シニア世代のSNS利用状況調査(60~79歳の男女対象) 

2018年08月14日

マクロミルは、シニア世代1,000人にSNSの利用状況を調査。

今回は日本国内においてユーザー数が多いFacebook、Twitter、Instagram、LINEの利用状況や意識ついて調査しました。LINEはメッセージアプリや通話アプリと分類されることがありますが、本節ではその利用の広がりを考慮してSNSに含めています。調査対象は、全国60~79歳(以下「シニア世代」)の男女1,000人です。

調査TOPICS


  • シニア世代の2人に1人がSNSを利用。利用率は、「LINE」41%、「Facebook」25%、「Twitter」15%、「Instagram」10%
  • LINEユーザー、半数が「家族の勧め」で利用開始。家族間のコミュニケーションツールとして人気?
  • 発信・閲覧ともに、頻度が高いLINE。その他SNSは、閲覧メインが多数
  • Facebookは「仲の良い友達とのコミュニケーション」、Twitterは「暇つぶし」や「ニュースや話題」、Instagramは「写真の投稿・閲覧」を目的に利用される傾向あり
  • ”実際に会える友人・知人”を、SNS上で作りたいか?「作りたくない」5割、「どちらともいえない」も4割

調査結果


■シニア世代の2人に1人がSNSを利用。利用率は、「LINE」41%、「Facebook」25%、「Twitter」15%、「Instagram」10%

シニア世代1,000人に、現在利用しているSNSを尋ねました。

「LINE」は41%、「Facebook」は25%、「Twitter」は15%、「Instagram」は10%、「その他SNS」は2%に利用されており、いずれかのSNSを利用している割合は52%でした。シニア世代のおよそ2人に1人がSNSを利用している、という状況です。

■LINEユーザー、半数が「家族の勧め」で利用開始。家族間のコミュニケーションツールとして人気?

シニア世代のSNSユーザーは、どのようなことがきかっけでSNSを利用し始めたのでしょうか。

結果をみると、どのSNSでも比較的多かった回答は、「友人・知人などに勧められて」でした。特徴的だったのは、“LINE”を使い始めたきっかけで、「家族に勧められて」が54%にのぼっています。今回聴取した他のSNSは、どちらかといえば“投稿・閲覧型”であるのに対し、LINEは“メッセージの送受信型”といえ、“離れて暮らす親子の連絡手段”、あるいは“シニアと孫とのコミュニケーション”など、家族間のコミュニケーションツールとして利用されている様子が推測されます。

■発信・閲覧ともに、頻度が高いLINE。その他SNSは、閲覧メインが多数

次に、 “投稿(発信)”や“閲覧”の頻度を示したのが以下の図です。

まず“投稿(発信)”の結果をみます。「毎日」の割合は、LINEが34%であるのに対し、Facebook、Twitter、Instagramは13〜16%で、LINEの半数程度であることがわかります。また、Facebook、Twitter、Instagramは「月に1日以下(閲覧のみを含む)」の割合がおよそ半数でした。

“閲覧”の頻度は、Facebook、Twitter、Instagramともに4割以上の人が毎日行っており、シニア世代では”閲覧”をメインに楽しむ人が多いことがうかがえます。

■Facebookは「仲の良い友達とのコミュニケーション」、Twitterは「暇つぶし」や「ニュースや話題」、Instagramは「写真の投稿・閲覧」を目的に利用される傾向あり

“投稿・閲覧型”の特徴が見えてきたFacebook、Twitter、Instagramユーザーに、「投稿」や「閲覧」をする理由を尋ねました。

まずは“投稿”の理由。Facebookは、「仲の良い友達とのコミュニケーション、近況を知りたい・伝えたい」などが上位を占めました。Twitterは上位の理由でもスコアが10%台と多様な利用がなされていそうですが、「暇つぶし」で投稿する人が比較的多いようです。Instagramは、サービスの特性もあってか、「写真を投稿したい」33%が圧倒的な理由で、2番目の「楽しい」17%も他2つのSNSにはない理由でした。

次に“閲覧”の理由。Facebookは、「仲の良い友達の近況が知りたい」36%が最多で、2番目以降とスコア差が大きいことからメインの理由と言えます。Twitterは「ニュースや話題をチェックしたい」が30%で最多で、トレンドチェックの目的が大きいようです。Instagramは「写真を閲覧したい」37%が圧倒的に多い結果で、投稿理由と同様に“写真”がメインの理由でした。

●投稿理由
ベース:Facebook、Twitter、Instagramへの投稿者

Facebook投稿者(n=176)
仲の良い友達とのコミュニケーション 31.3%
仲の良い友達の近況を知りたい 29.0%
仲の良い友達へ近況を伝えたい 23.3%
写真を投稿したい 19.3%
暇つぶし 18.8%

Twitter投稿者(n=109)
暇つぶし 17.4%
ニュースや話題をチェックしたい 14.7%
仲の良い友達とのコミュニケーション 13.8%
SNS上の知人とのコミュニケーション 12.8%
お店や企業の情報を得たい 12.8%

Instagram投稿者(n=66)
写真を投稿したい 33.3%
楽しい 16.7%
お店や企業の情報を得たい 15.2%
ニュースや話題をチェックしたい 13.6%
仲の良い友達の近況を知りたい 10.6%

●閲覧理由
ベース:Facebook、Twitter、Instagramの閲覧者

Facebook閲覧者(n=248)
仲の良い友達の近況を知りたい 36.3%
仲の良い友達とのコミュニケーション 17.7%
暇つぶし 17.7%
写真を閲覧したい 16.1%
SNS上の知人の近況を知りたい 16.1%

Twitter閲覧者(n=145)
ニュースや話題をチェックしたい 29.7%
暇つぶし 21.4%
ニュースや話題を人に共有したい 12.4%
仲の良い友達の近況を知りたい 11.0%
SNS上の知人の近況を知りたい 11.0%

Instagram閲覧者(n=95)
写真を閲覧したい 36.8%
暇つぶし 17.9%
仲の良い友達の近況を知りたい 15.8%
楽しいから 14.7%
動画を閲覧したい 13.7%
家族の近況を知りたい 13.7%

■”実際に会える友人・知人”を、SNS上で作りたいか?「作りたくない」5割、「どちらともいえない」も4割

SNSは、今までに出会ったことがない人とインターネットを介して知り合えることも特徴の1つです。若い年代を中心に、SNSで知り合った人とリアルな友達になることも多いようですが、シニア世代のSNSユーザーの中でもそういったケースはあるのでしょうか。いずれかのSNSを利用している人に尋ねると、実際に会ったことが「ある」という人は11%。そして、そうした友人・知人を今後作りたいかという問いには、「作りたい」はわずか5%と消極的で、「作りたくない」が53%と半数を超えました。なお、「どちらともいえない」42%という回答も多く見られました。なお、友人を「作りたい」「どちらともいえない」「作りたくない」それぞれの理由を自由回答で尋ねましたので、一部抜粋してご紹介します。

●実際に会える友人・知人を、SNS上で「作りたい」「作りたくない」「どちらともいえない」と回答した理由

「作りたい」理由
ビジネスにつながるから。(62歳、男性)
共通の話題を持つ知人がいると、その土地に旅行したときに楽しい会話ができる。(70歳、男性)
今までは行動範囲の中でしか知人が出来なかったがSNSによって 広範囲の友達を作ることが出来る。(61歳、男性)
同趣味・思考の人々と友人になれる。(70歳、男性)

「どちらともいえない」理由
相手がどんな人か興味がある反面、不安もある。自分が描いていた内容と大きな乖離があった場合どう対応していいか困惑するどんな思う。(64歳、男性)
高齢になると共に友達が減りつつあるので、きっかけはどうであれ新しい友人を作りたい、という気がする一方、SNSではどんな人かわからないので警戒する気持ちもある。(65歳、女性)
SNS上で、信頼できる友人が出来ればそれに越したことはないが、現実の友人で事足りているので。(66歳、女性)
バックグラウンドがはっきりしていて、共感できるものがあれば会ってもいい。(67歳、男性)
会ってみたい気もしますが、会わないで想像しながらのお付き合いの方が長続きしそうな複雑な気持ちです。(71歳、女性)

「作りたくない」理由
ネット上の付き合いには興味がないし、危険である。(61歳、男性)
現在の利用は家族、友人、知人のみで既に出会っている人ばかりであり、新しいSNS上での友人、知人はマスコミでの報道でもあるように、警戒するため作りたくない。(62歳、男性)
SNS上でのほうが安心、楽しい。実際会うとイメージが壊れそう。(69歳、男性)
友人は増やしたくない。数少ない質の良い友人のみで良い。(69歳、女性)
年齢的に友人や知り合いについては生活をシンプルにする上で徐々に絞っていきたいのでSNS上の友達は作りたく無い。(69歳、女性)
元々の友人との連絡や近況報告で十分です。新規の見知らぬ人との交友は望んでいない。(73歳、男性)

「作りたくない」の理由では、SNS上でのコミュニケーションそのものに対して心理的障壁があり、新たな人脈を築くほどにはSNS自体を信用していないことがうかがえます。また、既存のコミュニティに満足している人も多く見受けられました。

調査概要


調査主体:マクロミル
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国60~79歳の男女(マクロミルモニタ会員)
割付方法:平成27年国勢調査による、性別×年代の人口動態割付/合計1,000サンプル
調査期間:2018年7月5日(木)~2018年7月6日(金)

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