MasterCard景気動向についての消費者意識調査™(MasterCard Index™ of Consumer Confidence) 

2015年09月30日
MasterCardは、『MasterCard景気動向についての消費者意識調査™(MasterCard Index™ of Consumer Confidence)』の調査結果を発表しました。

アジア太平洋地域の消費者は概ね将来を楽観視しているように見えますが、多くの市場では「楽観的」の水準が低下し始めていることが明らかになりました。この10年、「楽観的」な水準は高止まりしていましたが、2014年下半期から低下の兆しが見え始めました。経済の先行きに対する不透明感が高まっているためと考えられます。

【日本の調査結果】

日本の消費者信頼度は、2014年下半期から22.3ポイント増の55.6ポイントと顕著な改善を記録。「悲観的」から「中立+」に向上しました。第1四半期の堅実な経済成長と外国人旅行者の消費増が小売分野の成長を支えたためと考えられます。MasterCardが2015年6月に発表した最新の『世界渡航先ランキング(Global Destination Cities Index)』によると、調査対象132都市中、2009年以来、過去6年間で渡航者数が最も大きく伸びた上位10都市のうち、大阪が4位、東京が8位にそれぞれランクインしています。今後もインバウンドビジネスが経済成長に大きく貢献すると予想されます。

日本の消費者が考える今後6ヶ月間の「経済」、「雇用」、「固定収入」、「株式市場」、および「生活の質」の5つの経済的要因に関する見通しは下記の通りです。

経済的要因 良くなる/悪くなる/変わらない
経済    29%/20%/51%
雇用    27%/17%/57%
固定収入 20%/20%/61%
株式市場 38%/14%/49%
生活の質 16%/25%/59%

『MasterCard景気動向についての消費者意識調査』は、MasterCardが2015年5月から6月にかけて、17のアジア太平洋地域の市場で18歳から64歳の8,718人を対象に、「経済」、「雇用」、「固定収入」、「株式市場」、および「生活の質」の5つの経済的要因に関する今後6ヶ月の見通しについて調査し、得られた回答に基づいています。信頼度において最も悲観的な場合は0、最も楽観的な場合は100、中立的な場合を50で評価しています。

【アジア太平洋地域における主な調査結果】

・アジア太平洋地域の市場は概ね楽観的を維持。最も楽観的な市場で消費者の信頼度が低下する一方で、最も悲観的な市場で改善の兆しが表れています。その結果、2015年上半期の消費者信頼度は、前年同期の68.3ポイントから66.1ポイントへ若干低下したものの、「楽観的」な水準を維持しています。

・インドネシア、タイ、ミャンマーは前期の高い水準から大幅に悪化しつつも、楽観傾向を継続しています。

・アジア太平洋地域全体で、まだ「楽観的」の高い水準を維持していますが、市場ごとに大きな地域格差があります。唯一悲観的なのはオーストラリアで39.5ポイント。対照的にインドは93.1ポイントで、調査地域で唯一消費者が今後6ヶ月の経済見通しを「最も楽観的」に考えています。

・中国と香港の消費者信頼度は安定して「楽観的」の水準を維持しています。ただし、調査当時(本年5~6月)は中国株式市場下落前で、株式市場への信頼度が低下する兆しはなく、本調査でも、株式市場への信頼度は中国本土で81.3ポイント、香港で80ポイントと「楽観的」な水準にありました。

・オーストラリア、台湾、および日本は出だしは「悲観的」または「中立」の水準でしたが、消費者信頼度に改善が見られました。


【その他の国別の調査結果】

・インドネシアでは、経済および株式市場に対する信頼度がそれぞれ31.6ポイント減、29.7ポイント減と大幅に下落しました。全体でも消費者信頼度が全市場中最も悪化し、25.8ポイント減の64.3ポイントでした。インドネシア中央銀行の消費者信頼度調査でも、雇用機会及び収入の減少、事業活動の悪化により指数が下落しました。

・タイの消費者信頼度は10.9ポイント減の72.8ポイントまで下落しました。経済見通しが15.3ポイント減、雇用見通しが12.5ポイント減少した結果です。

・ミャンマーの消費者信頼度は、15.6ポイント減を記録しました。2013年から同国の調査をスタートして以来、初めて「とても楽観的(94ポイント以上)」の水準から悪化しました。株式市場(ミャンマーの不動産市場に)対する信頼度が31.8ポイントの大幅ダウンを示したためです。

・東南アジアでは、フィリピン、シンガポール、ベトナムが、5ポイント程度の微増で、それぞれ、81.4ポイント、65.3ポイント、86.9ポイント。マレーシアは5ポイント減で、「悲観的」の水準により近づいています。

・オーストラリアは、前期に比べいくらかの改善を見せ、消費者信頼度は5.4ポイント増の39.5ポイントでした。しかし、『中立(50ポイント)』の水準を依然下回っています。ニュージーランドは1.3ポイント増の57.7ポイントと安定した推移です。

・インドの消費者信頼度は、1.5ポイント増の93.1ポイントで、引き続き「最も楽観的」という水準を維持。17ヶ国の内、インドだけが唯一、90ポイントを超えています。バングラディッシュは、8ポイント減の75.3ポイントでした。主に株式市場に対する信頼度が21ポイント減の46.5ポイントと大きく悪化したためです。消費者信頼度調査に初めて登場したスリランカは、67.5ポイントを獲得し、「楽観的」の水準を示しました。



調査方法
消費者に、「雇用」、「景気」、「固定収入」、「株式市場」、「生活の質」の5項目について、6ヶ月後の見通しを質問し、その回答結果を指数によって総合的に評価しています。指数は、信頼度0から100で示し、最も悲観的な場合は0、最も楽観的な場合は100、中立的な場合は50で示します。

『MasterCard景気動向についての消費者意識調査』について
MasterCardが実施している『MasterCard景気動向についての消費者意識調査』は、過去20年間にわたり実施した合計20万件以上のインタビューで構成された記録であり、アジア/太平洋・中東・アフリカ地域においてその規模と歴史において他に類を見ません。

本調査は、アジア/太平洋地域における最も包括的かつ歴史のある消費者意識調査です。1997年6月の調査では、消費者信頼度の悪化が見られ、実際その1カ月後にタイの通貨危機が発生。アジアの金融危機を引き起こしました。最近では、2003年6月の調査で香港の「雇用」指数が20.0と低下。その後9月直前に、失業率8%を記録しました。

本調査は1993年上半期に調査を開始して以来、毎年2回実施しています。アジア太平洋地域の17市場が調査対象となっています。参加国は、日本、オーストラリア、バングラデシュ、中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムです。

MasterCardの調査について
MasterCardは、アジア/太平洋、中東、アフリカ地域で独自調査(MasterCard Worldwide Index)を継続的に実施しています。調査内容は「景気動向についての消費者意識調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Confidence)」「女性の社会進出度調査(MasterCard Worldwide Index of Women’s Advancement)」「消費者のオンライン・ショッピング傾向調査(MasterCard Worldwide Online Shopping Survey)」「財務リテラシーの指標調査(Index of Financial Literacy)」「世界渡航先ランキング(Index of Global Destination Cities)」などがあります。また、このMasterCard Worldwide Indexシリーズのほかにも、「消費における倫理感の調査」「家計における購入優先度調査(MasterCard Worldwide Survey on Consumer Purchasing Priorities)」シリーズで、旅行、外食・エンターテイメント、教育、家計管理、高級品や買い物全般に対する消費者傾向に関する調査を行っています。

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