世界全体の3Dプリンティング市場の支出額予測 

2019年02月15日

IT専門調査会社 IDC Japanは、世界全体の3Dプリンティング市場の支出額予測を発表しました。最新のIDC Worldwide Semiannual 3D Printing Spending Guide では、2019年全世界の3Dプリンティング(ハードウェア、造形材料、ソフトウェア、サービス)の支出額は前年比21.2%増、約138億ドルに達するとしています。そして、5年間の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を19.1%、2022年には支出額が全世界で約227億ドルとなると予測しています。

3Dプリンティング支出額の大部分は3Dプリンターハードウェアおよび造形材料の支出で、2019年の支出額はそれぞれ53億ドルおよび42億ドルです。これら2つのセグメントを合算した支出額は、5年間の予測期間を通じて全支出額の3分の2以上を占める見通しです。次に大きいのは、38億ドルの3Dプリンティングサービスです。そして、オンデマンドパーツサービスおよびシステムインテグレーションサービスが続きます。成長率が高いのは、造形材料およびソフトウェアのセグメントで、5年間のCAGRは、それぞれ20.3%および17.1%で、市場全体の成長率を上回ります。

3Dプリンティングへの支出額が最も多い産業分野は組立製造業で、予測期間を通じて全支出額の半分以上を占めます。2番目は医療サービス関連で、2019年の支出額は約18億ドルです。そして、教育(12億ドル)、専門サービス(8億9,800万ドル)が続きます。一般消費者の支出額は6億4,700万ドルで、総支出額の5%未満です。なお、2022年にはプロセス製造分野が一般消費者セグメントを追い抜き、全体の5番目になるとIDCは予測しています。予測期間中に最も急成長する産業分野は、医療(29.8%のCAGR)および交通運輸(28.3%のCAGR)です。

3Dプリンティングの主なユースケースは、プロトタイプ、補修用パーツ、新製品用パーツです。この3つは、組立製造業における上位ユースケースであり、2019年時点では、これらのユースケースが全世界の支出額の43%を占めています。今後、医療サービス分野の支出増加に伴って、2022年には歯科用造形物および医療補助用造形物がそれぞれ4番目と5番目に大きいユースケースになります。その次は僅差で専門工具です。今後最も急成長が見込まれるのは、医療サービス分野のユースケースで、人工細胞/人工臓器/人工骨(42.9%のCAGR)および歯科用造形物(33.1%のCAGR)です。

2019年、合計支出額が最も多い地域は米国(約50億ドル)となる見通しです。そして、次が西ヨーロッパ(36億ドル)、中国(約20億ドル)の順です。5年の予測期間で、最も急成長が見込まれる地域は、中南米(25.3%のCAGR)および中国(21.6%のCAGR)です。なお、世界全体9つの地域のうち5つは、20%以上のCAGRとなるでしょう。

3Dプリンティングとは、デジタルモデルまたはデジタルファイル形式の設計情報をもとに、造形材料を連続的に積層することで物体や形を形成する技術です。
Worldwide Semiannual 3D Printing Spending Guide では、世界9つの地域の20の産業分野で、15のユースケースに基づく3Dプリンティングの支出額データが提供されています。また、支出額を3Dプリンティング用ハードウェア、造形材料、ソフトウェア、サービス等に分割して分析することが可能です。IT意思決定者は、Worldwide Semiannual 3D Printing Spending Guideを活用することで、3Dプリンティング関連の支出について分析、将来の3Dプリンティング産業の方向性を明確に把握できます。

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[IDC Japan]
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