由は、「収入を上げるため」が多数。

●若手社員の28.0%が「副業・兼業をしている」。
定年まで勤めるつもりの社員では50.6%が実施。

「副業・兼業についてどのように思うか」を尋ねたところ、全体では、28.0%が「すでに副業・兼業をしている」と回答しました。「興味はあるが、現在副業や兼業はしていない」も54.3%にのぼりました。
転職に対する意向と、副業・兼業への考えの関係を見たところ、「転職はせず、今の会社に定年まで勤めるつもり」である若手社員の50.6%が「副業・兼業をしている」と答え、その他の転職意向をもったグループと比べ、高い比率となっています。

●副業・兼業に興味がある・行ってる理由は「収入を上げるため」が多数。
「副業・兼業に興味があったり、すでに行っていたりする理由」を尋ねたところ、「収入を上げるため」が58.7%と最上位に挙げられました。次いで、「複数の収入源を持っておきたいため」が38.0%となりました。
人生100年時代とも言われる中、転職はせず今の会社に定年まで勤めるつもりの若手社員であっても、本業に加えて副業・兼業をし、将来に備えようとしている姿勢がうかがえます。

3. 職場に「目標にしたい人がいるか」が、若手社員定着のカギ。

●「能力・スキルアップできている」と感じている社員の方が、仕事への満足度が高く、「定年まで勤めるつもり」の割合が高い。
入社当時と比べて、仕事を行う上での「能力・スキルがどう変わったか」を尋ねたところ、「上がった」「少し上がった」の合計が65.0%、「下がった」「少し下がった」の合計が11.3%となりました。
「上がった」(「少し」も含む。以下同様)と「下がった」に分けて、「仕事への満足度」との関係を見たところ、「上がった」方は「満足」の合計が73.8%であるのに対し、「下がった」方は「不満」の合計が44.4%となりました。(図表7)
同様に「転職に対する考え方」との関係を見ると、「上がった」方が転職するつもりはないとする割合が高く、「下がった」方では転職を検討している割合が高いという結果が見られました。

●「会社のビジョン・戦略と自分の仕事のつながり」を感じている社員の方が、会社への満足度が高く、「定年まで勤めるつもり」の割合が高い。
「会社のビジョンや戦略と自分の仕事内容は、つながっていると感じるか」について尋ねたところ、「感じる」「少し感じる」の合計が64.8%、「感じない」「あまり感じない」の合計が12.7%となりました。
「感じる」(「少し」も含む。以下同様)と「感じない」に分けて、「会社組織への満足度」との関係を見たところ、「感じる」と答えた方は「満足」の合計が78.4%であるのに対し、「感じない」と答えた方は「不満」の合計が65.0%となりました。
また、同様に「転職に対する考え方」との関係を見ると、「感じる」方が転職するつもりはないとする割合が高く、「感じない」方では転職を検討している割合が高いという結果が見られました。

●職場に「目標にしたい人がいる」社員の方が、「能力・スキルアップができている」「会社のビジョン・戦略と自分の仕事がつながっている」と感じる。
現在の職場内に、「目指したい上司、目標としたい人がいるか」を尋ねたところ、「いる」が63.5%、「いない」が36.5%となりました。
「目標にしたい人の有無」と「能力・スキルの変化」、「会社のビジョン・戦略と自分の仕事のつながり」との関係を見ると、目標にしたい人が「いる」方が、能力・スキルが「上がった」、つながりを「感じる」とする比率が高いという結果となりました。
職場に「目標としたい人がいるか」が、「能力・スキルアップ」や「会社のビジョン・戦略とのつながり感」、ひいては、仕事や会社組織への満足、会社への定着に結びついていることが確認できました。

調査概要


■調査名称:『入社半年・2年目 若手社員意識調査』
■調査期間:2019年8月23日~9月5日
■調査対象:全国の20歳~29歳までの勤続年数が3年未満の就業者(中途採用・パート・アルバイトを除く)
■調査方法:インターネット調査 回答数 400人
■属性 :
〈勤続年数〉1年目:200人、2年目:200人
〈性別〉男 性:200人、女 性:200人
〈勤務先従業員数〉5,000人以上:60人、1,000~4,999人:123人、300~999人:68人、100~299人:60人、99人以下:89人

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[日本能率協会]
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