「消費増税」に関する実態調査(20歳~59歳男女対象) 

2016年06月23日
オウチーノ総研は、首都圏在住の20歳~59歳男女863名を対象に、「『消費増税』に関するアンケート調査」を行った。

【調査結果サマリー】

はじめに「2017年4月に予定されていた消費増税が2年半後に再延期されたことについて、賛成ですか?反対ですか?」と聞いた。結果、「賛成」が54.4%、「反対」が25.8%、「どちらでもない」が19.8%だった。次に「消費増税の再延期によって、個人消費は回復すると思いますか?」という質問をした。「回復すると思う」と回答した人は16.0%、「回復しないと思う」が48.4%だった。また、「消費税は何%が妥当だと思いますか?」と聞いたところ、「5%」と回答した人が最多で31.8%だった。最後に「消費税の再延期が決まったことで、不動産市場はどう変化すると思いますか?」という質問をした。結果、「買い時になると思う」という人が39.1%、「売り時になると思う」が7.7%、「特に変化しないと思う」が53.2%だった。

【調査結果】

54.4%が消費増税再延期に「賛成」!

はじめに「2017年4月に予定されていた消費増税が2年半後に再延期されたことについて、賛成ですか?反対ですか?」と聞いた。結果、「賛成」が54.4%、「反対」が25.8%、「どちらでもない」が19.8%だった。年代別に見ると、「反対」と回答した人は20代が18.8%、30代が22.4%、40代が27.1%、50代が33.9%と、年代が上がるにつれ増える結果となった。

「賛成」派に理由を聞いた。最も多く挙がったのが「景気が悪いから」だった。具体的には「もう少し景気が回復する様子を確認してからの方が良い」(54歳/男性)や「景気がさらに悪くなっては本末転倒だから」(46歳/男性)などが挙がった。次いで「生活が厳しいから」という声が多く、例えば「将来的には増税は仕方がないのかもしれないが、現在家計を圧迫するのは厳しいから」(39歳/女性)や「生活必需品も高くなってしまい大変だから」(22歳/女性)、「今は子ども2人が大学生で家計的に一番大変な時期だから」(53歳/女性)などが聞かれた。
また、「他に削るべきところがあるから」という理由も多く、具体的には「税金の無駄遣いが多いから。収入が決まっているなら支出を見直すべき」(39歳/女性)や「他にも税収入として検討すべきことが沢山ありそうだから」(30歳/女性)などの声が挙がった。他には「復興が進んでからするべきだと思う」(25歳/女性)や「増税分をカバーできるほど給与が上がっていない」(37歳/女性)などが挙げられた。

「反対」派の理由では「財政難だから」が最も多く挙がった。具体的には「福祉に費やすべき財源が不足するから」(44歳/女性)や「財政健全化を優先すべきだから」(51歳/男性)、「財政赤字を先送りにしては後の世代にツケを先送りするだけだから」(38歳/男性)などの声が聞かれた。次いで「当初の計画が遅れるから」という理由が多く、例えば「予定されていた介護などの政策が先延ばしにされる影響は大きいから」(58歳/男性)や「社会保障や年金の問題は急務だと思うから」(54歳/女性)などが挙がった。他には「問題の先送りで今後に向けての希望がない」(56歳/男性)や「いずれにせよ将来的に増税は必要だから」(28歳/男性)などの声が挙げられた。

消費増税再延期による個人消費回復は、期待できない?

次に「消費増税の再延期によって、個人消費は回復すると思いますか?」という質問をした。「回復すると思う」と回答した人は5.7%、「どちらかというと回復すると思う」が10.3%、「どちらかというと回復しないと思う」が20.6%、「回復しないと思う」が27.8%、「分からない」が35.6%だった。合わせると、「回復する」という人は16.0%、「回復しない」は48.4%で、約半数が消費増税再延期による個人消費回復はないと考えていることが分かった。

「回復する」と思う理由を聞いた。最も多かったのが「駆け込み需要が増えると思うから」という理由で、具体的に「増税までの2年半は消費が伸びると思うから」(37歳/男性)や「次の増税に向けた買い溜め期間が延びるから」(34歳/女性)などが挙がった。他には「オリンピックも近くなるから」(39歳/男性)や「企業の求人倍率が上昇しているから」(51歳/男性)、「希望的観測」(45歳/男性)などの声が聞かれた。

反対に「回復しない」と思う理由は「給与所得が上がらないから」が最も多く挙がった。具体的には「収入が増えなければ、現状から変化はないと思う」(28歳/男性)や「物価は上がるが給料が上がらない状況は変わらないから」(31歳/男性)などの声が聞かれた。次いで「将来への不安が大きいから」が多く挙がり、例えば「年金受給など、将来の不安感が解消されていないから」(24歳/女性)や「財政悪化で将来がとても不安だから」(49歳/女性)などが聞かれた。また「別の対策が必要」という声も多く、具体的には「再延期だけでは現状維持で、回復のためには他に政策が必要だと思うから」(27歳/男性)や「更に悪化するのを避けただけだから」(40歳/男性)、「再延期ではなく5%に戻す必要があると思う」(54歳/女性)などが挙がった。他には「将来に備え貯めておきたいという気持ちの方が強いから」(40歳/女性)や「結局数年後には実施されるから」(58歳/男性)、「根本的な景気回復の対策をしないとダメだと思うから」(43歳/男性)などの理由が挙げられた。

払いたくないわけではない……3人に1人が消費税は「5%」が妥当だと思っている!

次に「消費税は何%が妥当だと思いますか?」と聞いたところ、「3%」と回答した人は4.9%、「5%」は最も多く31.8%、「8%」は6.7%、「10%」は17.8%、「その他」は16.9%、「分からない」は21.9%だった。消費税は1989年に「3%」から始まった。1997年に「5%」へ、さらに2014年に「8%」へ引き上げられた。当初2015年に「10%」に再度引き上げられる予定だったが2017年に延期、今回さらに2年半後の2019年10月に延期された。今まで消費税は「5%」の期間が最も長く、また「3%」や現在の「8%」に比べ計算もしやすい。「5%」に慣れている人は多く、最も回答されたのではないだろうか。

半数以上が、消費増税再延期は不動産市場に影響なし、と見ている!

最後に「消費税の再延期が決まったことで、不動産市場はどう変化すると思いますか?」という質問をした。結果、「買い時になると思う」という人が39.1%、「売り時になると思う」が7.7%、「特に変化しないと思う」が53.2%だった。

「買い時になると思う」という人に理由を聞いたところ、「駆け込み需要が増えるから」という声が最も多く、具体的には「駆け込み的に増えるが長続きするかは分からない」(57歳/男性)や「延長期間中、一時的に買いが進むと思う」(43歳/女性)などが挙がった。次いで「低金利の影響もあるから」という理由が多く挙がった。例えば「今ならば低金利の恩恵も受けられるから」(30歳/女性)や「金利も含めると買い時とみるべき」(50歳/男性)などが聞かれた。他には「不景気感が増せば、安定感のある土地の資産価値がクローズアップされると思う」(55歳/男性)や「東京オリンピックもあるから」(24歳/男性)などの理由が挙げられた。

反対に「売り時になると思う」という人からは「買おうとする人が増えるから」が最も多く挙がった。具体的には「外国人の不動産購入が今後増えると思うから」(48歳/男性)や「増税したら買い控える人が増えるから、売るなら今だと思う」(29歳/女性)などの声が聞かれた。他には「金利と税率が低いうちに売る方が良いと思うから」(41歳/女性)や「東京オリンピックをピークに値下がりすると思うから」(53歳/男性)などの声が挙がった。

また、「特に変化はないと思う」では「高い買い物だから」という理由が最も多く、具体的には「今だから買えるという金額のものではないから」(49歳/男性)や「不動産を買える層は限られているから」(33歳/男性)などが挙がった。次いで「消費税が下がるわけではないから」という声が多く、例えば「すでに5%から上がっているわけだから」(35歳/女性)や「世間一般の家庭は、相変わらず苦しい状態が続いているから」(48歳/男性)などが聞かれた。他には「売り買いしようとしている人はすでに動いていると思うから」(56歳/女性)や「増税直前の駆け込み需要が先送りになっただけだから」(49歳/男性)などの理由が挙げられた。不動産のような大きな売買の場合、2年半の延期はあまり影響しないと考えられているようだ。


【調査概要】
有効回答:首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の20歳~59歳男女863名(学生は除く)
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2016年6月7日(火)~6月9日(木)

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[オウチーノ総研]
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