第8回「NISAに関する意識調査」 

2015年07月23日
野村アセットマネジメントは、少額投資非課税制度(以下「NISA」)に関する認知や利用意向などについて、4万人を対象として4月下旬に実施したインターネット調査の結果をまとめました。

今回で8回目となるこの調査は、2013年3月以降、継続的に調査(グループ・インタビュー調査を含む)を行っているもので、投資家のNISAに関する意識の変化を調査・分析しています。また、今回の調査では、2016年から始まるジュニアNISAについても、利用意向等について聴取しました。

【主な調査結果】

・NISAに関する認知率は78%、利用意向率は23%となり、前回2014年10月調査と同水準であった。

・投資実行状況は、口座開設者の56%。2015年の非課税枠においては、投資を行わない割合が低下している。投資実行者の投資成果をみると、その7割が利益を享受している。

・今回の調査結果を踏まえて、2015年末のNISA口座数を推計すると、972万口座に拡大しよう。また稼働率(累計ベース)については、57%に上昇するものと見られる。

・2016年から始まるジュニアNISAに関して利用意向をみると、全体では1割程度の利用意向に留まる。

ただし、20歳未満の子・孫のいるNISA口座開設者では、3割の利用意向が見られ、まずはNISA利用者からジュニアNISAが利用されていくものと見られる。

・今回の調査結果を踏まえ、ジュニアNISA口座数を推計すると、当初、約150万口座の利用が見込まれる。


【調査結果を踏まえたNISA口座数・ジュニアNISA口座数の見通し】

NISA口座数の見通し
NISA口座数は、2015年末には972万口座に拡大する見通し。投資未経験者が3割弱に拡大し、投資家の裾野拡大が期待される。2015年非課税枠での投資額は4兆円程度とみられ、累計7兆円に達しよう。稼働率は累計で6割程度にまで高まるものと見られ、NISA制度の活用が広がるものと見られる。

ジュニアNISA口座数の見通し
ジュニアNISAに関する利用意向率は、全体では1割程度に留まるが、20歳未満の子・孫がいるNISA口座開設者では3割程度と高い。ただし、自ら資金による資金拠出ベースではNISA口座開設者の1割程度に留まる。2016年から始まるジュニアNISAは当初、約150万口座で始まるものと見られる。
なお、制度が始まる前での試算であり、推計結果に対して幅を持ってみる必要がある。

【調査結果】

NISAに対する認知と利用意向
NISAに関する認知状況をみると、「知っている」と答えた割合は、2014年10月調査と変わらず78%となった。認知率は、2014年を通じて8割程度で定着しているものと見られる。
利用意向率も前回調査結果と変わらず23%となり、利用態度に大きな変化は見られない。

2014年非課税枠の投資実行状況と2015年枠の投資意向
NISA口座開設者のうち、2014年非課税枠に対して、58%が投資を行っていると回答。42%が投資を見送っている。2015年非課税枠に対する投資意向をみると、実績を含めて7割が投資意向ありと回答。
2014年枠よりも、非投資意向の比率が低下しており、稼働率は上昇するものと見られる。

投資額
2014年非課税枠での投資額は、平均で74万円。20代や30代でも50万円超の投資額となった。
2015年枠における投資意向額(実績を含む)は、71万円と昨年並みの投資額を想定している様子。

毎月積立投資の利用状況
すでにNISA口座で投資した実行者のうち、毎月積立投資を行っている割合は15%と前回よりも小幅ながらも増加。特に20代や30代での利用が更に上昇しており、若年層での資産形成としての利用が進んでいる。毎月の積立投資額は3.2万円となり、前回よりもやや低下。

NISA口座における投資の成果
投資実行者のうち、売却益・含み益を得た割合は72%と、前回調査と比べ、大幅に改善した。全額売却を行った割合は、6%に留まっており、75%が投資した商品をすべて保有している。

ジュニアNISAに対する認知と利用意向
2016年から始まるジュニアNISAに対する認知状況をみると、名前のみを含めても、全体で2割程度に留まっている。制度の対象である20歳未満の子や孫がいる親・祖父母でも同様である。
ジュニアNISA口座開設において必要なマイナンバー(個人番号)について、認知状況をみると、全体では6割強、子・孫のいるNISA口座開設者では8割程度と高い認知率が見られた。
20歳未満の子や孫がいるNISA口座開設者では、ジュニアNISAに対する認知や利用意向が高い。
名前のみを含めた認知率は50%弱と、すでに知られている。全体での利用意向は1割程度に留まるものの、3割程度の意向が見られる。まずは、NISA口座開設者から利用が始まるものと思われる。

ジュニアNISAの利用形態
ジュニアNISA利用意向者に対して、利用形態を聴取したところ、4割程度が「祖父母からの贈与資金を親が運用」管理を想定している。ただし、別居の孫のいる祖父母は、祖父母自身が運用管理する意向が高い。また利用意向者の20歳未満の子・孫の年代をみると、小学校就学前や小学生が多い。

ジュニア NISAにおける投資意向額と投資対象
ジュニアNISA利用意向者に対して、投資意向額は平均で34万円程度。(成人)NISA口座開設者で40万円となり、年80万円の非課税枠に対して慎重な姿勢にある。
ジュニアNISA利用意向者の(成人)NISA口座とジュニアNISA口座での投資対象を比較すると、投資信託を投資対象としている比率が高く、ジュニアNISAでは投資信託の活用が期待される。


【調査概要】
■調査目的:NISAや投資信託について、幅広い層での認知や利用意向等を聴取し、投資家の意識を把握すること。
■調査対象・サンプル数:事前調査(40,000サンプル):20歳以上の男女(調査会社インテージに登録しているモニター)から4万サンプルを対象に調査を実施。NISAに関する認知や利用意向などを調査。なおサンプル構成について、平成22年度国勢調査や最近の人口統計における性別年代別構成比に合わせ、ウエイトバックというサンプル数補正をおこなった上で集計処理を行っている。
■調査地域:全国(インターネット調査)
■調査時期:2015年4月20日(月)~4月30日(木)
■調査機関:調査主体:野村アセットマネジメント株式会社 調査実施機関:株式会社インテージ

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[野村ホールディングス]
 マイページ TOP