現代のママ事情:産後クライシス(※出産後に夫婦仲が悪化すること)に関する調査 

2015年04月09日
森永乳業は、エンゼル110番を利用するママたち100人にインターネットの利用状況と、数年前から話題になっている産後クライシス(※出産後に夫婦仲が悪化すること)に関するアンケートを実施。
 
【主な調査結果】

● 100人中96人が子育てにインターネットを利用
● 電話相談を利用したのは、双方向性と即時性、信頼感と声のあたたかさを評価
● 産後も、パートナーへの愛情は「変わらない」が100人中57人
● 産後の夫婦関係は、夫の家事や育児への協力と気遣いがポイント

【調査結果】

96 人が子育てにインターネットを利用
Q1-1.子育てにインターネットを利用していますか?

エンゼル 110 番に寄せられる相談で「インターネットで検索したら、○○とあって不安になった」というお声が当たり前になって久しくなりました。過去のエンゼル 110 番レポートでも、インターネットの利用については 3 回取り上げています。

1998 年は、マルチメディアブームが起き始めた頃であり、家庭へのパソコン普及率は25.2%でした。このとき、相談者の家庭にパソコンがあったのは 100 人中 43 人で、そのうちパソコンを使用しているママは 22 人でした。そのような中で、用途として「パソコン通信やインターネットを利用して、育児情報の収集」をあげたのはわずか 9 人でした。(エンゼル 110 番レポート VOL.21「これからはママもパソコン使います」)

次の 2000 年は、携帯電話や PHS の加入者数が固定電話を抜き、携帯電話でメールやインターネット接続ができる“i モード”が登場しました。「ふだんから携帯電話やパソコンを使っていますか」という問いかけに対し 79 人が「両方あるいはどちらかを使う」と答えていました。このとき携帯電話を「メールに使う」が携帯電話を使っている 58 人中 32 人で、「インターネットに使う」はまだ 7 人に止まっていました。一方、パソコンを使っている38 人中 24 人がインターネットの利用目的として、「育児情報(遊び場、育児用品のリサイクルなど)の収集」をあげており、「離乳食のメニューなど、ホームページや掲示板の書き込みを参考にしている」「お宮参りについてわからないことを調べた」という声がありました。(VOL.31「ママたちの IT 革命」)

3 回目の 2003 年は、家庭へのパソコン普及率が 57.2%と増加し、さまざまな育児サイトが登場し子育てツールとして利用されるようになっていました。実際、「インターネットを子育てに利用しているか」を尋ねたところ、「現在利用している」が 58 人、「以前利用していたが、今はしていない」が 13 人で、利用したことがある人が全体の 7 割にのぼりました。「これから利用しようと思う」人も約 2 割おり、「以前利用していたが、今はしていない」人も、再び利用したいという声がほとんどだったため、子育てママのインターネット人口は早晩全体の 9 割に達するだろうと考えていました。利用目的としては「情報検索」が 68人とトップで、内容としては「子どもの身体、病気、予防接種、薬などについて」や「母親の妊娠中や産後の身体について」が 40 人と多く、2000 年より、さらに育児書代わりの様相が強まりました。(VOL.39「子育てにインターネットを活用していますか?」)

その後、スマートフォンの普及で手軽にインターネット検索ができるようになり、地下鉄や街中でも手軽にアクセスできるなど、環境も整いました。今回の調査では 100 人中 96人が「子育てに関することでインターネットを利用している」と答えました。2003 年のエンゼル 110 番の予測以上に、インターネットはあって当たり前の時代となりました。

信頼感と双方向性、声のあたたかさを評価
Q1-2.エンゼル 110 番に電話した理由は何ですか?

次に、インターネットでいろいろ調べることができる状況で、あえてエンゼル 110 番に電話された理由をうかがいました。「インターネットに書かれていることは一般論で、わが子には当てはまらない」「情報の真偽がわからない」などインターネット情報に不信感を抱いているといった回答が 34 人で、「電話は話ができるので、オーダーメイドの回答が得られる」「電話で直接聞けば知りたいことがわかる」という電話の特性でもある双方向のコミュニケーションをあげた回答も同じく 34 人から得られました。次いで、「直接プロに聞きたかった」「専門の知識を知りたかった」など、エンゼル 110 番の専門性や信頼感を 26 人があげています。また、「相談員の声を聞くと安心する」「話を聞いてもらうだけで、心が晴れる」という、人の声から伝わるあたたかさや安心感もあがりました。

他にも「インターネットを見すぎて、過剰に心配になった。かかりつけの小児科医から『もうネットは見るな。心配ならここへ電話しろ』とエンゼル 110 番を教えてもらった」「実母からエンゼル 110 番をすすめられた」というママもいました。
一般的な情報や簡単な内容はインターネットで検索して、発育・発達や授乳の細かい相談は電話でと、上手に使い分けているママがいる一方で、インターネットの溢れる情報に振り回されるママもいます。また、子育て中に感じるさまざまな不安は、情報を得るだけではなかなか解決し難いものも多いでしょう。特に不安を感じるママの気持ちは、人と話してなぐさめられたり励まされたりする中で、安心へと変わっていくように思います。このようなことから、インターネットと比べ、電話は相談に適しており、エンゼル 110 番に寄せられる相談は今後もなくならないのではないでしょうか。

産後もパートナーへの愛情は「変わらない」が 56 人
Q2.産後、パートナーへの愛情は変わりましたか?

“産後クライシス”は、2012 年に NHK の情報番組で語られた造語です。ベネッセ次世代研究所が行った第 2 回妊娠出産子育て基本調査(2011 年)で、配偶者との関係に関する質問項目のうち、妊娠期から 2 歳児期にかけて「配偶者といると本当に愛していると実感する」「私と配偶者は幸せな結婚生活を送っていると思う」が大きく減少していること、また配偶者からのねぎらいや助け合いの有無で比較すると回答に大きく差が出ました。その結果をもとに、出産後における夫の態度がその後の夫婦関係の危機を招くと、番組で取り上げられました。また、厚生労働省で行っている全国母子世帯等調査(2011 年)でも、母子家庭になったときの末子の年齢は、死別を除くと 0~2 歳が全体の 3 分の 1 以上を占め、最も多くなっています。

エンゼル 110 番にも、産後間もなく離婚を考えて悩むママや、夫の協力を得られず子育てに苦しむママから相談が寄せられます。産後は、夫婦関係にとても重要な時期だと日々の相談からも感じていました。
そこで、産後パートナーへの愛情は変わったかを尋ねたところ、過半数の 57 人が「変わらない」と答え、「弱まった」が 24 人、「強まった」が 16 人でした。
「変わらない」としたママからは、「子育てを手伝ってくれる」「育児に協力的」といった声が 57 人中 25 人から聞かれ、次いで「もともと仲がよい」「関係は変わらない」が16 人、「愛情というより、必要になった。絆は強くなった」「愛情としては変わらないが、種類が変った」など、初めての出産で夫婦二人から親子三人家族になったことでの変化を 9人があげました。逆に「弱まった」としたママからは「子どもが一番」「育児に手一杯」「夫にイラッとする」とする言葉が多く聞かれ、「理由はよくわからないが、友人はホルモンのせいではないかと言う」「パパがうっとうしい」など、最近話題になっている「ガルガル期」(*ネットスラング。出産直後のメスが、子どもを守ろうとする本能から近づくものに対して唸って威嚇する行動をとる。この唸り声から産後の一時期を「ガルガル期」と呼ばれている。)と思われる声も聞かれました。

「強まった」としたママでは、16 人中 12 人が「育児に積極的、協力的」と答えています。
また、「愛情が深くなった」「絆が深まった」などが 4 人、「ちゃんと言葉にして言ってくれる」「以前より優しくなり、気を使ってくれる」など「気遣いがある」を 3 人があげています。他にも「よくやってくれて頼りになる」「いろいろやってくれて心強い」など、ママが望む以上にパパが自ら動いている様子が伺えました。
このように、産後の夫婦関係は家事や育児への協力や気遣いがポイントになっているようです。
日頃の相談から、ママたちは「言ってもわかってもらえない」「察して動いてほしい」という声が聞かれます。一方、パパたちからは「感謝はしているが、言葉にするのは恥ずかしい」「何も言わずに、カリカリされても状況がのみこめない」という声が返ってきます。そういった相談を受けるたびに、「黙っていても、あなたの気持ちは伝わりませんね。
メールでもよいから伝えてみたら?」「手伝ってほしいときは、具体的に事柄を伝えて、さらに選択肢があるとベストですね」「ねぎらいや、感謝の言葉も添えて」と、お話しています。アンケート結果を見ても、コミュニケーションを大事にし、お互いを尊重し合うことが、夫婦間の愛情を左右していると思います。


【調査概要】
対象:「エンゼル 110 番」に電話をいただいたママ 100 人
調査方法:電話による聞き取り調査
調査期間:2015 年 1 月 29 日~2 月 24 日
対象者の属性:
「母親の年齢」20 代…20 人、30 代…73 人、40 代…5 人、 不明…2 人
「子どもの年齢」3 ヵ月以下…42 人、4~7 ヵ月…28 人、8~11 ヵ月…14 人、1 歳以上…16 人

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[森永乳業]
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