グローバルアセットマネジメント・レポート 

2016年07月12日
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、グローバルアセットマネジメント・レポートの 2016 年版「Global Asset Management 2016:Doubling Down on Data」を発表しました。

運用預り資産の成長率は 2008 年以降最低水準に

2015 年末の運用預り資産規模は 71.4 兆ドル、2014 年末比で 1%の増加にとどまったと推計されました。預り資産の成長率は、前回 2014 年の前年比 8%、2007 年末~2014 年末の 7 年間の年平均成長率 5%に比べ減速し、2008 年以降で最も低水準となりました。新たな資金流入額は世界全体で年初の預り資産の 1.5%と、ここ数年の実績と同水準であることから、グローバル金融市場が安定性を欠き、全体として低パフォーマンスであったことが預り資産が伸び悩んだ主な要因と考えられます(図表 1)。

預り資産を地域別にみると、日本とオーストラリアを除くアジアで 2014 年末比 10%増、中南アメリカで同 7%増、ヨーロッパが同 3%増、日本とオーストラリアの合計が同増減なし、北アメリカが同 1%減、中東・アフリカが同10%減となりました(図表 2)。日本とオーストラリアを除くアジアにおける預り資産成長率の高さは、家計金融資産の増加によるものと調査チームは分析しています。中国とインドでは、新たな資金流入額が、年初の預り資産の 10%を超える水準となりました。

2015 年の運用会社の収益性は安定的だが、今後は事業モデルの変革が必要

2015 年の運用会社の収益は安定的に推移し、業界全体の利益額は 1%増の約 1,000 億ドル、利益率は 37%という健全な水準を維持したと推計されます。しかし、運用市場の成長が金融市場のパフォーマンスにより左右される事業環境や、規制強化、デジタル技術の普及、新しいタイプのファンド(非伝統的資産)への資金流入など近年の業界トレンドは今後も継続すると考えられます。


■ 調査レポート
BCG では、主要国における市場調査と大手運用会社を対象にしたベンチマーキング調査を基に、資産運用市場と運用会社の動向についてまとめたレポートを毎年発行しています。14 回目となる今回は、140 社近い大手運用会社のベンチマーク調査と、43 か国におけるグローバル市場調査を実施しました。

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[ボストン コンサルティング グループ]
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