住まい方の意識トレンド調査(20歳以上の男女対象) 

2019年03月26日

全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)および全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)は、不動産取引に関連する知識の啓発事業のための資料収集の一環としてアンケート調査を実施。

この調査は、いまの社会環境を含めた住まいに関して、生活者の思考とニーズを把握することを目的に、日本国内全域の20歳以上の男女を対象にインターネットを活用して実施。将来の住まいに対する考えや生活者のニーズ、安心して居住または住宅の購入や売却する為の基礎知識の実態などを調査結果としてまとめております。

調査結果サマリ


  • 将来の住まいは「都市部」が59.0%、「地方」が41.0%。都市部が地方を上回る
  • 二地域居住については23.9%が「是非やりたい」 「可能ならやりたい」と回答
  • 「田園回帰」は「仕事や収入などの課題解決の施策が必要」と考える人が多数
  • 半数以上がリノベーション物件に前向き
  • 空き家問題に対して「賃貸や売却物件として活用してほしい」が52.9%で最多
  • 今後インスペクションを利用する可能性は「是非したい」10.3%にとどまった
  • IoT住宅の本格普及の予想は「10年後」が34.3%で最多
  • IoT住宅の「防犯カメラやインターフォンなどセキュリティ」を魅力に感じる人が54.3%

調査結果


Q1 あなたのお住まいの環境で、最も重視するものは何ですか。(1つ選択)

■「買い物施設や病院など利便施設の充実」38.5%
■「通勤のしやすさ」18.8%/「治安」17.1%

◆ 住環境で最も重視するものについて、「買い物施設や病院など利便施設の充実」が38.5%と最も多く挙
げられ次いで「通勤のしやすさ」が18.8%、 「治安」が17.1%となっている。
◆ 「買い物施設や病院など利便施設の充実」は年代が上がるにつれ重視する傾向が強くなる。
◆ 「通勤のしやすさ」は若い年代ほど強い傾向にあり、1人暮らしの居住者が他の居住形態と比べて特に重視している結果となった。

Q2 あなたは将来、都市部と地方のどちらに住みたいですか。(1つ選択)

■「都市部」が59.0%/「地方」41.0%
■20代と3世帯以上居住者のみ「地方」が多数派

◆ 将来、都市部と地方のどちらに住みたいかについて、「都市部」が59.0%、「地方」が41.0%、とやや都市部が多い結果となった。
◆ 性別による差異は見られなかったが、属性別にみると、20代が2.8ポイント、3世帯以上が18.6ポイント「地方」が「都市部」を上回った。

※Q2で都市部と答えた方のみ
Q3 平日は都市部、週末は地方で暮らすスタイルの二地域居住(週末移住)についてどう思いま
すか。
(1つ選択)

■「都市部に住み続けたい」39.9%
■「興味はあるが、困難だと思う」35.2%/「可能ならやりたい」18.4%

◆ 平日は都市部、週末は地方で暮らすスタイルの二地域居住(週末移住)について、「都市部に住み続けたい」が39.9%と最も多く挙げられ次いで「興味はあるが、困難だと思う」が35.2%、 「可能ならやりたい」が18.4%となっている。
◆ Q2で将来的に都市部に住みたいと回答した中でも、二地域居住については関心が高いようで、約四分の一が「可能ならやりたい」、「是非やりたい」と回答している。特に20代の関心が高く、「可能ならやりたい」、「是非やりたい」の割合が他の年代と比べて高かった。

※Q2で地方と答えた方のみ
Q4 将来地方に住むとしたら、あなたはどれに該当しますか。(1つ選択)

■「現在も地方暮らしで、ずっと住み続けたい」が61.4%
■「現在も地方だけど、別の地方に移住したい」15.8%/「Uターン」12.8%

◆ 「現在も地方暮らしで、ずっと住み続けたい」が61.4%と最も多く挙げられ、次いで「現在も地方だけど、別の地方に移住したい」が15.8%、 「Uターン」が12.8%となった。
◆ 若い年代ほど定住志向の傾向は薄く、性別では女性のほうが「別の地方への興味」がうかがえる結果となった。

※Q2で地方と答えた方のみ
Q5 「田園回帰」について、どう思いますか。(3つまで選択可)

■「仕事や収入などの課題解決の施策が必要」が44.0%
■「地方創生のために、推進していくべきだと思う」24.0%

◆ 「仕事や収入などの課題解決の施策が必要」が44.0%と最も多く挙げられ、生活を維持していくための経済面の課題が最も重要という結果となった。
◆ 33.5%が「興味がない」と回答しているが、全体的には推進することに前向きであり、課題が解決されることで、田園回帰への流れができていく可能性があるように見受けられる。

Q6 住宅売買または賃貸の際に、実際にリノベーションに関する検討をしたことがありますか。
(1つ選択)

■「興味がない」34.9%
■「ない」30.8%/「ないけど興味がある」25.1%

◆ 「ある」と答えたのは9.2%と1割に満たなかったが、約四分の一にあたる25.1%が「ないけど興味はある」と回答。
◆ 半数以上は「ない」あるいは「興味がない」と回答しており、まだまだ普及はしていない現状。
◆ 女性よりも男性の方が検討したことがある割合が高い結果となっている

Q7 住居を選ぶ際にリノベーション済みの戸建てやマンション、アパートへの抵抗はありますか。(1つ選択)

■ 「全く抵抗ない」27.6%/ 「少し抵抗はあるが、検討できる」35.7%
■「できれば検討したくない」22.3%

◆ 「全く抵抗がない」が27.6%、「少し抵抗はあるが、検討できる」が35.7%と半数以上が抵抗がないことがわかった。
◆ 年代別では特に20代、40代がリノベーション済みの物件に対して前向きである一方で、30代は「絶対に検討したくない割合が16.6%と全年代で最も高かった。
◆ 居住区分では、一人暮らしが最も「全く抵抗ない」の割合が高かった。

Q8 空き家問題についてどう思いますか。当てはまるものをすべてお選びください。
(複数選択可)

■「賃貸や売却物件として活用して欲しい」52.9%
■「取り壊して更地にし、土地活用して欲しい」38.3%
■「店舗や民泊活用などで地域の活性化に役立てて欲しい」34.9%

◆ 「賃貸や売却物件として活用して欲しい」が52.9%と最も多く挙げられ、次いで「取り壊して更地にし、土地活用して欲しい」が38.3%、 「店舗や民泊活用などで地域の活性化に役立てて欲しい」が34.9%となっており、具体的な活用ニーズがわかった。
◆ 年代別では「企業などビジネスで活用して欲しい」は若い世代ほど高くなる傾向がみられた。

Q9 「空き家バンク」をご存知ですか。(1つ選択)

■「知っている」11.9%
■「聞いたことあるが、詳しく知らない」25.3%/「名前だけ聞いたことがある」19.9%

◆ 「知っている」と答えたのは11.9%にとどまり、「知らない」が42.9%と最も多く挙げられ、次いで「聞いたことあるが、詳しく知らない」が25.3%、「名前だけ聞いたことがある」が19.9%。
◆ 「知っている」と答えた20代は15.3%、30代は14.0%と他の年代よりも割合が高くなっている。
◆ 一人暮らしは「知らない」が48.0%で全体の結果を上回った。

Q10 「空き家バンク」について、どのように思いますか。最もあてはまるものをお選びください。(1つ選択)

■「もっと情報発信して欲しい」32.5%
■「もっとメリットを充実させて欲しい」31.7%
■「不動産業者が関与して、安心できる物件を登録して欲しい」25.0%

◆ 「もっと情報発信して欲しい」が32.5%と最も多く挙げられ、次いで「もっとメリットを充実させて欲しい」が31.7%、「不動産業者が関与して、安心できる物件を登録して欲しい」が25.0%となっている。「空き家バンク」の認知度が低い一方で、空き家問題に対する課題意識が高いことがうかがえる。
◆ 年代別では「もっと情報発信して欲しい」は60代以上が高い傾向がみられる。

Q11 「空き家バンク」について、将来住まいとして検討したいと思いますか。(1つ選択)

■「是非検討したい」5.5%/ 「検討しても良い」24.8%
■「検討しない」29.0%

◆ 空き家バンクの将来的な利用について「是非検討したい」と答えたのは5.5%にとどまり、「検討してもよい」と答えたのは24.8%。全体の約3割が前向きな回答となった。
◆ 年代別でみると「是非検討したい」 、「検討しても良い」と答えているのは若い世代ほど高い傾向。
◆ 「検討しない」は年代があがるにつれ割合が高く、活用は若い世代からになると思われる。

Q12 既存住宅売買の際のインスペクションが注目されています。インスペクションによって、
どのような効果があると思いますか。最も効果があると思うものをお選びください。
(1つ選択)

■「安心して住み続けるための診断ができる」33.7%
■「リフォームの必要性や、規模を確認することができる」24.5%
■「安心して売買ができる」23.0%

◆ 「安心して住み続けるための診断ができる」が最も多く挙げられ、特に20代、70代以上では4割を超えている。
◆ 「リフォームの必要性や、規模を確認することができる」は年代が上がるにつれ高い傾向にあり、リフォームにあたっての具体的な検討に活用されやすいと思われる。

Q13 今後インスペクションを利用する可能性はありますか。(1つ選択)

■「是非したい」10.3%
■「利用しない」28.4%/「まだ分からない」61.3%

◆ 今後インスペクションを利用する可能性について、「是非したい」と回答したのは10.3%にとどまった。
若い年代ほど前向きであり、年代が高いほど利用には後ろ向きであることがわかった。
◆ 「まだ分からない」が61.3%と最も多く、制度自体の具体的な利用イメージができていない可能性。

Q14 2018年4月にスタートした「安心R住宅」制度の導入により、どのような効果があると思いますか。最も効果があると思うものをお選びください。(1つ選択)

■「基礎的な品質が保証され安心」27.2%
■「安心して安く購入でき、将来の住み替えなど検討しやすい」24.8%
■「リフォームによりきれいな中古物件が増える」23.5%

◆ 「基礎的な品質が保証され安心」が27.2%と最も多く挙げられ、次いで「安心して安く購入でき、将来の住み替えなど検討しやすい」が24.8%と、ともに安心材料となることがわかった。
◆ 「リフォームによりきれいな中古物件が増える」が23.5%と期待もみてとれる。

Q15 もし既存住宅を購入するとしたら「安心R住宅」表記の物件を選びたいと思いますか。
(1つ選択)

■ 「思う」37.8%/「思わない」20.2%
■ 「どちらでも良い」42.0%

◆ 「思う」と答えたのは37.8%と約4割にとどまった。年代が上がるにつれその傾向が強くなっている。
◆ 「どちらでも良い」が42.0%と最も多かった。
まだ安心R住宅に対する理解が不足しているものと思われる。

Q16 長期優良住宅化リフォーム減税を知っていますか。(1つ選択)

■「知っている」7.7%
■「聞いたことはあるが内容は知らない」19.0%
■「聞いたことはないが興味がある」17.0%

◆ 「知っている」と回答したのは7.7%にとどまり、「聞いたことはあるが内容は知らない」は19.0%と制度自体の理解がまだ不足している結果となった。
◆ 男女別では比較的男性の方が理解と興味関心が高い結果となった。

Q17 IoT住宅において、どのような仕組みやジャンルに魅力を感じますか。(複数選択可)

■「防犯カメラやインターフォンなどセキュリティ」54.3%
■「太陽光発電や蓄電池などのエネルギーの制御やコントロール」36.5%
■「玄関ドアや窓、シャッターの遠隔操作」33.8%

◆ 「防犯カメラやインターフォンなどセキュリティ」が54.3%と最も多く挙げられ、次いで「太陽光発電や蓄電池などのエネルギーの制御やコントロール」が36.5%、 「玄関ドアや窓、シャッターの遠隔操作」が33.8%となっている。
◆ 年代別では「防犯カメラやインターフォンなどセキュリティ」は20代を除いて年代があがるにつれ、高くなっている。「スマートフォンやスマートスピーカーによる室内設備や家電の遠隔操作」は若い世代程高くなっている。

Q18 IoT住宅は、何年後主流になると思いますか。(1つ選択)

■最多は「10年後」34.3%
■「主流にならない」26.0%

◆ 「10年後」が34.3%と最も多く挙げられ、次いで「5年後」17.9%、「20年後」10.3%と続く。
まだ主流になるのは早いとの見方が多数と見受けられる。
◆ 「主流にならない」は26.0%で、70代以上と一人暮らしがもっとも高くなっている。

Q19 安全な不動産取引ができるお店の証、ハトマークを知っていますか。(1つ選択)

■「見たこともあるし不動産店の信頼の目印であることも知っている」24.8%

◆ 「見たこともあるし不動産店の信頼の目印であることも知っている」が24.8%と約四分の一。
◆ 「見たことがあるが何のマークか知らない」が29.8%と合わせて半数以上はハトマークを認知している。
◆ 最も認知が高いのは40代で28.8%、20代は14.8%にとどまっている。

調査概要


住まい方の意識トレンド調査
・調査期間:2019年1月24日〜1月28日
・調査放送:インターネット調査
・調査対象:日本国内全域の20歳以上の男女
・有効回答数:2,400件

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[全国宅地建物取引業協会連合会]
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