イマドキ男子の「父親願望度」調査 

2014年04月24日
オウチーノ総研は、20~29歳の未婚男性と 30~69歳の男性(未婚・既婚問わず)計1,380名に「『父親』に関するアンケート調査」を行った。

まず、20代・未婚男性に「あなたは将来、父親になりたいと思っていますか?」と聞いたところ、「なりたい」もしくは「どちらかというとなりたい」と回答したのは 40.5%だった。一方、30~60 代男性に、「あなたが 20 代・未婚の頃、父親になりたいと思っていましたか?」と聞いたところ、50~60 代は過半数が「なりたい」もしくは「どちらかというとなりたい」と思っていたと回答した。また、父親願望がある、もしくはあった理由を問うと、20 代・未婚と 30 代は「子どもが欲しいから」や「子どもが好きだから」といった回答が多かったのに対し、40~60 代は「父親になることが自然だと思っていた」という回答が最も多かった。

【調査結果】

1. 20 代・未婚男性のうち、「父親願望」を持っているのは 40.5%

はじめに、20 代・未婚男性に「あなたは、将来父親になりたいと思っていますか?」という質問をした。結果、「なりたい」と回答したのは 26.6%、「どちらかというとなりたい」が 13.9%、「どちらでもない」が 31.3%、「どちらかというとなりたくない」が 5.6%、「なりたくない」が 22.6%だった。
「なりたい」「どちらかというとなりたい」と回答した人にその理由を聞いてみると、最も多かったのは「子どもが欲しいから」(24 歳)だった。次に多かったのが「子どもが好きだから」(22 歳)、その次に「子どもを育てたいから」(28 歳)と「自然な事だから」(22 歳)が続いた。
一方、「なりたくない」「どちらかというとなりたくない」と回答した人の理由として最も多かったのは、「父親の責任を全うできると思えないから」(27 歳)や「自信がないから」(28 歳)など、「自分が父親になれると思えない」という意見だった。次に多かったのが「結婚するつもりがないから」(26 歳)、そして三番目に多かったのが、「経済的に難しいから」(28 歳)だった。

「どちらでもない」と回答した人の理由は、「想像ができないから」(26 歳)という意見が最も多く、次に「結婚するような相手もいないから」(23 歳)や「まだ結婚を考えたくないから」(27 歳)など、「結婚していないから」「結婚したくないから」といった意見が続いた。
20 代・未婚男性のうち、父親になりたいと思っているのは約 4 割で、残りの約 6 割は父親願望を持っていないことが分かった。

2. 40~60 代男性が 20 代・未婚の頃、父親になることは「自然なこと」だった

次に、30~60 代男性に「あなたが 20 代・未婚の頃、父親になりたいと思っていましたか?」という質問をした。
結果、「なりたい」もしくは「どちらかというとなりたい」と思っていたと回答したのは、30 代が 48.0%、40 代が 47.5%、50 代が 52.1%、60 代は 57.5%だった。現在の 20 代・未婚男性が 40.5%だったのに対し、50 代、60 代は過半数が 20 代・未婚の頃、「父親になりたいと思っていた」と回答した。
父親に「なりたい」「どちらかというとなりたい」と回答した 20 代・未婚男性と、20 代・未婚の頃父親に「なりたい」「どちらかというとなりたい」と思っていたと回答した 30 代男性は、その理由として「子どもが欲しいから」「子どもが好きだから」を挙げた人が多かった。それに対して 40~60 代は「一般的にそうだったから」(43 歳)、「漠然とはしていたが、子どもを作り家庭を持つことが当然だと思っていたから」(66 歳)など、「結婚して父親になることが自然だと思っていた」という回答が最も多かった。
1990 年時点での日本人の生涯未婚率(50 歳時の未婚率)は男性が約 5%、女性が約 4%だった。それが 20 年後の 2010 年には男性が約 20%、女性が約 10%にまで上昇している。また、合計特殊出生率も、1992 年時点では 1.50 だったのに対し、その 20 年後の 2012 年には 1.41 に減少(※2)。40~60 代の男性が 20 代・未婚だった頃の日本に比べると、結婚することや父親になることがより一般的でなくなってきている、という世相が今回のアンケート結果にも反映されていると言えよう。
 
ちなみに、20 代・未婚の頃父親願望があった人/なかった人の現在を見てみると、既婚率に違いが見られた。20 代・未婚の頃父親願望があった人の既婚率は、30 代が 52.8%、40 代が 72.4%、50 代が 93.9%、60 代が 93.7%だったのに対し、父親願望がなかった人の既婚率は、30 代が 27.0%、40 代が 52.6%、50 代が 68.9%、60 代が 85.1%だった。20 代・未婚の頃父親願望があった人/なかった人では、30~50 代の既婚率に約 20~25%の開きがあった。さらに、20 代・未婚の頃父親願望があった人で、現在父親になっているのは 30 代が 46.2%、40 代が 62.9%、50 代が 87.8%、60 代が89.0%であるのに対し、父親願望がなかった人で、現在父親になっているのは 30 代が 21.7%、40 代が 35.3%、50 代が52.8%、60 代が 73.4%と、こちらも既婚率と同じく差が生じる結果となった。

3. 20 代・未婚の頃は父親願望がなかった人も、50~60 代の約半数は「後に父親になりたいと思うようになった」と回答

最後に、20 代・未婚の頃、父親に「なりたくない」「どちらかというとなりたくない」と思っていたと回答した 30~60 代男性に、後に何かしらのきっかけで父親になりたいと思うようになったか、聞いてみた。結果、「あった」と回答した人は 30 代が 25.2%、40 代が 30.2%、50 代が46.2%、60 代が 48.9%だった。
父親になりたいと思うようになったきっかけを聞くと、30 代は「年を重ねるなかで」が最も多く、次に多かったのが「友だちの子どもを見て」だった。40 代は「結婚をして」が最も多く、「子どもができて」が次に多かった。50~60 代は「結婚をして」が最も多く、「年を重ねるなかで」が次に多かった。
今の 30~60 代が 20 代・未婚の頃、父親に「なりたくない」「どちらかというとなりたくない」と思っていた理由として全年代で最も多かったのが、「自分が父親になる自信がなかったから」(33 歳)や「責任の重さに躊躇していたから」(50 歳)といった意見だった。
50~60 代は、20 代・未婚の頃父親願望がなかった人でも、約半数が後に父親願望を持つようになったことが分かった。それに対して 30 代は父親願望を持つようになったと回答したのはわずか 25.2%。50~
60 代の多くが「結婚をして父親になりたいと思うようになった」と回答していることから、30 代の父親願望も、今後結婚などを通して変化していくことが考えられる。20 代・未婚男性のなかには、父親になることに対して自信がなかったり、そもそも父親になることがイメージできない、という人も多かった。しかしそういった考えも、年を重ねたり、結婚といった人生の大きな決断をしていくなかで、変化していくもののようだ。


【調査概要】
有効回答 20~29 歳の未婚男性と 30~69 歳の男性(未婚・既婚問わず) 計 1,380 名
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2014 年 4 月 11 日(金)~4 月 12 日(土)

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[オウチーノ総研]
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