「地域ケア会議」についての調査(ケアマネジャー対象)
2016年12月15日
「ケアマネジメント・オンライン」を運営するインターネットインフィニティーは、サイト会員を対象に「地域ケア会議」について、アンケート調査を実施いたしました。
■背景
2015年度の介護保険法改正で、地域ケア会議の開催が義務化されました。地域ケア会議は、多職種が連携して地域の課題を解決するための重要な機能であり、とりわけ利用者支援に最前線で携わるケアマネジャーは、積極的に関わることが期待されています。そこで実際、現場のケアマネジャーはどれくらい参加しており、事例の提供をしているのか、また、よかった点や、改善が必要だと感じる点などについて調査を行いました。
【調査結果】
(回答者:「ケアマネジメント・オンライン」会員ケアマネジャー1169人、 調査期間:2016/10/1~2016/10/30)
★出席してよかったことは、「多様な職種や地域の人たちとの関係づくり」がトップ
地域ケア会議へは、全体の7割にあたる815名が出席したことがあると回答しました。出席してよかったことについての質問では、多い順に「普段連携する機会のない職種・地域の人たちの関係が作れた」が541名(出席した人の66.4%)で最も多く、以下、「地域の課題が明確になった」(296名、同36.3%)、「困難事例の支援に役立てられた」(291名、同35.7%)、「医師との連携がスムーズになった」(92名、同11.3%)となり、多様な職種や、地域の人たちとの関係づくりをあげる人が圧倒的に多い結果となりました。
また、「普段連携する機会のない職種・地域の人たちの関係が作れた」を選択した人は、個別ケースレベルの個別支援会議に出席した人では64.7%、 各包括が開催する担当圏の地域ケア会議に出席した人では73.3%、 自治体全域の地域ケア会議に出席した人では73.2%で、会議の範囲が広いほど関係づくりを実感できている結果となりました。
■その他ポイント■
○7割のケアマネジャーが地域ケア会議に出席し、うち6割が事例提供の経験あり
○地域ケア会議の議題で多いのは、認知症や独居・身寄りがない人の支援
○地域ケア会議への不満で最も多いのは、「開催頻度が少ない」こと
○地域ケア会議をよりよくするために希望するのは、運営や進行の向上
○7割のケアマネジャーが地域ケア会議に出席し、うち6割が事例提供の経験あり
地域ケア会議へは、全体の7割が参加の経験があると回答していますが、そのなかでも最も多かったのは「各包括が開催する担当圏の地域ケア会議」で495名(42.3%)。次いで「個別ケースレベルの個別支援会議」462名(39.5%)、「自治体全域の地域ケア会議」193名(16.5%)となっています。そのうちの約6割にあたる513名が地域ケア会議に事例を提供したことがあり、事例数は、「1~5件」が大半を占めています。
○地域ケア会議の議題で多いのは、認知症や独居・身寄りがない人の支援
地域ケア会議ではどのような課題について検討しているかを訊ねたところ、最も多かったのは「認知症高齢者の地域での支援体制と方向性」(536名、出席した人の65.8%)。以下、「独居や身寄りがない人の支援」(483名、同59.3%)、 「事業者や地域との連携について」(288名、同35.3%)、「買い物困難など地域の課題について」(134名、同16.4%)の順番でした。この順番は、「個別ケースレベルの個別支援会議」「各包括が開催する担当圏の地域ケア会議」「自治体全域の地域ケア会議」それぞれでみた場合も、同様となっています。
○地域ケア会議への不満で最も多いのは、「開催頻度が少ない」こと
地域ケア会議への不満では、その他をのぞくと、「開催頻度が少ない」が最も多く、304名(26.0%)。次いで「実のある検討にならないケースが多い」300名(25.7%)、「日々の支援に生かせる内容が少ない」214名(18.3%)が続いています。「開催頻度が多い」を選択したのは26名で、わずか2.2%でした。また、「とくに不満はない」は120名(10.3%)でした。
○地域ケア会議をよりよくするために希望するのは、運営や進行の向上
地域ケア会議をよりよくするために何が必要だと思うかを訊ねたところ、多い順に「開催者(地域包括支援センター、自治体)の運営の向上」610名(52.2%)、 「テーマ設定など、会議のスムーズな進行」498名(42.6%)、 「ケアマネジャーや参加者の当事者意識」 488名(41.7%)、「参加者の職種の多様性や人数の増加」408名(34.9%)でした。
調査では、全体の7割のケアマネジャーが地域ケア会議に出席したことがあり、そのうちの約6割が事例を提供したことがあることがわかりました。地域ケア会議に出席してよかったことでは、6割以上が普段連携する機会のない職種・地域の人たちの関係が作れたことをあげ、地域ケア会議への不満では、最も多いのが「開催頻度が少ない」こと。逆に「開催頻度が多い」を選択した人はわずかでした。
地域ケア会議は、自治体によって開催の方法や頻度はさまざまであり、現時点での成果を一様に述べることは難しくはありますが、これらのことから現場のケアマネジャーは、地域ケア会議に概ね積極的で、利用者支援に生かそうという意識が高いことがわかります。
一方で、地域ケア会議への不満として、「実のある検討にならないケースが多い」「日々の支援に生かせる内容が少ない」をあげる人は少なくなく、今後よりよくするために希望することでは、開催者の運営の向上や会議のスムーズな進行に次いで、ケアマネジャーなどの当事者意識もあがっており、開催者、ケアマネジャーを含めた出席者がともに実のある会議とするために努力することが求められているといえそうです。
【調査概要】
期間:2016年 10月1日~10 月30日
方法:インターネット調査
対象:「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャー
回答数:1169名
詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
■背景
2015年度の介護保険法改正で、地域ケア会議の開催が義務化されました。地域ケア会議は、多職種が連携して地域の課題を解決するための重要な機能であり、とりわけ利用者支援に最前線で携わるケアマネジャーは、積極的に関わることが期待されています。そこで実際、現場のケアマネジャーはどれくらい参加しており、事例の提供をしているのか、また、よかった点や、改善が必要だと感じる点などについて調査を行いました。
【調査結果】
(回答者:「ケアマネジメント・オンライン」会員ケアマネジャー1169人、 調査期間:2016/10/1~2016/10/30)
★出席してよかったことは、「多様な職種や地域の人たちとの関係づくり」がトップ
地域ケア会議へは、全体の7割にあたる815名が出席したことがあると回答しました。出席してよかったことについての質問では、多い順に「普段連携する機会のない職種・地域の人たちの関係が作れた」が541名(出席した人の66.4%)で最も多く、以下、「地域の課題が明確になった」(296名、同36.3%)、「困難事例の支援に役立てられた」(291名、同35.7%)、「医師との連携がスムーズになった」(92名、同11.3%)となり、多様な職種や、地域の人たちとの関係づくりをあげる人が圧倒的に多い結果となりました。
また、「普段連携する機会のない職種・地域の人たちの関係が作れた」を選択した人は、個別ケースレベルの個別支援会議に出席した人では64.7%、 各包括が開催する担当圏の地域ケア会議に出席した人では73.3%、 自治体全域の地域ケア会議に出席した人では73.2%で、会議の範囲が広いほど関係づくりを実感できている結果となりました。
■その他ポイント■
○7割のケアマネジャーが地域ケア会議に出席し、うち6割が事例提供の経験あり
○地域ケア会議の議題で多いのは、認知症や独居・身寄りがない人の支援
○地域ケア会議への不満で最も多いのは、「開催頻度が少ない」こと
○地域ケア会議をよりよくするために希望するのは、運営や進行の向上
○7割のケアマネジャーが地域ケア会議に出席し、うち6割が事例提供の経験あり
地域ケア会議へは、全体の7割が参加の経験があると回答していますが、そのなかでも最も多かったのは「各包括が開催する担当圏の地域ケア会議」で495名(42.3%)。次いで「個別ケースレベルの個別支援会議」462名(39.5%)、「自治体全域の地域ケア会議」193名(16.5%)となっています。そのうちの約6割にあたる513名が地域ケア会議に事例を提供したことがあり、事例数は、「1~5件」が大半を占めています。
○地域ケア会議の議題で多いのは、認知症や独居・身寄りがない人の支援
地域ケア会議ではどのような課題について検討しているかを訊ねたところ、最も多かったのは「認知症高齢者の地域での支援体制と方向性」(536名、出席した人の65.8%)。以下、「独居や身寄りがない人の支援」(483名、同59.3%)、 「事業者や地域との連携について」(288名、同35.3%)、「買い物困難など地域の課題について」(134名、同16.4%)の順番でした。この順番は、「個別ケースレベルの個別支援会議」「各包括が開催する担当圏の地域ケア会議」「自治体全域の地域ケア会議」それぞれでみた場合も、同様となっています。
○地域ケア会議への不満で最も多いのは、「開催頻度が少ない」こと
地域ケア会議への不満では、その他をのぞくと、「開催頻度が少ない」が最も多く、304名(26.0%)。次いで「実のある検討にならないケースが多い」300名(25.7%)、「日々の支援に生かせる内容が少ない」214名(18.3%)が続いています。「開催頻度が多い」を選択したのは26名で、わずか2.2%でした。また、「とくに不満はない」は120名(10.3%)でした。
○地域ケア会議をよりよくするために希望するのは、運営や進行の向上
地域ケア会議をよりよくするために何が必要だと思うかを訊ねたところ、多い順に「開催者(地域包括支援センター、自治体)の運営の向上」610名(52.2%)、 「テーマ設定など、会議のスムーズな進行」498名(42.6%)、 「ケアマネジャーや参加者の当事者意識」 488名(41.7%)、「参加者の職種の多様性や人数の増加」408名(34.9%)でした。
調査では、全体の7割のケアマネジャーが地域ケア会議に出席したことがあり、そのうちの約6割が事例を提供したことがあることがわかりました。地域ケア会議に出席してよかったことでは、6割以上が普段連携する機会のない職種・地域の人たちの関係が作れたことをあげ、地域ケア会議への不満では、最も多いのが「開催頻度が少ない」こと。逆に「開催頻度が多い」を選択した人はわずかでした。
地域ケア会議は、自治体によって開催の方法や頻度はさまざまであり、現時点での成果を一様に述べることは難しくはありますが、これらのことから現場のケアマネジャーは、地域ケア会議に概ね積極的で、利用者支援に生かそうという意識が高いことがわかります。
一方で、地域ケア会議への不満として、「実のある検討にならないケースが多い」「日々の支援に生かせる内容が少ない」をあげる人は少なくなく、今後よりよくするために希望することでは、開催者の運営の向上や会議のスムーズな進行に次いで、ケアマネジャーなどの当事者意識もあがっており、開催者、ケアマネジャーを含めた出席者がともに実のある会議とするために努力することが求められているといえそうです。
【調査概要】
期間:2016年 10月1日~10 月30日
方法:インターネット調査
対象:「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャー
回答数:1169名
詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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