「不動産の賃貸、売買の仲介手数料に関する認知度」の調査(東京都内在住の35~59歳の男女対象) 

2018年09月28日

不動産流通システム(REDS、レッズ)は、インターネットで一般消費者500人を対象に実施した「不動産の賃貸、売買の仲介手数料に関する認知度」の調査結果をまとめましたのでご案内いたします。REDSでは2016年より、ほぼ同じ内容の調査を年に1回行っており、今回で3回目となります。
調査対象:東京都内在住の35~59歳 男性250名 女性250名

調査結果サマリ


  • 仲介手数料についての認識は、ここ3年でほぼ変化なし。7割前後が何も知らない
  • 仲介手数料が割引になる会社の存在について、9割弱が知らない
  • 不動産会社の活動の中で「広告宣伝費」を無駄と考える消費者が最も多い
  • 回答者の半数以上が仲介手数料の割引をするという業者を選ばない
  • 「囲い込み」「両手仲介」について知っている消費者はほぼゼロ
  • リノベーションについて3割強が知っており、女性の方が関心が強い
  • 中古住宅の流通促進策である「安心R住宅」「ホームインスペクション」はほとんど知られていない

調査結果


(1)仲介手数料について

Q1 あなたは不動産売買の仲介手数料の上限が法律で定められていることを知っていますか?
不動産売買の仲介手数料は、宅建業法で取引金額ごとに上限額(400万円以上では、物件価格の3%プラス6万円プラス消費税)が定められています。
今回は「全く知らない」が男性で59.6%、女性が70.4%となり、2016年(男性67.2%、女性72.4%)、2017年(男性64.8%、女性79.2%)の調査よりも減っていることが分かります。とくに男性は2年前よりも7.6ポイントも減っています。

一方、「知っている」は今回、男性で16.0%、女性で8.8%でした。2016年(男性12.0%、女性7.6%)、2017年(男性10.4%、女性6.0%)の数値と比較すると、上昇基調ではあります。男性は女性よりも一貫して知っている割合が高くなっています。
知らない人が減り、知っている人が増えていることは喜ばしいことではありますが、依然として男性は6割、女性は7割が知らないという状況が明らかになりました。

Q2 あなたは、売買価格が400万円を超える不動産売買の仲介手数料がいくらになるか知っていますか?
売買価格が400万円を超える不動産売買の仲介手数の法定上限は、売買価格の3%+6万円+消費税(速算式)ですが、これについても男性は71.2%、女性は83.2%が「全く知らない」という結果でした。一般消費者のほとんどが、不動産売買の正確な仲介手数料を知らないまま、不動産会社から請求される金額をそのまま支払っているようです。

Q3 あなたは不動産売買の仲介手数料が半額や無料になる会社を知っていますか?
REDSのように不動産売買の仲介手数料を割り引く会社は増えつつあるが、「全く知らない」が男性84.4%、女性が88.4%でした。2016年(男性76.0%、女性82.4%)、2017年(男性67.2%、女性69.6%)と、2016年よりも10ポイント以上増えてしまっています。ほとんどの人が知らない上に、年ごとに認知が高まっている訳でもないということが判明しました。

Q4 不動産売買の仲介手数料を半額や無料にする会社の利用意向をお知らせください
不動産売買の仲介手数料を割引く会社があった場合、その会社を利用するかについても聞いてみたところ、男女とも半数以上が「利用は検討しない」と回答しました。男性は52.0%、女性は54.8%に上りましたが、2016年が男性50.0%、女性51.2%、2017年が男性47.6%、女性52.8%と、女性は年ごとにその割合は大きくなっています。

仲介手数料を割り引こうが上限まで取ろうが、消費者の選択には影響しない人、あるいは仲介手数料は高い方がサービスの質がよいと考える人が半数以上いて、女性はその比率が増えているということです。
多くの不動産会社が法定上限の手数料を設定している不動産の売買仲介では、仲介手数料の金額の多寡と仲介サービスのクオリティとは、必ずしも相関する訳ではないのですが、一般にはまだまだ「高いということはいいサービスである」との思い込みがあるようです。

(2)不動産会社の営業活動について

Q5 不動産会社が不動産売買の仲介手数料を半額や無料にするために、許容できる施策について、お知らせください。
不動産会社が不動産売買の仲介手数料を割引くために、消費者の目から見て、この項目を削ったり、有料化したりすれば効果がありそうというものを考えてもらったところ、男性、女性ともには1位は「広告宣伝費の削減」(男性35.2%、女性34.0%)でした。

男性は2位から順に「人件費の削減」(24.4%)、「許容できるものはない」(24.0%)、「システムの効率化」(23.6%)、「その他」(20.8%)を挙げました。
一方、女性は2位から順に「許容できるものはない」(24.4%)、「システムの効率化」「その他」(23.6%)、「店舗費用の削減」(20.4%)でした。

順位に微妙な差は見られるものの、挙げられた項目内容はほとんど同じで、過去2回の調査時とも傾向は変わらないようです。特に男女とも1位に挙げた「広告費宣伝費の削減」からは、テレビCMや雑誌・新聞の広告、ポスティングなどのチラシ投函には、その効果を疑問に感じている消費者が多数存在することを示唆していると言えます。

また、男女とも上位に「その他」や「(有料化を)許容できるものはない」という選択肢が来ていることは、「不動産会社のやることにそれほど興味がない」「現状のままでも困っていない」ということでもあるでしょう。

Q6 不動産仲介における、不動産会社による「囲い込み」という行為を知っていますか?
「囲い込み」について知っているのは男性2.8%、女性1.2%と、非常に低い数値が出ました。2017年は男性が3.2%、女性が2.0%で、増減は誤差の範囲と言えそうです。業界の悪弊について、業界外で知っている人はほぼいないということでしょう。

Q7 不動産仲介における、不動産会社による「両手仲介」という行為を知っていますか?
「両手仲介」について知っているのは男性5.6%、女性2.0%でした。2017年は男性5.7%、女性3.6%ですので、誤差の範囲内と言えるでしょう。囲い込みと同じく、両手仲介についても業界外の人で知っている人は、ほぼいないということでしょう。

(3)中古住宅の流通促進にかかわることについて

Q8 「リノベーション」という言葉を知っていますか。
既存住宅をライフスタイルに合わせて造り替えるリノベーションについては「聞いたことはあるが詳細は知らない」という回答が、男性が39.2%、女性が39.6%といずれも最も分厚い層になっています。一方、「知っている」は男性が30.8%、女性が36.0%で、女性の方に関心の高さがうかがえました。女性のライフスタイルの多様化の進展と、「リノベ女子」「リノジェンヌ」などと命名して、個別のライフスタイルを反映した住まいづくりを提案する業者が増えていることなどに起因しているでしょう。

Q9  「安心R住宅」という言葉を知っていますか。
既存住宅の流通促進に向けて、「不安」「汚い」「わからない」といった従来のいわゆる「中古住宅」のマイナスイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できる環境の整備を図るため、平成29(2017)年国土交通省の告示による「安心R住宅」制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)が創設されました。
耐震性があり、インスペクション(建物状況調査等)が行われた住宅であって、リフォーム等について情報提供が行われる既存住宅をさします。具体的には、以下の要件を満たすものです。

[1]耐震性等の基礎的な品質を備えている
[2]リフォームを実施済み又はリフォーム提案が付いている
[3]点検記録等の保管状況について情報提供が行われる

この「安心R住宅」について、知っているのは男性が2.0%、女性が1.6%しかいませんでした。この制度は中古住宅の流通加速を目指しているそうですが、これほど知られていないということは、「安心R住宅」に関する政策が、認知度という観点では広がっていないことを示しています。

Q10 「ホームインスペクション(住宅診断)」という言葉を知っていますか?
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、報告することです。中古住宅の購入前や、自宅の売り出し前にホームインスペクションを行なうことで、建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。
このホームインスペクションについて、「知っている」のは男性が4.0%、女性が3.2%でした。「安心R住宅」よりは認知がありますが、ほとんど知られていないことには変わりありません。

調査概要


・調査対象:東京都内在住の35~59歳 男性250名 女性250名
・調査期間:2018年9月3日~2018年9月13日
・調査方法:インターネット調査
・調査会社:株式会社ネクサー(アンケートサイト 「ボイスノート」)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[不動産流通システム]
 マイページ TOP