「終活」に関する調査(18~79歳の首都圏の一般生活者対象) 

2016年10月27日
リサーチ・アンド・ディベロプメントは、2015年10月に18~79歳の首都圏の一般生活者を対象に「生活者総合ライフスタイル調査システム『CORE』」を実施いたしました。
今回はその中から、人生の最期への準備、いわゆる「終活」に関するデータについてご紹介いたします。

【調査結果概要】

“「終活」という言葉の認知率は全体で約9割
50代以降で内容認知率、実施・検討率ともに上昇”


・「終活」という言葉自体の認知率は、【全体】で87%と非常に高い。内容認知率は37%。また、【若年層】においても2~3割が内容を認知している。

・性別でみると、【男性】より【女性】の方が認知率、実施・検討率ともに高く、【女性】の「終活」に対する意識が高まる開始時期は【男性】よりも早め。

・年代別でみると、男女ともに50代以降で大幅に上昇。【女性70代】では、実施・検討率が3割にのぼる。


“50代以上にとっての「終活」は「周りの人が困らないための準備」
だからこそ実務的な事柄の優先順位が高い”


・「終活」として準備したいこととして、 【50代以上】では「身の回りの品の整理・処分をしておく」が最も高く、約8割。

・「銀行口座や保険の詳細を記しておく」、「延命治療の意思表示をしておく」が5割台で2位グループとなる。

・上位3つに加え、「葬儀・法要の形式の意思表示」の4項目が 【50代未満】と比べて10pt以上高くなっている。

・一方、「脳死での臓器提供の意思表示をしておく」「遺言書を作成しておく」「大切な人にメッセージを残しておく」に対する意向は、【50代未満】と比べていずれも5pt以上低い。


【R&D発 生活者インサイト】

◇具体的に実施・検討するのは60~70代になってから
 「終活」という言葉は、2010年の新語・流行語大賞にノミネートされ、近年では「終活」に関するセミナーやイベントが各地で開催されるなど、ここ数年で世の中で広く認知されつつあります。今回の調査でも全体の約9割が「終活」という言葉について認知しており、約4割が内容についても知っていると回答しています。

実施・検討率が大きく跳ね上がるのは、男性は70代、女性は60代から。「終活」意識が高まるタイミングは女性の方が早めであるといえます。

人生の最期について現実的に考えるようになってから「終活」を考えはじめるという方が多いという傾向がみえてきました。

◇家族とよく話をして まずは実務的なことから「終活」をはじめてみませんか
「終活」は約9割の認知がある一方で、具体的にどのようなことを何のために行うかということについては、まだ理解が進んでいないのが現状です。

 50代以上の方々では実際に親を看取る経験を持つ人も多く、身近な人が亡くなることに伴う様々な苦労や手間を実感しています。だからこそ、自身の「終活」ではより実務的な事柄から手を付けていきたいという意識が強く働いているのだと考えられます。

 一方、そのような経験を持たない若い世代は、具体的なイメージに乏しいため、臓器提供の意思表示や遺言書の作成など、重くシビアな行動のイメージが先行しがちです。これは親子間においても同じことが言え、「終活」に向けた行動に対する両者の意識の差は少なからず生じているはずです。

 家族としては「終活」についての話題を切り出すのは躊躇われることでしょう。だからこそ、「終活」を行うご本人から積極的に「終活」の話題提供を行い、「終活」についてお互いの考えを話し合ってみることが重要だといえます。そして、まずは実務的な事柄から気軽に「終活」をはじめることが「幸せな人生の締めくくり」のための第一歩になるのではないでしょうか。


【調査概要】
生活者総合ライフスタイル調査システム『CORE』
●調査エリア 首都圏40km圏(調査地点 200地点)
●調査手法 訪問留置調査(一部郵送調査併用)
●調査対象 18~79歳男女個人
●サンプル設計 3,000サンプル(回収ベース)
●調査時期 2015年 10月実施

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[リサーチ・アンド・ディベロプメント]
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