第3回「ビジネスパーソン1000人調査」働き方に関する意識アンケート 

2014年07月17日
日本能率協会グループは、このたび、全国のビジネスパーソン1000人に対して意識調査を行いました。この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。今回は「働き方」を取り上げました。

【調査サマリー】

女性の活躍について

1.女性が描く活躍イメージは「子育てしながら管理職・専門職で働く」人。役員像はまだ遠く。しかも男性は 4 人に 1 人が「女性の活躍」イメージ持てず

2.活躍の妨げは、子育て・家事の負担と「男は仕事・女は家庭」という価値観

3.大企業で働いている人ほど、女性の活躍や職場のサポートを実感

4.就業時間に制限のある人と働いて困るのは「突発的な休み」。
 男性が困るのは仕事の割り振り、女性はフォローのために自分の仕事が増えること

仕事のやりがい・愛着・能力発揮について

5.仕事のやりがいを感じている人 53.7%
 やりがいの源泉は希望に適った仕事・貢献の実感、やりがい感じられない理由は収入の不満

6.「仕事のやりがい」「勤務先への愛着」「仕事での能力発揮」40 代はすべて半数以下で、実感薄く。  年代別トップは 60 代、約 7 割が「やりがいあり」「愛着あり」「能力発揮できている」

ホワイトカラー・エグゼンプションについて

7.ホワイトカラー・エグゼンプションでの労働意向は、半数以上が「わからない」と回答。
 「働きたい」は 2 割弱にとどまる

8.「努力しても成果が出るとは限らないので報われない」等、ネガティブなイメージ強く

【調査結果】

女性の活躍について

1. 女性が描く活躍イメージは「子育てしながら管理職・専門職で働く」人。役員像はまだ遠く。しかも男性は 4 人に 1 人が「女性の活躍」イメージ持てず

「女性の活躍」と聞いてどのような状態をイメージするかを聞いたところ(複数回答)、最も多かったのは男女ともに「子育てをしながら働いている」(全体 37.7%、男性回答 33.8%、女性回答 42.6%)でした。
2 位以下は男女で差があり、男性は 2 位「男性と同じ仕事をしている」(26.6%)、3 位「女性ならではの仕事をしている」(22.8%)と続きます。ただし、男性の 4 人に 1 人はイメージが「特にない」(26.1%)と回答しています。
女性は 2 位「管理職として働いている」(35.1%)、3 位「専門職として働いている」(33.1%)でした。 男女ともに、「役員として働いている」(男性 9 位 9.2%、女性 9 位 19.1%)、「経営者として働いている」(男性 10 位 8.8%、女性 10 位 17.8%)はあまりイメージされていません。

2.活躍の妨げは、子育て・家事の負担と「男は仕事・女は家庭」という価値観

女性の活躍の妨げになっていると思うものを聞いたところ(複数回答)、1 位「子育ての負担」(36.8%)、2 位「家事の負担」(28.6%)、3 位「『男は仕事・女は家庭』という価値観」(22.3%)でした。
男女ともに 1 位「子育ての負担」、2 位「家事の負担」は変わりませんが、男性 3 位は「女性の体力
的なハンデ」(19.8%)、4 位「『男は仕事・女は家庭』という価値観」(16.7%)、5 位「経営陣の理解不足」「女性の昇進意欲の低さ」(同 13.1%)と続きます。
 女性 3 位は「『男は仕事・女は家庭』という価値観」(29.3%)、4 位「男性に対する家事・子育てのサポートがない」「管理者層の理解不足」(同 23.2%)と続きます。
女性の回答が男性よりも 10 ポイント以上多かったのは「『男は仕事・女は家庭』という価値観」「管理
者層の理解不足」「男性に対する家事・子育てのサポートがない」「介護の負担」「男性社員の心理的な抵抗感」でした。

3.大企業で働いている人ほど、女性の活躍や職場のサポートを実感

自分の勤務先は女性が活躍することをどの程度重視していると思うかを聞いた設問では(単一回答)、「重視している」32.2%、「重視していない」25.1%、「どちらともいえない」が 42.7%という結果になり、男女差はあまりありませんでした。
従業員規模別にみると、大企業に勤めている人のほうが「女性の活躍を重視している」と感じている傾向があります。5000 人以上の企業で 42.6%、1000 人~5000 人未満の企業で 35.0%、300 人~1000人未満の企業で 35.5%、100 人~300 人未満の企業で 30.1%、100 人未満の企業で 26.7%が「重視している」と回答し、企業規模が小さくなるほど実感している人が少なくなります。

また、子育てや介護などで就業時間が制限される社員に対して、勤務先ではどの程度サポートがあるかを聞いたところ(単一回答)、制度、上司、同僚・部下すべての面で、大企業ほどサポートの実感があるという結果になりました。従業員規模 100 人未満の企業に勤めている人では、「制度面でサポートしている」という回答は 16.9%、「職場の上司がサポートしている」という回答は 17.9%、「同僚・部下がサポートしている」という回答は 17.2%ですが、従業員規模 5000 人以上の企業に勤めている人では、それぞれ「制度」47.9%、「上司」40.5%、「同僚・部下」42.5%です。

4.就業時間に制限のある人と働いて困るのは「突発的な休み」。男性が困るのは仕事の割り振り、女性はフォローのために自分の仕事が増えること

今回の回答者 1000 人のうち、子育て・介護などのために就業時間が制限されている人と一緒に働いたことがある人は 386 人(38.6%)、そのなかで一緒に働いて困ったことがあったと回答した人は約半数(51.0%)の 197 人いました。
この 197 人に、何に困ったかを聞いたところ(複数回答)、1 位「突発的な休みが多い」(57.4%)、2位「フォローのために自分の仕事量が増える」(46.7%)、3 位「急ぎの仕事を頼めない」(42.1%)でした。
男女別にみると、順位にはあまり差がありませんが、回答の割合に着目すると差がみられます。男性の回答が女性よりも 5 ポイント以上多かったのは「急ぎの仕事を頼めない」「任せられる業務内容が限られる」「お客様に迷惑がかかる」、女性の方が回答が多かったのは「本人から周囲に対して感謝・配慮がない」「退職したわけではないので人員が補充されない」「突発的な休みが多い」「フォローのために自分の仕事量が増える」「本人の仕事に対する意欲が低い」という結果になりました。


【調査概要】
・調査名称:ビジネスパーソン1000人調査
・調査期間:2014年6月20日(金)~26日(木) 7日間
・調査対象:(株)日本能率協会総合研究所「JMAR リサーチモニター」のうち全国の 20 歳~69 歳までの正規・非正規雇用の就業者(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
・調査方法:インターネット調査
・回答数:1,000 人(内訳:男性 556 人、女性 444 人) ※回答は小数点第 2 位を四捨五入

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会グループ]
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