「習い事」に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2018年03月21日

アサヒグループホールディングスは、全国の20歳以上の男女を対象に「習い事」をテーマに調査を実施。

調査結果サマリー


  • 全体の11.9%が「習い事やお稽古をしている」、自分磨きに余念のない女性が多い
  • 人気の習い事は「スポーツジム」「ヨガ」など、心も身体も健康維持したい
  • グローバル化が進む中、今必要を感じるスキルは「英語能力」と「パソコン能力」
  • 習わない理由のトップは「習い事に興味なし」、通わずとも独学できる時代なので
  • 全体の4割が「(制約なければ)今春から新しい習い事・お稽古がしたい」
  • 新しく挑戦したいのは「運動系習い事」、運動の習慣化で慢性的な運動不足解消へ
  • 女性は幅広い「料理」「書道」「手芸」、男性は実務に直結する「パソコン」
  • 第一優先は「趣味の充実」、仕事人間の日本人が求める「自分に合う趣味」
  • 学びやスキル習得よりも、「仲間との交流や会話が楽しみ」という声も

調査結果


全体の11.9%が「習い事やお稽古をしている」、自分磨きに余念のない女性が多い

現在、何か習い事やお稽古をしているという人はどの位いるのでしょうか。「中高時代に和太鼓をやっていたので、和太鼓教室に月に2回程通っている」(男性20代、神奈川県)など、「習っている」と回答した人は11.9%。自由回答の中には「スポーツクラブに23年通っている。ジムや水泳をしていて、83歳ともなると昔のようにはいきませんが、元気でいきたいので頑張っている」(女性80代、大阪府)など、一つの習い事を長期にわたり、継続する人もいました。性別で「習っている」という声を見てみると、男性回答は9.0%。その反面で女性回答は男性よりも6.1%も高い15.1%を数え、自分磨き、高い向上心を持つ女性がとても多いことがうかがえます。

人気の習い事は「スポーツジム」「ヨガ」など、心も身体も健康維持したい

今、習い事をしている人は、何をしているのでしょうか。次に具体的に見ていきましょう。最も人気が高かったのは「スポーツジム・水泳」(32.0%)でした。「太らない様に。週3回くらいスポーツジムに通っている」(女性40代、北海道)、「スイミングスクールへ行っている」(女性20代、福島県)など、健康維持や体力づくり、ダイエット等を期待して、定期的にスポーツクラブで汗を流しているという声が多数寄せられました。スポーツジムに通わずとも走ったり、筋トレしたりなど、各自で運動をすることも出来ますが、サボらずに継続するために、あえて月謝を払いジムに通う人も案外多いのではないでしょうか。

現在している習い事は?
1 スポーツジム・水泳 32.0%
2 ヨガ・ピラティス 16.0%
3 英語 9.3%
4 パソコン・インターネット関連 8.0%
5 茶道・お茶 6.7%
5 ダンス・バレエ 6.7%
MA(複数回答)/n=75人(習い事をしている人)

トップと同じく運動系の習い事で人気だったのは、2位「ヨガ・ピラティス」(全体=16.0%、男性=0.0%、女性=26.1%)。「10年前からホットヨガを習っている。少しずつですが、筋力がついてきた」(女性50代、愛知県)など、体の柔軟、美容と健康を求めて、体操の延長として行っているという女性からの支持が目立ちました。またヨガ・ピラティスは、筋力や体力づくりばかりではなく、呼吸を整えて自律神経を安定させる効果も担っており、現代人のストレス対策としても有効といえそうです。同じく「茶道・お茶」(全体=6.7%、男性=0.0%、女性=10.9%)、「ダンス・バレエ」(全体=6.7%、男性=0.0%、女性=10.9%)も女性人気の高い習い事となっていました。

グローバル化が進む中、今必要を感じるスキルは「英語能力」と「パソコン能力」

一方で男性人気の高かったのは「英語」(全体=9.3%、男性=10.3%、女性=8.7%)でした。インバウンドで外国人観光客は増加し、ビジネスの上でもグローバル化が進む一方で、依然として日本人の「英語」に対する苦手意識、コンプレックスはなかなか解消されません。特にビジネスで必要に迫られている男性も多いせいか、英語を習う人が目立ちました。ちなみに前回実施した2015年の調査と比較すると、「英語」(2015=6.3%、2018年=9.3%)は3%も増加しており、全体的に底上げ傾向にあります。以下、「パソコン教室で普段使っていて分からない事や、ウイルス対策などを教わっている」(女性50代、三重県)など、5位に「パソコン・インターネット関連」(全体=8.0%、男性=13.8%、女性=4.3%)が続き、暮らしにネットが欠かせない時代となり、本格的にパソコンやプログラミング等を学ぶ人もいました。2020年以降小学校でのプログラミング教育必修化を控え、最近は小学生たちの習い事でも「プログラミング」が人気ランキングの上位に位置しており、「英語能力」と共に「プログラミング能力」も、これからの時代を担う世代にとっては必要なスキルと言えるのでしょう。

習わない理由のトップは「習い事に興味なし」、通わずとも独学できる時代なので


「習っている」という声が僅か11.9%に留まった一方で、「習っていない」という声は88.1%を占めました。世の中には数々の習い事やお稽古の教室がありますが、意外に何もしていない人が多いことが判ります。では、どうして多くの人びとは習い事をしていないのでしょうか。その理由を具体的に見ていきましょう。最も回答が多かったのは「特に習い事に興味がない」(35.3%)でした。「習い事に興味がなく、自分自身でできる事(ジョギング等)を実施している」(男性60代、愛知県)、「独学や自主的なもので十分」(男性30代、大阪府)など、特に教室に通わずとも、自分の出来る範囲でしているという声。わざわざ人から習うほど、「強く極めたいというものがない」という人が案外多いことがうかがえます。

習い事をしていない理由は?
1 特に習い事に興味がない 35.3%
2 忙しくて通う時間がない 26.1%
3 家計に余裕がない 18.9%
4 サボらずに続ける自信がない 8.6%
5 気持ちはあるが、自分の体力や能力に自信がない 7.2%
MA(複数回答)/n=498人(習い事をしていない人)

次に回答が多かったのは「忙しくて通う時間がない」(26.1%)。「仕事で帰りは遅いし、休みは不規則な状況で予定が立たない」(男性40代、滋賀県)、「家事と育児と仕事でとてもそんな空き時間を作れない」(女性30代、愛媛県)など、いくら興味があっても、仕事や家事、育児等に追われる毎日の暮らしの中で、そんな時間的な余裕を見出せないという声。さらに「専業主婦なので、自分に使うお金の余裕がない」(女性40代、福島県)など、3位にも「家計に余裕がない」(18.9%)が挙げられ、習い事が出来ない最大のネックは「時間」と「お金」であることがうかがえます。また自由回答の中には「子どもにお金がかかる時期なので」(女性30代、滋賀県)など、「子どもの習い事」が第一優先で、自分は二の次、三の次という人もいました。

時間とお金以外では、4位に「サボらずに続ける自信がない」(8.6%)。「飽き性なため長続きしないことが多い」(女性30代、大阪府)など、3日坊主で続かないという声。さらに「以前テニス教室に通っていたのですが、右ひじ痛を発症して再開する気になかなかなれません」(男性60代、神奈川県)など、5位にも「気持ちはあるが、自分の体力や能力に自信がない」(7.2%)が続き、体力も気持ちもついていけないという声も寄せられました。また自由回答の中には「英会話を勉強してみたいが、もう自信がない」(男性50代、東京都)など、かつて習っていたがブランクが空き、すっかり自信を失ってしまったという人もいました。

全体の4割が「(制約なければ)今春から新しい習い事・お稽古がしたい」

ここまで習い事の現状を見てきましたが、仮に時間やお金に制約がない場合、この春から新しい習い事やお稽古事をしてみたいと考えている人はどの位いるのでしょうか。「パソコンが中途半端なので、ちゃんとした授業を受けて出来れば資格も取ってみたい」(女性50代、沖縄県)など、「新しい習い事がしたい」と回答した人は42.7%。「現在、習い事をしている」という声は11.9%であったことから30.8%も数値が増加し、機会があれば、習い事にチャレンジしたいと考えている人がとても多いことが判ります。性別で「新しい習い事がしたい」という声を見てみると、男性回答は37.7%。一方で女性回答は男性よりも10.5%も高い48.2%を数え、心機一転、春から新しいことを始めたいと高い意欲を持つ女性が目立ちました。自由回答の中には「チェロなどの弦楽器を習いたい。せっかく得意だった英語も使わないとどんどんと忘れているから、英語をやりたい。ドイツ語を習いたい。日常的に着物を着ているおばあさんになりたいから(着付けをやりたい)。自分で作った花器に花を生けたいので(華道をやりたい)……」(女性50代、広島県)など、いくつもやりたいことがあるという女性も少なくありませんでした。

新しく挑戦したいのは「運動系習い事」、運動の習慣化で慢性的な運動不足解消へ

では皆さんは、具体的にどんな習い事にチャレンジしてみたいと思っているのでしょうか。一番人気は「スポーツジム・水泳」(全体=29.0%、男性=30.8%、女性=27.4%)でした。「健康のため、ジムで筋肉をつけたい」(女性50代、千葉県)、「運動不足と肥満解消のため、スポーツジムに行きたい」(男性30代、愛知県)など、慢性的な運動不足が問題視される現代人ですが、健康や体力づくりのために「ジム通い」してみたいという声が多数寄せられました。同じく運動系の習い事では、「不規則な生活なので、体調管理のためにヨガを取り入れたい」(女性50代、三重県)など、4位に「ヨガ・ピラティス」(全体=15.6%、男性=7.0%、女性=23.2%)、8位にも「テニス・ゴルフ」(全体=7.8%、男性=11.2%、女性=4.9%)が続き、運動習慣を定着化させると共に、趣味の延長としてスポーツを楽しみたいという人が目立ちました。特に運動系の習い事は、全体的に男性支持が多かったものの、柔軟性をアップする「ヨガ・ピラティス」に関しては女性人気の高さが見られました。

新しく挑戦したいと思う「習い事」は?
1 スポーツジム・水泳 29.0%
2 英語 26.4%
3 料理・お菓子・パンづくり・蕎麦打ちなど 21.5%
4 ヨガ・ピラティス 15.6%
4 ピアノ・ギターなど楽器 15.6%
6 パソコン・インターネット関連 12.4%
7 書道・ペン字 9.4%
8 テニス・ゴルフ 7.8%
9 陶芸 7.2%
10 手芸・服飾 6.5%
10 簿記・宅建など、ビジネススクール 6.5%
MA(複数回答)/n=307人

運動系の習い事以外では、2位「英語」(26.4%)。「英語をもう一度習って、夢だった留学を子どもとともに行きたい」(女性30代、愛知県)、「海外旅行で話してみたい」(女性50代、神奈川県)など、今まで何度も挫折してきた英語の上達を目標に掲げる声。さらに「仕事上、英語を常に扱っているのですが、最近では中国語やスペイン語のニーズも高まってきているので、時間があれば挑戦して業務に活かしていきたい」(男性20代、神奈川県)など、12位にも「英語以外の語学」(6.2%)が挙げられ、日本語以外の語学習得は高い支持を集めました。自由回答の中には「東京オリンピックに向けて、英語が出来るようになりたい」(女性30代、栃木県)など、2020年の東京五輪開催に向け、世界から訪れる観光客とのコミュニケーションを夢見る人も少なくありませんでした。2020年を節目に何かを始めるには、絶好の機会と言えそうです。

女性は幅広い「料理」「書道」「手芸」、男性は実務に直結する「パソコン」

続いて、3位は「 料理・お菓子・パンづくり・蕎麦打ちなど」(全体=21.5%、男性=13.3%、女性=28.7%)。「結婚前にしばらくの間、通っていてとても楽しかった。料理のレパートリーを増やしたいので、また通いたい」(女性30代、愛知県)、「パン作りに興味があるのできちんと習って家族を喜ばせてみたい」(女性30代、千葉県)など、料理のレパートリーを広げ、家族に振る舞いたいという声。さらに「書道はやはりきれいな字を書けるようになりたい」(女性40代、香川県)など、7位に「書道・ペン字」(全体=9.4%、男性=4.9%、女性=13.4%)、10位にも「手芸・服飾」(全体=6.5%、男性=0.7%、女性=11.6%)が続き、料理から美文字。服作りに至るまで、世の女性たちは自分磨きに強い意欲を持っていることがうかがえます。

一方で、男性は「パソコン・インターネット関連」(全体=12.4%、男性=15.4%、女性=9.8%)に集中。「パソコンに詳しくなりたいので」(男性40代、東京都)など、基本的な情報技術からソフトウエアの開発、システムやセキュリティ等、仕事の実務に直結しやすい分野であるため、しっかり勉強したいと考えている男性が多いようです。

第一優先は「趣味の充実」、仕事人間の日本人が求める「自分に合う趣味」

ではなぜ、多くの人びとが「習い事」をするのでしょうか。その目的を見ていきましょう。最も回答が多かったのは「趣味を楽しみたい、極めたい」(56.0%)でした。「シャンソンが楽しく、充実している」(女性50代、神奈川県)など、資格取得や仕事等の実務に役立つということは関係なく、とにかく趣味として楽しみたいという声。さらに「老後の楽しみのために楽器を習いたい」(男性60代、東京都)など、8位にも「 充実した老後を生きるため」(7.6%)が挙げられ、余暇や老後の充実に向けて、趣味を広げたいという人が目立ちました。「仕事=趣味」という日本人も多く、欧米の人びとと比べて余暇の過ごし方が下手と言われる日本人ですが、習う事をきっかけに自分の趣味を見つけたいと思っている人がとても多いことがうかがえます。

「習い事」の目的や求めることは?
1 趣味を楽しみたい、極めたい 56.0%
2 ストレス解消 ・気分転換 33.1%
3 健康のため 31.8%
4 教養を身につけたい 26.8%
5 視野を広げ、知識を得るため 18.5%
6 美容・ダイエットのため 11.6%
7 就職・転職等に備えてスキル、キャリアアップ 7.9%
8 人とのコミュニケーション 7.6%
8 充実した老後を生きるため 7.6%
10 資格を取得するため 7.0%
MA(複数回答)/n=302人

次に2位は「ストレス解消・気分転換」(33.1%)がランクイン。「学生時代からずっとコーラスをやっていたので、またストレス解消のために始めたい」(女性60代、神奈川県)など、心にうっ積したイライラや苛立ち等のストレスをはき出し、精神をリフレッシュさせるという人もいました。

心のコントロールに続き、2位は「健康のため」(31.8%)。「長生きはしなくて良いが、疾病なく定年を迎えたい」(男性40代、福岡県)、「運動不足がたたって、健康を害しているので」(女性40代、神奈川県)など、健康維持のため、運動系の習い事を重視する声。さらに「肥満解消のため、ジムに通う」(男性30代、愛知県)など、6位にも「美容・ダイエットのため」(11.6%)が続き、運動不足や代謝低下に伴う肥満解消、生活習慣病予防のため、体を動かしたいという人がとても多いようです。現代人にとって習い事は心身の健康を保ち、毎日を前向きに生きるための術の一つと言えそうです。

学びやスキル習得よりも、「仲間との交流や会話が楽しみ」という声も

また見逃せないのは、8位の「人とのコミュニケーション」(7.6%)です。「退職後、 家にこもりたくない目的で、たまたま地元の広報誌で陶芸を見つけた。そこで仲間ができて良かったと思っている」など、習い事を通じて、学生時代の友人、仕事の仲間とは異なる「新しいコミュニティ」が生まれたという声。自由回答の中には「仲間とのお喋りもストレス解消になる」(女性60代、宮城県)など、学びやスキルの習得よりも、人との交流や会話を求めて教室に通う人もいました。そのほか、「就職にプラスになる資格がほしい」(女性30代、京都府)など、7位に「就職・転職等に備えてスキル、キャリアアップ」(7.9%)、10位にも「資格を取得するため」(7.0%)が続き、厳しい就活や昇進を勝ち抜くべく、転職やキャリアアップに有利に働く能力や資格を得たいと考える人も少なくありませんでした。

調査概要


調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:637人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2018年3月14日~3月20日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アサヒグループホールディングス]
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