第15回 生活者の“企業観”に関する調査 

2012年03月12日
経済広報センターは、2011年12月、全国の「eネット社会広聴会員」(3,145人)に「第15回 生活者の“企業観”に関する調査」を実施した。これは1997年度以来、社会が企業をどのように見ているかを毎年、いわば“定点観測”している調査である。

【調査結果(要点)】

企業に対する信頼度は「信頼できる(信頼できる/ある程度)」が43%
昨年度(2010年度)の同評価は51%で、この1年間で8ポイント低下した。
なお、「信頼できない(あまり/信頼できない)」は15%で、昨年度より4ポイント高くなっている。
 
企業が信頼を勝ち得るために重要なのは、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が86%
 
将来性を感じる企業は、「技術力・研究開発力がある」が69%
また、「学生」が「グローバルな事業展開に優れている」(49%)、「社会貢献活動(CSR活動、環境への取り組みなど)に力を入れている」(41%)に将来性を感じる割合が、ほかの職業に比べて高くなっている。

なお、調査対象は、全国4,054人の「社会広聴会員」の中で、インターネットで回答可能なeネット社会広聴会員(3,145人)が対象。有効回答数は、2,010人(有効回答数:63.9%)、調査期間は、2011年12月8日~12月19日。

【調査結果の概要】

1.企業が果たす役割・責任で非常に重要なのは「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」こと
 企業の果たす役割や責任について聞いたところ、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が「非常に重要である」が81%で、最も多い。次いで、「不測の事態が発生した際に的確な対応を取る」(63%)、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(56%)となっている。

2.企業に対する信頼度は「信頼できる(信頼できる/ある程度)」が43%で昨年度より8ポイント低下
 生活者の企業活動に対する信頼度は、「信頼できる」(2%)と「ある程度信頼できる」(41%)を合わせた肯定的な評価が43%となり、昨年度(2010年度)の51%を8ポイント下回っている。
 一方、「あまり信頼できない」(14%)、「信頼できない」(1%)を合わせた否定的な評価は15%で、昨年度より4ポイント高くなっている。

3.企業が信頼を勝ち得るために重要なのは、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が86%
 企業が、社会からの信頼を今後さらに勝ち得ていくためには、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が86%で最も高い。次いで、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(51%)、「経営の透明性を確保し、情報公開を徹底する」(48%)となっている。「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」は昨年度から5ポイント、「経営の透明性を確保し、情報公開を徹底する」は13ポイント高く、昨年度2位だった「雇用を維持・創出する」(44%)を抜いて上位にきている。また、「不測の事態が発生した際に的確な対応を取る」(43%)は、昨年度より6ポイント高くなっている。

4.企業を評価する際、最も信用度が高いのは、企業が発信した情報(企業のホームページ、CSRレポートなど)
 企業を評価する際の情報について、発信者ごとに信用度を聞いたところ、最も信用度が高いのは、「企業からの発信(企業のホームページ、CSRレポートなど)」で「信用する」(7%)と「ある程度信用する」(71%)を合わせた評価は78%に上っている。

5.企業からの発信で不足している情報は、「不良品や不祥事に関する情報」が57%で最多
 企業からの発信で不足している情報は、「不良品や不祥事に関する情報」で57%と最も多い。次いで、「企業の社会的責任に関する方針・行動指針に関する情報」(38%)、「企業理念やビジョンなど、経営の考え方に関する情報」(37%)となっている。

6.情報公開に積極的な企業は、「お客様相談窓口などで、直接対話ができる」が59%
 情報公開に積極的な企業は、「お客様相談窓口などで、直接対話ができる」が59%、次いで、「ホームページ上で情報を公開している」(55%)、「経営者自らが会見したり、マスコミのインタビューに応じている」(54%)となっており、すべての世代で上位3位を占め、ほかを引き離している。一方で、「ソーシャルメディア(ツイッター、フェイスブック、ミクシィなど)を活用して情報を公開している」は7%にとどまっている。

7.商品やサービスを購入する際、「商品・サービスの質を優先して購入を決める」が85%
 商品・サービスを購入する際、何を重視して決めるのかは、「商品・サービスの質を優先して購入を決める」が85%と突出し、前回調査(2010年度)、前々回調査(2007年度)同様、多くの生活者が重視していることが分かる。前回調査からポイントが高くなっているのは、「不祥事を起こしていない企業の商品・サービスを優先して購入を決める」(2011年度27%、2010年度21%)、「環境に配慮している企業の商品・サービスを優先して購入を決める」(2011年度26%、2010年度22%)、「社会的責任を果たしている企業の商品・サービスを優先して決める」(2011年度20%、2010年度17%)の3項目である。

8.購入した商品やサービスに問題があるとき、「企業のお客様相談窓口(電話・ホームページなど)に連絡する」が88%
 購入した商品やサービスに問題があると感じたとき、「企業のお客様相談窓口(電話・ホームページなど)に連絡する」が88%、「購入した店舗に連絡する、直接店舗に行く」が76%、「インターネットで製品やサービスの評判を検索・調査する」が41%となっている。それ以外の項目は、2割にも及ばず、昨年度とほぼ同様の結果となっている。

9.将来性を感じる企業は、「技術力・研究開発力がある」が69%
 昨年度、自分自身や家族が就職する場合に、どのような企業を選ぶ、または勧めるかを聞いたところ、「企業の規模に関係なく将来性がある」が73%で突出していた。そこで、今回調査では、どのような企業に将来性を感じるかを聞いたところ、「技術力・研究開発力がある」が69%、「優れた商品・サービスを提供している」が64%、「財務内容が安定している」が50%となり、すべての世代ともこの3項目が上位を占めている。
 一方、「学生」が「グローバルな事業展開に優れている」(49%)、「社会貢献活動(CSR活動、環境への取り組みなど)に力を入れている」(41%)に将来性を感じる割合が、ほかの職業に比べて高くなっている。

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[経済広報センター]
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