「結婚」に関する調査 

2014年07月10日
明治安田生活福祉研究所は、全国の 20歳~49歳の男女 3,616 人を対象に、「結婚」をテーマとする調査を実施。

【調査結果】

■ 理想の結婚相手を有名人に例えると

◇20~40 代回答者の総合ランキング トップは、里田まいさん、つるの剛士さん
◇30 代では、松嶋菜々子さん・上戸彩さん・菅野美穂さん、つるの剛士さん
 40 代では、山口百恵さん、三浦友和さん・仲村トオルさん

■ 未婚女性が結婚相手に求める最低年収

◇30 代未婚女性の 65.5%が結婚相手に年収 400 万円以上を求める
・未婚女性が結婚相手に求める最低年収について訊ねました。希望年収を「400 万円以上」としているのは、20 代で 57.1%、30 代では 65.5%となっています。学生も含まれている 20 代と異なり、自分自身で生計を立てている人が大半の 30 代になると、相手に求める年収のハードルも上がるのかもしれません。

■ 未婚男性の年収

◇30 代未婚男性で年収 400 万円以上は 26.7%
・女性が結婚相手に希望する年収水準に対して、男性の年収の実態はどうなのでしょうか。
・未婚男性に年収を訊ねたところ、「400 万円以上」は、20 代で 11.7%、30 代で 26.7%にとどまり、一方、「300 万円未満」の割合が、20 代で 65.5%、30 代で 45.4%にものぼります。女性が結婚相手に求める年収と、実際の男性の年収とはかなり開きがあるという厳しい現実が見えてきます。

■ 結婚相手として重視したい条件

◇男性は「優しさ」「価値観が合う」「浮気をしない」「趣味が合う」「出産に前向き」を求め女性は「価値観が合う」「優しさ」「行動力・決断力」「浮気をしない」「年収・経済力」を重視
・20・30 代の未婚男女に結婚相手の条件について訊ねました。
・15 項目の条件について「あてはまる」「ややあてはまる」と回答があった割合で見ると、男性が重視する上位は、「優しさ」「価値観が合う」「浮気をしない」「趣味が合う」「子どもを産むことに前向き」で、女性の上位は、「価値観が合う」「優しさ」「行動力・決断力がある」「浮気をしない」「相手の年収・経済力」でした。

◇女性が結婚相手に求めるハードルは多い?
・「容姿や身長」を除く 14 項目で女性の割合が男性を上回り、また、女性は8項目で 60%を超えているのに対し、男性では3項目のみが 60%超でした。女性のほうが相手に求めるハードルが多いようです。さらに、「相手の年収・経済力」「相手の仕事の内容・会社」「相手の親と同居しなくてよい」などの項目では 30 ポイント以上女性が上回るなど、女性は結婚生活をしっかり考えて結婚相手の条件をシビアに捉えている様子がうかがえます。

◇半数の女性が「結婚には女性の稼ぎ力も大事」と考えている
・「結婚には、女性の『稼ぎ力』も大事だと思う」の割合は男性より女性がかなり高く、決して男性の経済力のみを頼りとせず、結婚後も自分の仕事の継続を考えている様子もうかがえます。
・また、男女ともほぼ3人に1人は「再婚でも良い」と考えており、女性では7人に1人は「国際結婚が
良い」と考えています。面白い点としては、男性の 43%が行動力・決断力がある女性が良いと回答しており、自立した女性を求める若い男性も多いことがわかりました。

■ 「結婚したい」割合

◇20・30 代 -「結婚したい」割合は、女性が男性を大きく上回る
・結婚願望がある人(「できるだけ早く結婚したい」+「いずれ結婚したい」+「結婚したいと思うが、結婚しないと思う」)は、20 代では男性 70.5%、女性 86.4%、30 代では男性63.5%、女性 73.2%と、いずれも女性が大きく上回っています。

◇年齢とともに「結婚したい」割合が低下
・年齢が上がるにつれ結婚したいという割合は低下しています。特に女性の 30 代後半や 40代前半で大きく低下しています。この年代になると、家事・育児にとらわれずキャリアアップを目指したり、自由な「おひとりさま」スタイルを志向する女性も多くなってくることも理由のひとつと言えるでしょう。
・なお、20 代男性で、「結婚したいとは思わない」が2割弱であるのに加え、「結婚したいと思うが、結婚しないと思う」という人も約 13%もいる点は気になるところです。

■ 結婚したいと思う理由(未婚者)

◇「好きな人と暮らしたい」「子どもが欲しい」「自分の家庭を持ちたい」
・未婚者が結婚したいと思う理由(複数回答)は、男性では 20 代・30 代・40 代とも「好きな人と暮らしたい」、女性では、20 代は「子どもが欲しい」、30・40 代は「好きな人と暮らしたい」がトップです。やはり、結婚の動機としては、好きな人や子どもとの家庭生活を一番に思い描くのでしょう。

◇年齢とともに「親を安心させたい」「経済的な安定」「老後の安心」が増加
・年代が高いほど、「親を安心させたい」や「老後の安心を得たい」の割合が男女とも高まる傾向にあり、さらに女性では「経済的に安定したい」が増えている点に女性の現実的な考えが垣間見られます。

■ 結婚を決めた理由(既婚者)

◇「好きな相手と一緒になりたい」6割、「子どもが欲しい・子どもができた」3割
・では、既婚者が結婚を決断した理由(複数回答)はどうでしょうか。
「好きな相手と一緒になりたいと思った」が男女とも約6割で断トツです。次いで、「子どもが欲しいと思った、子どもができた」が約3割の水準で続きます。この2項目は、未婚者が上位に挙げた「結婚したい理由」とも一致しており、相手や子どもへの愛情が基本であることがうかがえます。

◇「仕事や収入がある程度の水準になったから」はわずか7% - 案ずるより産むが易し
・一方、「自分の仕事や収入がある程度の水準になった」は、男性で7%程度でした。
“結婚相手に求める条件”としては、「年収・経済力」は女性から高い支持がありましたが、男性から見て「収入」が結婚を決断するキッカケになったというケースはそれほど多くありません。生活力(収入面)に関しては“案ずるより産むが易し”とも言えそうです。

◇30・40 代では「自分や相手の年齢」「相手の『これ以上待てない』といった言葉」
・結婚した年齢別で見ると、20 代では「子どもができたから」が 30・40 代より高く、「自分や相手の年齢」「相手の『これ以上待てない』といった言葉」「親など身内の健康上の理由」は 30・40 代が相対的に高くなっています。

■ 交際相手の有無

◇恋人がいる 20 代 - 男性 22.1%、女性 41.9%
・未婚男女に「現在の交際相手の有無」について訊ねたところ、恋人がいるのは 20 代男性で5人に1人(22.1%)に過ぎません。20 代女性も5人に2人(41.9%)と少数派ではありますが、男性に比べれば2倍近い割合で、これは 30 代でも同様です。

◇「アラサー」「アラフォー」世代の恋愛事情はなかなか厳しい
・また、30 代、40 代と年齢が上がるにつれ、男女ともに恋人のいる割合が低下しています。
30・40 代で恋人がいない男女が7~9割という状況は注目されます。婚活などの中心世代である「アラサー」「アラフォー」世代の恋愛事情はなかなか厳しいようです。

■ 異性との交際経験

◇20 代未婚男性の 40.7%が交際経験なし
・未婚男性で、20 代の 40.7%、30 代の 33.5%、40 代の 24.0%が女性との交際経験がありません。
・一方、女性の場合、交際未経験者は、20 代で 23.3%、30 代で 15.8%、40 代で 13.5%と男性の約半数にとどまります。交際した人数も相対的に女性のほうが多めです。「3人以上」と回答した割合は、30 代の男性が 35.8%に対し、30 代女性は 57.5%でした。

◇男性の交際経験が少ないのは - 恋愛行動が消極的? 女性との会話が苦手?
・男性の交際経験が女性より少ないのはなぜでしょうか。
30 代の未婚の男女に、恋愛に関連がありそうな「自分の性格・タイプ」に関する項目について訊いたところ、「恋愛に関しては積極的に行動するほうだ」「異性との出会いの場に積極的に足を向けているほうだ」「社交的なタイプだと思う」の項目は、いずれも女性より男性が低く、また、「異性と話をするのが苦手」は女性より男性が高いといったことから、恋愛に慎重・消極的な男性が多いことがうかがわれます。

■ 20・30 代男性の恋人・配偶者との出会い方

◇恋人との出会いは「学生時代」「友人の紹介」「職場」が上位 -1割はSNSがキッカケ
・交際経験がある 20・30 代の未婚男性の恋人との出会い方は、「学生時代(クラス・サークル等)」「友人の紹介」「同じ職場」が上位です。20 代は「学生時代」が3割強で頭ひとつ抜けていますが、30 代は「同じ職場」「学生時代」「友人の紹介」が2割弱で拮抗しています。
・20・30 代とも 10%前後が「SNS(フェイスブック等)」をキッカケとしています。なお、「コンパ・合コン」「街角・旅先」が 20 代より 30 代が上回っている点が注目されます。

◇実際に結婚した相手は「同じ職場」がトップ
・一方、20・30 代で結婚した既婚者の配偶者との出会いはどうでしょうか。
恋人との出会いのケースほど「学生時代」は多くなく、相対的に「同じ職場」が多い傾向です。また、「職場の上司・同僚等の紹介」「仕事上の取引先」「お見合い」「結婚相手紹介所」「親や親戚の紹介」がキッカケだったケースがそれぞれ3~5%程度ありました。

◇30 代は「婚活サイト」をキッカケとした結婚が「婚活パーティー」「結婚相手紹介所」を上回る
・なお、30 代で結婚した人の 5.4%が婚活サイトをキッカケとしている点も注目されます。「SNS」も含め、インターネットを介した結婚は、今後も増加していくことが想定されます。

■ 20・30 代女性の恋人・配偶者との出会い方

◇恋人との出会い -男性よりも「職場」関係や「婚活パーティー」「婚活サイト」が多め
・20・30 代の未婚女性の恋人との出会い方は、男性の場合より「同じ職場」が多く、特に30 代では3割弱が「同じ職場」です。また、30 代では1割が「SNS」をキッカケとしています。
・さらに 30 代では、「婚活パーティー」「婚活サイト」もそれぞれ 3.4%と、前述の男性のケースよりやや多めです。
・女性は、「職場の上司・同僚等の紹介」「仕事上の取引先」といった仕事絡みの出会いが男性と比べ多い点も興味深いところです。

◇20 代で結婚した女性は「同じ職場」が3割
・一方、既婚者の配偶者との出会いは、恋人のケースと同様に「同じ職場」が最多で、20代で結婚した女性の約3割を占めました。

◇30 代では「趣味やスポーツのサークル」「結婚相手紹介所」「婚活サイト」も
・また、30 代では「趣味やスポーツのサークル」「会員制の結婚相手紹介所」「婚活サイト」「婚活パーティー」などが 20 代より高く、“積極的に出会いを求める行動が結婚につながっている”と言えそうです。

■ 未婚男女の婚活経験

◇どの年代も女性が婚活に積極的 -30 代では男性 30%、女性 56%が「婚活経験あり」
・結婚のために利用したり行なったりしたこと(これを「婚活」と呼びます)があるか訊ねたところ、いずれの年代も男性より女性の婚活経験が多いという結果となりました。30 代では男性の3人に1人、女性では半数強で婚活経験がありました。

◇女性は 30 代が婚活のピーク
・男性は年齢が上がるにつれ婚活経験の割合が上昇していますが、女性は 30 代の 56.1%をピークに 40 代で低下している点が注目されます。男性の「結婚したい」割合は、30 代の 63.5%から40 代の 61.5%へと小幅な低下ですが、女性の「結婚したい」割合は、30 代の 73.2%から 40 代の 57.7%に大きく低下しているように、40 代の女性には婚活に積極的でなくなる人も多いこと(直近1年間の婚活経験は 30 代女性 29.4%に対し、40 代女性 5.8%)、また、30代で積極的に婚活をしてゴールインを迎える女性も多いことなどが一因と考えられます。

■ 婚活の内容

◇30 代は「婚活パーティー」「婚活サイト」などが増加。40 代女性の5人に1人がお見合いを経験
・婚活内容で多いものは、「友人などに異性の紹介を依頼」「合コン」「婚活パーティー」です。
・20 代は、友人などへの紹介依頼や合コンへの参加が中心ですが、30 代になると婚活パーティーや婚活サイト、結婚相談所・結婚相手紹介サービスなどの利用も増えます。また、40代になると「お見合い」「親や親戚、上司などに異性の紹介を依頼」も増えてきますが、中でも 40 代女性の5人に1人以上が「お見合い」を経験しています。なお、20・30 代の女性では「街コン」に参加したケースも多いようです。

◇新しいスタイルの婚活も若い世代に浸透中
・直近1年間に婚活を行なった人の婚活内容を見ると、街ぐるみで開催される大規模な合コンである「街コン」や「婚活居酒屋・婚活カフェ」といった新しいスタイルの婚活も若い年代を中心に利用されています。直近1年間に婚活を行なった 20 代では男女ともに6人に1人が「街コン」に参加しています。

■ 婚活の効果

◇4人に1人が婚活で出会った人と結婚
・婚活経験のある既婚者の4人に1人(男性 27.9%、女性 24.9%)が、婚活で出会った人と結婚しています。
・さらに、「婚活で出会った人ではないが、結婚につながった」と回答した人も含めると、婚活経験のある4割の人が、婚活が実際の結婚に何らかの効果をもたらしたと考えています。

■ 生涯未婚率が男性 20%、女性 10%の状況についてどう考えるか

◇生涯未婚率は男性 20.1%、女性 10.6%で過去最高に
・平均初婚年齢が 2012 年には男性 30.8 歳、女性 29.2 歳に上昇し、生涯未婚率も男性 20.1%、女性 10.6%と過去最高となっている現状をどのように考えるかについて 20~40 代の男女に訊ねました(図表 17)。(参考:2014 年 6 月厚生労働省発表の 2013 年データでは、平均初婚年齢は男性 30.9 歳、女性 29.3 歳で、男女とも前年よりさらに 0.1 歳上昇。)

◇女性では、「結婚はあくまで人生の選択肢のひとつで、結婚を望まない人が増えてきたから」が9割、 「雇用・労働環境(収入)が良くない」「女性が働き続けられる環境がまだ不十分」も8割以上
・「結婚は、あくまで人生の選択肢のひとつであって、結婚を望まない人が増えてきたから」に「そう思う」+「どちらかというとそう思う」の回答が男性で8割、女性で9割に達しています。また、「雇用・労働環境(収入)が良くないから」、「結婚・出産しても女性が働き続けられる環境がまだ十分でないから」といった環境面の改善・整備を期待する回答も女性では8割以上です。なお、「女性が働き続けられる環境がまだ十分でないから」に関しては、男性の回答と約 15ポイントの開きがあり男女間の意識の格差も見られました。

■ 結婚に関する様々な意識

◇「妻は専業主婦が良い」に4割、「子どもが小さいうちは、妻は育児に専念すべき」に6割以上の支持
・結婚に関するいくつかの考え方に対し、「そう思う」「どちらかというとそう思う」と回答があった割合について見てみました。
・“女性の子育てと仕事の両立”が叫ばれて久しい中、「妻は専業主婦が良い」に4割の支持があり、「子どもが小さいうちは、妻は育児に専念すべき」も6割以上の高い支持がある点は注目されます。
・また、女性の8割、男性の7割が「我慢して暮らすより離婚したほうが良い」と回答しています。

◇「我慢して暮らすより離婚したほうが良い」は女性が男性より高い支持
・男女間で差が大きいものとしては、「我慢して暮らすより離婚したほうが良い」は女性が 10ポイント以上高く(男性 68.5%、女性 79.3%)、一方、「自分なら相手のことが好きなら生活が苦しくても結婚する」(男性 61.3%、女性 49.5%)、「共働きであっても、家事は主に妻が行なうべきだ」(男性 29.7%、女性 19.2%)は男性が 10 ポイント以上上回っています。

◇「相手のことが好きなら生活が苦しくても結婚する」「妻は専業主婦が良い」は既婚者の支持が高い
・未婚・既婚別で差が見られるものとしては、「自分なら相手のことが好きなら生活が苦しくても結婚する」「夫が外で働き、妻は専業主婦が良い」は既婚者が高く、「我慢して暮らすより離婚したほうが良い」は未婚者のほうが高い結果となっています。

■ 結婚して良かったか

◇「結婚して良かった」の実感は、20 代 89%から 40 代 79%に年齢とともに低下
・既婚者に「結婚して良かったと思いますか」と訊ねたところ、男女ともほぼ8割以上が「そう思う」または「まあそう思う」と回答しました。年齢別では、婚姻期間が短い人が相対的に多い 20 代が男性 90.7%、女性 88.1%であるのに対し、30 代は男性 86.2%、女性 84.6%、40 代では男性 79.7%、女性 78.9%と年齢とともに低下しています。結婚からの経過年数とともに結婚の良さの実感が下がるというやや残念な傾向です。

■ 離婚を意識したことがあるか

◇40 代では4人に1人が離婚を意識。理由は「性格の不一致」「浪費」「家事・育児への非協力」
・離婚を考えているケース(いま考えている+ときどき考えたことがある)は、男女とも年齢が高いほどその割合が増え、特に 40 代女性では 28.2%となっています。
・20~40 代女性が離婚を考えている(考えたことがある)理由(複数回答)は、「性格・価値観の不一致(62.9%)」がトップで、「(相手の)金銭の浪費(22.2%)」「家事・育児に協力的でない(20.2%)」「配偶者の親・家族との関係(18.3%)」などが上位です。


【調査概要】
調査対象: 全国の 20 歳以上 49 歳以下の男女
調査方法: WEB アンケート調査(株式会社マクロミルの登録モニター対象)
調査時期: 2014 年 3 月 21 日~3 月 24 日
回収数: 3,616 人

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[明治安田生活福祉研究所]
 マイページ TOP