世界の広告費成長率予測(定期改定)
2015年09月24日【主なポイント】
2015年の世界の広告費成長率(2015年3月時予測の改定)
・2015年の世界の広告市場は、2015年3月予測の4.6%増からわずかに下方修正。主な要因は、最近の中国とロシアにおける経済の減速によるものです。その結果、2015年の世界の広告費は5,290億ドル(前回予測は5,400億ドル)へ。また2016年には4.7%の成長が見込まれ、さらに約250億ドル増加するとみています。
・7つの対象媒体で算出される世界の広告市場では、テレビが最大のシェアを占め、2015年に42.0%(前回予測は42.2%)、2016年に41.3%(同41.7%)になると予測しています。一方、モバイルやオンラインビデオの支出増加などデジタルシフトの加速により、デジタル広告費の構成比率は、2015年に24.3%(前回予測は23.9%)、2016年に26.5%(同25.9%)へと伸長すると予測しています。
・地域別にみると、2015年の世界の広告市場は世界的にポジティブであり、北米が4.2%増、西ヨーロッパが 2.6%増、アジアパシフィックが4.1%増、ラテンアメリカが12.7%増になる見通しです。また2016年には、中央および東ヨーロッパを含むすべての地域がプラス成長になると予測しています。
・2015年の西ヨーロッパでは、ギリシャこそ政治的混乱により成長率が12%減になる見通しですが、市場規模の大きい英国やスペインの予測がそれぞれ6.4%増、 6.9%増と堅調なこともあり、ギリシャのマイナスを打ち消す状況にあります。
・アジアパシフィックでは中国の景気減速による影響があるものの、インド市場の高い成長や堅調なオーストラリア市場による貢献に支えられ、地域全体は順調に拡大していくとみられます。
2016年の世界の広告費成長率(2015年3月時予測の改定)
・2016年の広告市場は、2015年3月の前回予測からは下方修正されたものの、世界的な経済成長への期待から、引き続き4.7%の成長を見込んでいます。この背景には、UEFA欧州サッカー選手権、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック、米国大統領選などの大型イベントが続くことがあります。
・地域別にみると、北米は前回予測から微減したものの、引き続き4.5%と高い成長が見込めます。西ヨーロッパは、英国および回復基調にあるスペインの高い成長に加え、フランスが前回予測を上回る見通しになったことから、全体では2.9%増を見込んでいます。また、中央および東ヨーロッパでは引き続き厳しい経済環境が続くとみられることから、前回予測の3.9%増を1.6%増へと下方修正しています。アジアパシフィックは、持続する各国市場の高い伸びや上方修正された日本に加え、さらなる浮上が期待されるインドの貢献があるものの、世界第2位の広告市場である中国の伸びが前回予測を下回ることから、地域全体では5.8%増から4.7%増へと下方修正しています。
詳しいリサーチ内容はネタ元へ