第11回「企業の広報活動に関する意識実態調査」 

2012年03月23日
経済広報センターは、1980年より3年ごとに「企業の広報活動に関する意識実態調査」を実施しています。2011年11月から12月にかけて、その第11回調査を実施。企業を取り巻く環境の変化にともない、広報活動に関する企業の意識や実態がどのように変化しているかを浮き彫りにし、今後の広報活動に関する指針を得ることを目的としています。

【調査結果(要点)】

・広報部門の業務量は大きく増加、人員は増加傾向、予算は減少傾向

・約3分の1の企業でソーシャルメディアを活用

・中国・東南アジアの重視が大きく高まる

・震災を機に、危機管理への重要性が更に高まる


【調査結果の概要】

1.広報部門の業務量は大きく増加、人員は増加傾向、予算は減少傾向

広報部門全体の業務量は、前年度に比べて、「増加」が51.3%、「横這い」が45.3%、「減少」が3.0%と増加傾向が見られ、前回調査(2008年)と比較してもその割合に大きな変化は見られず、依然として業務量の増加傾向が続いている。
 業務量が増加した理由は、「2011年3月の東日本大震災発生における関連業務(報道対応・お客さま対応・節電対応)」であった。
また、当災害に関連して「危機管理業務」なども増加した業務としてあがった。また、「グローバル広報の強化」や「組織改編・機能移管による業務範囲の拡大」「グループ広報業務の強化」なども業務量増加の理由として多かった。
 業務量の増大に伴い、広報部門の担当者数は、前年度に比べ「増加」が23.9%、横這い62.4%、減少13.7%であり、前回調査と同様に増加傾向が見られるが、予算の増減を見ると、「増加」が13.2%、「横這い」が56.0%、「減少」が29.5%であった。

2.約3分の1の企業でソーシャルメディアを活用

インターネットの普及により、96.6%の企業が自社ウェブサイトを開設し、広報活動の主要ツールとして活用している。ソーシャルメディアの活用については、「活用している」と回答したのは33.8%、約3分の1の企業であった。
 ソーシャルメディアを活用している企業が利用しているソーシャルメディアは「ツイッター」(64.6%)が最も多く、続いて「フェイスブック」(57.0%)であった。「営業部門」(32.9%)、「広報部門」(29.1%)などが中心となり、顧客とのコミュニケーションや自社製品・商品の情報発信ツールとしてソーシャルメディアを活用している。
 ブログ・掲示板・ツイッターなどの自社話題の確認については、「定期的に確認をしている」(32.9%)、「定期的にではないが確認をしている」(44.0%)と、8割弱の企業で、何らかの確認を行っていることが分かった。

3.中国・東南アジアの重視が大きく高まる

広報活動が必要な海外の関係会社、支社を持つ企業は全体の52.1%であり、そのうち現地専任広報担当者が「いる」のは49.2%であった。海外の現地で使われているメディアとして最も多かったのは、「新聞」(69.7%)であり、「インターネット」(60.7%)、「雑誌」(56.6%)と続いた。
 今後、海外広報活動を重視する地域について「中国」(75.4%)、「東南アジア(アセアン)」(66.4%)、「北米」(54.1%)、「欧州」(41.0%)の順で回答が多い。前回調査(2008年)と比較すると、すべての地域への注目が高まっており、特に「中国」「東南アジア(アセアン)」を重視する企業が大幅に増加している。

4.震災を機に、危機管理への重要性が更に高まる

消費者やマスコミの企業活動への監視の目が厳しくなり、インターネットやソーシャルメディアの普及により匿名性の高い情報が瞬時に共有されるようになった。
 企業の危機管理に関する状況は一段と厳しくなっており、危機における対応次第で、その企業の存続を危うくするなど、危機管理の重要性が増している。さらに東日本大震災を受け、ガバナンス面だけではなく災害対応を含めた危機管理体制がより強く求められるようになった。
 今回の調査においても、前々回(2005年)、前回調査(2008年)同様に広報部門で危機管理について何らかの取り組みを行っている企業は全体の9割を超える。具体的な内容としては、「広報部門が社内の危機管理委員会のメンバーになっている」(70.5%)、「広報部門に「危機管理マニュアル」がある」(67.5%)、「広報部門スタッフが危機管理に関する勉強会に参加」(65.4%)である。「広報部門に「危機管理マニュアル」がある」(67.5%)、「トップ・役員へのメディアトレーニングを実施」(38.9%)は前回調査(2008年)と比べ10ポイント以上増えている。


【調査概要】
・調査対象:経済広報センター、経団連の主要会員企業の広報担当責任者を対象に実施。
・調査期間: 2011年11月22日~12月22日
・有効回答数: 234社 (発送数:533社、回収率43.9%)
・調査方法: 郵送調査

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[経済広報センター]
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