就活生に聞いた「ブラック企業/ホワイト企業」への考え調査 

2019年03月26日

ディスコは、2019年3月卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)および2020年3月卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)を対象に、「ブラック企業」と「ホワイト企業」についての考えを尋ねました。(調査期間:2019年2月8日~14日、回答数1500人)

売り手市場が続く新卒採用マーケットにおいて、少しでも学生に関心を持ってもらおうと自社の「働きやすさ」を押し出す企業が増えている。一方で、大学生の就職先選びの視点も働きやすさを意識したものへと変化している。労働環境に敏感と言われる若い世代が、就職活動を進める上で「ブラック企業」あるいは「ホワイト企業」をどう捉えているのかを就職活動を終え今春の入社を控えた大学4年生と、就職活動を始めたばかりの大学3年生それぞれに調査を行いました。

調査結果


[1] 「ブラック企業」「ホワイト企業」への意識

就職活動の企業選びで、ブラック企業やホワイト企業を意識する学生の割合を調査した。
まず「ブラック企業を気にする」という学生は、就職活動を終えた 2019 年卒者で 85.6%、現在就活中の 2020 年卒者では 9 割以上(91.1%)に上る。
「ホワイト企業」についてはそれぞれ半数程度だった。
「ブラック企業」を警戒しながら就活を進める学生の姿が浮かび上がる。

[2] 「ブラック企業」の調べ方

就職活動で「ブラック企業かどうか」を調べた経験を持つ学生は約 8 割(19 年卒で計 82.1%、20年卒で計 79.7%)。20 年卒は「必ず調べている」の割合が 23.6%で 19 年卒(21.3%)より多く、ブラック企業への警戒感の強さが感じ取れる。また、20 年卒は「調べたことはない」という回答が 2 割あるが(20.3%)、今後就職活動が本格化するにつれ、ブラック企業かどうかを調べる学生は増えていくと見られる。

調べ方で最も多いのは「クチコミサイト」で、約 9 割に上る(19 年卒 92.0%、20 年卒 89.3%)。次いで「就職情報サイトで企業情報を確認」が続く。就職活動を終えた 19 年卒は「社員の様子から察する」が 4 割超で 3 位だった(41.1%)。

[3] 「ブラック企業」だと思う条件

「ブラック企業」だと思う項目をすべて選んでもらった。最多は「残業代が支払われない」で 8 割近くが選択した(19 年卒で 77.9%、20 年卒で 78.0%)。これに「給与が低すぎる」が続き、報酬に対してシビアに考えている様子がうかがえる。
働き方改革で注目される労働時間に関しては「残業が多い」がそれぞれ 6 割強、「有給休暇を取りづらい風土がある」が 6 割前後と多い。また、「セクハラ、パワハラがある」がともに 6 割を超えており、ハラスメントに対する問題意識も高いことがわかる。

[4] 就職活動で「ブラック企業」を疑った企業の態度や様子

就職活動を終えた 19 年卒者に、就職活動(企業の採用活動)を通じて、どんな態度や様子の企業を「ブラック企業ではないか」と感じたかを尋ねた。
最も多かったのは「社員が疲れている」で 46.8%。「社員がギラギラしている」(24.5%)の 2 倍近くに上った。2 番目に多いのは「企業規模の割に大量採用」で 41.2%。早期離職者が多いのではと疑念を持つようだ。次いで多いのは「圧迫面接」(38.0%)。面接での態度は社風にも通じると判断しているのだろう。直に接点を持つ採用担当者や社員の態度を、その企業の「社風」と捉える傾向が読み取れる。

[5] 入社後にブラック企業だとわかったら

もし入社した企業がブラック企業だとわかった場合に、どうすると思うかを尋ねてみた。19 年卒・20 年卒ともに最多は「1 年は様子を見る(我慢する)」でおよそ 4 人に 1 人の割合。「すぐに辞める」は 1 割程度だったが、半年以内に見切りをつけるという回答を合わせると、それぞれ過半数に達した(19 年卒は計 58.7%、20 年卒は計 51.6%)。

では、どんな条件ならブラック企業でも働き続けられると思うかを尋ねてみた。19 年卒・20 年卒とも最多は「給与・報酬が高い」で 7 割前後が挙げた。きつくてもお金をたくさんもらえるなら我慢できると考えているようだ。「ブラック企業だと思う条件」(3 ページ)にも通ずるところがある。
次いで「職場の人間関係が良い」が続く。働き続けるのに大切な要素と捉えていることが読み取れる。「高いスキルが身につく」が 3 番目に多いが、これは高スキルを武器により条件のよい企業に転職しようということだろう。
一方で、「どんな条件でも無理」が 19 年卒で 13.2%、20 年卒で 8.3%おり、上記の「ブラック企業だとわかったらすぐに辞める」に繋がっていくのだろう。

[6] 「ホワイト企業」だと思う条件

ホワイト企業を気にする学生は半数程度だったが(1 ページ)、「ホワイト企業かどうか」を調べた経験を持つのは、19 年卒で計 56.0%、20 年卒では計 61.3%に上る。
ホワイトの条件の TOP3 は「有給休暇を取りやすい風土がある」「福利厚生が充実している」「離職率が低い」。ブラック企業の条件では「残業代が支払われない」「給与が低すぎる」が上位項目だったが、ホワイト企業の条件では、「働きやすく、長く続けられるか」により注目する傾向が読み取れる。

調査概要


■2019年卒者
調査対象 : 2019年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)
回答者数 : 750人(文系男子221人、文系女子220人、理系男子200人、理系女子109人)
サンプリング : キャリタス就活2019 学生モニター

■2020年卒者
調査対象 : 2020年3月に卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)
回答者数 : 750人(文系男子285人、文系女子192人、理系男子193人、理系女子80人)
サンプリング : キャリタス就活2020 学生モニター

調査期間 : 2019年2月8日~14日
調査方法 : インターネット調査法

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