金融テクノロジーベンチャー企業に対する投資調査 

2015年08月04日
アクセンチュアと ニューヨーク市パートナーシップ基金(Partnership Fund for New York City)の最新調査によると、金融テクノロジー(フィンテックあるいはfintech)ベンチャー企業に対する投資額は2014年も引き続き大きく増加し、米国における投資額は前年比約3倍に達したことが明らかになりました。

米国における2014年のフィンテック投資額は98億9000万ドルに達し、2013年の33億9000万ドルから191%という大幅成長を記録しました。2013年にも、前年比68%成長を記録しましたが、今回の伸びはそれをはるかに凌駕するものです。ニューヨーク市におけるフィンテック投資額も32%増と大きな伸びを見せ、過去最高の7億6800万ドルを記録しました。

本調査をまとめたレポート「Fintech New York: Partnerships, Platforms and Open Innovation」は、5年目を迎えるニューヨーク先進金融テクノロジーラボの「デモ・デー(Demo Day)」の席で発表されました。レポートによると、2014年のフィンテック投資額は世界で122億ドルとなり、2013年の40.5億ドルと比べ3倍に達したことが明らかになりました。一方、同時期のベンチャーキャピタル全体の投資額は63%成長にとどまっています。

マネーの行方
調査レポートでは、2014年のフィンテック投資における注目分野が「決済」、「融資」、「トレーディング、「資産管理」であることが明らかになりました。2014年の米国におけるフィンテック投資の案件数においては、「決済」が最多となり29%を占めました。一方で、ニューヨーク市においては決済に対するフィンテック投資の案件数は21%にとどまり、2012年の33%から減少しました。また米国における2014年のフィンテック投資で2番目に多い案件数を占めたのは「融資」で、16%となりました。

また米国の他地域と比較して、ニューヨーク市でのベンチャー投資は「資産管理」および「トレーディング(トレーディング向けプラットフォーム含む)」分野が高いことも判明しました。2014年、ニューヨーク市における42%のフィンテック投資案件が両分野に対して実施されている一方、米国全体では両21%にとどまっています。


【調査方法】
本調査は、ベンチャー企業の財務データ・分析を国際的に行うCB Insightsが提供するフィンテック投資データをアクセンチュアとニューヨーク市パートナーシップ基金が分析したものです。この分析には2010年から2014年までの、ベンチャーキャピタルおよび未公開企業、企業およびベンチャーキャピタル法人、ヘッジファンド、アクセラレーター、政府系ファンド等による国際的な財務活動が含まれています。またフィンテック企業とは、小売、商業・投資銀行業務、保険、資産管理、決済、および金融代替サービス(P2Pプラットフォームやデジタル通貨)等に関する技術を提供する企業と定義されます。アクセンチュアリサーチは金融サービス分野に対する投資規模の推移を評価するため、7つの製品分野(融資、決済、マーケット取引、資産管理、保険、リスク・セキュリティ、その他)に分類した上で、CB Insightsによる投資データを独自の分析方法で再定義しました。

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[アクセンチュア]
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