「組み込みシステム向けプログラム/OS」に関するアンケート調査(製造業界で組み込み系のプログラミングをすることがあるエンジニア対象) 

2017年01月25日
all engineer.jpが運営するエンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」では、製造業界で組み込み系のプログラミングをすることがあるエンジニア200人を対象に、「組み込みシステム向けプログラム/OS」に関するアンケート調査を行いました。

【TOPICS】

・組み込み系で使う言語は「C」「C++」「Java」
・一番好きな言語は「C」。好きな理由は「使い慣れている」「単純でコーディングしやすい」「互換性が高い」
・これから学びたい組み込み系言語は「Java」「C++」「Microsoft Visual C++」
・組み込み系で使うOSは「Windows」「Linux」「iOS」「Android」
・一番好きなOSは「Windows」。好きな理由は「最も普及している」「開発環境が整っている」「デバッグやアップデートしやすい」
・これから学びたい組み込み系OSは「Windows」「Linux」「iOS」

【調査背景】

fabcross for エンジニアでは先日、3D CADやCAE、PDM、PLMなど、製造業エンジニアが普段使っているツール/システムに関する調査を実施しました。
今回はそれに続き、組み込み系システムの開発に用いている言語/OSの利用率や、その中で好きな言語/OS、これから学びたいと考えている言語/OSについて、製造業エンジニア200人に尋ねてみました。

【調査結果サマリー】

◇組み込み系で使う言語は「C」「C++」「Java」
・組み込み系システムの「業務でよく使っている」言語としては、「C」(36.0%)、「C++」(32.5%)、「Java」(23.5%)といった回答が多かった。
・これ以外に業務で使う言語を自由回答形式で尋ねたところ、「COBOL」(8人)、「C#」(7人)、「ラダー」(4人)、「Python」(3人)、「Simulink」(2人)などの名前が挙がった。

◇一番好きな言語は「C」。好きな理由は「使い慣れている」「単純でコーディングしやすい」「互換性が高い」
・組み込みシステム向けプログラミング言語の中で、「一番好きな言語」として挙げられたのは「C」(29.1%)、「Microsoft Visual Basic」(16.8%)、「C++」(15.3%)となった。

それぞれの言語を「一番好き」な理由を聞いてみたところ、次のような回答が集まった。

<C>
・使い慣れているから
・コンパイラの動作、できるアセンブリコードなどの想像がつくので、想定どおりの物ができやすいから
・理解しやすい。ハード制御のプログラムも書きやすい。一番慣れている
・単純でコーディングしやすい
・互換性が高い
・プログラムの基本だから
・何でもできるから

<Microsoft Visual Basic>
・簡単だから。使える環境があるから
・業務で常に使うし必要だから
・エクセルと兼用出来るから
・一番長く使用しているので知識がある。使うのは大変だが、使いこなせば何でも出来る
・色々な情報を調べやすい。

<C++>
・もっとも経験が長いため
・汎用性が高く処理が高速である
・アセンブラには及ばないが細かいプログラミングがしやすい。使いやすいライブラリを構築してあるので、やりたいことがすぐにできる。コードも読みやすく、他人の書いたソースでも解析に時間がかからない

<Java>
・最も長期間使用しており、慣れ親しんでいるから
・オブジェクト指向だから
・覚えやすいから
・汎用性や利便性、使用感

<Microsoft Visual C++>
・開発手法を多岐の選択肢から選べ、デバッグも比較的容易に行える
・仮想検証など、他の用途でも使用するため
・思いついたら 実現するのに手っ取り早い

<アセンブラ>
・手間はかかるが、システムの制限を極限まで回避することが出来るため
・思いどおりのタイミングを作れる
・コンパイラによる制限もないし、機械語レベルで直接色々な事が出来る。昔の人間なので、CやC++でプログラムを書いていても、アセンブラでデバッグしている
・アルゴリズムを考える作業がダイレクトにコードにあらわれるから
・小規模なシステムしか組まないので、アセンブラが一番手早く組めるから
・プログラマーのセンスが直接反映されるから
・プログラミングの基本であり、変な文法に惑わされることなくCPUを効率的に使える

◇これから学びたい組み込み系言語は「Java」「C++」「Microsoft Visual C++」
・これから一番学びたいと考えている組み込みシステム向けプログラミング言語としては、「Java」(20.9%)、「C++」「Microsoft Visual C++」(共に13.8%)を挙げる回答者が目立った。

◇組み込み系で使うOSは「Windows」「Linux」「iOS」「Android」
・組み込みシステム向けOSのうち、「業務でよく使っている」OSとしてエンジニアが名前を挙げたのは「Windows」が70.0%でトップとなった。次いで「Linux」(28.0%)、「iOS」(16.5%)、「Android」(14.5%)などが多く使われていることが分かった。

◇一番好きなOSは「Windows」。好きな理由は「最も普及している」「開発環境が整っている」「デバッグやアップデートしやすい」
・組み込みシステム向けOSの中で「一番好きなOS」を選択してもらった結果、53.8%が「Windows」を選び、最も支持を集めた。「Linux」は17.1%、「iTRON」「iOS」は6.5%が「一番好きなOS」として選んだ。

それぞれのOSを「一番好き」な理由を聞いてみたところ、次のような回答が集まった。

<Windows>
・一番使い慣れている
・開発環境が整っている
・最も普及しているOSだから
・ライブラリが豊富。サンプルがたくさんある。情報が多い
・一番なれているから。使用者が多く、説明があまりいらないから
・テストはすべてPC上で実行でき,ほぼ完成した後に組み込み機器で実行させればいいので,机周りに実機がなくてもよく,手軽である。また,組み込んだ後も遠隔操作ができるのでデバッグやアップデートもしやすい

<Linux>
・無駄なUIがない
・探せば情報が手に入る。無料
・シンプルで動作が軽いから
・自由度が高い
・構造が一番シンプルでわかりやすいから
・オープンソースで事例が豊富にある
・ARMを使うのにほぼ標準のOS。C++とも相性がいい。SDKも充実している

<iTRON>
・多少重いが、安定している
・業務に密着している
・リアルタイム性とフットプリントの小ささ
・言語仕様が簡素で高度な機能はないが、システムコールがわかりやすい

<iOS>
・性能がいい
・速さが一番
・面白いから
・Macを使っているから

◇これから学びたい組み込み系OSは「Windows」「Linux」「iOS」
・これから一番学びたいと考えている組み込み向けOSとしては、「Windows」(23.6%)、「Linux」(22.1%)、「iOS」(16.1%)、「Android」(12.1%)などを選ぶ回答者が多かった。


「fabcross for エンジニア」調べ

【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
<スクリーニング調査>
期間:2016年12月19日~26日
対象:全国のメーカーで働く技術系の会社員1879名
<本調査>
期間:2016年12月27日~29日
対象:普段の業務の中で組み込み系のプログラミングをするエンジニア200名

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