マーケティング実務家への調査 

2014年12月22日
マーケティングの実務家による国際組織=MCEI(Marketing Communications Executives International)の東京支部は、MCEI東京・大阪支部の会員を対象に、「2014年の『これが一番!』、2015年の『ここに注目!』」の内容でアンケート調査を実施。100名の回答を得て、その集計結果を、以下のとおりまとめた。

【調査結果】

◆マーケティング実務家が選んだ2014年の「これが一番!」TOP3◆


1位  「妖怪ウォッチ」&「アナと雪の女王」 ダントツ注目の双璧 日米譲らず互角!
2位  錦織圭を中心に「ゆとり世代」のスポーツ男子 世界で活躍!
3位  消費税アップ たかが3%、されど3%の影響大 円安とのダブルパンチ!

最も多く票を集めたのは「妖怪ウォッチ」と「アナと雪の女王」。双方を選んだもの、個別にいずれかを選んだものもあったが、個別でもどちらも最高数にしてまったく同じ数の票を集めた。日本の妖怪キャラと米国の姉妹ヒロイン、どちらも譲らず互角の戦いといったところか。それぞれの評価に共通するのが「大人も子供も巻き込むブームの仕掛け方」。「アナと雪の女王」は、「映画のみならず、歌やイベント等素晴らしい展開」「音楽を前面に出したマーケティング、SNS/ネットを活用したコンシューマーの巻き込みが非常に効果的」、また「妖怪ウォッチ」は「ポケモンに代わるビッグコンテンツ」「ゲーム・漫画・アニメ・玩具等カテゴリーを横断し、たかが200円のメダルを買うのに大人を動員させた」など、親子を動かしブーム拡大を成功させた。「今の時代に”マス“の存在を改めて知らしめた」との声も。

2位の「ゆとり世代のスポーツ男子の活躍」は、テニスプレーヤー錦織圭選手の全米オープン準優勝、ソチ五輪男子フィギュア羽生結弦選手金メダル、体操男子内村航平選手の世界選手権5連覇など、世界の舞台で日本人男子選手の活躍が目立ったことによるもの。いずれも年齢的には「ゆとり世代」にあたり、「やればできる」「軟弱世代の認識は誤りか?」と見直す声があがった。一方で、「英才教育の成果かも」といったように、早くから海外での修行や経験を積んでいる選手の活躍が目立ったのも事実。

3位の「消費税8%」は、「すごい!」というよりも「生活に直結している」「5%から3%上がっただけでも影響大きい。庶民のふところはさびしいまま」といった消費者の声、「増税前駆けこみ需要との落差」「消費の冷え込みと円安とのダブルパンチ」といった企業側の声、どちらも苦しい状況が見て取れた。「増税がどう影響しているのか、増えた3%が何に使われるのか分からない」という不安をあげる人もいた。

◆マーケティング実務家が選んだ2015年の「ここに注目!」TOP3◆

1位 ウェアラブル端末をはじめ、スマートデバイスの発展に期待!
2位 インバウンド市場の急激な拡大に注目!
3位 仕事のロボット化に「期待」と「不安」

最も注目されたのは「ウェアラブル端末をはじめスマートデバイス」。‘14年の格安スマホからハードもソフトも大幅に進化。アイテムの拡がりとともにデザインはよりオシャレに。また、従来の使い方を飛び越えたサービスの出現を予測する。いよいよIOT(Internet of Things)時代の到来か!

2位は「インバウンド市場」。‘14年の円安、免税緩和、ビジット・ジャパン・キャンペーンなどにより、外国人観光客が急増。ハラル市場に対応する動きも出ている。日本の人口減少が見込まれる中、経済活性化のカギの一つとして有力新市場に期待。
2020年東京五輪に向けて、観光・おみやげ・和など「おもてなしビジネス」が百花繚乱となるか!また、観光ルートとしての北陸新幹線開業にも注目!

3位は「仕事のロボット化」。ロボットのコミュニケーション能力が大幅に進化し、癒し系などが身近な存在に。 さらに低価格化が普及に拍車をかける。 一方、単純作業だけでなく受付や接客業務などがロボットに取って代わられ、“ロボット失業”が増える可能性も。

その他、次点としてエネルギー系の「水素燃料」、流通の「オムニチャネル化」などが挙げられた。


【調査方法】
・Webアンケートならびにセミナー会場での配布回収
・「2014年のこれが一番!」は 2014年に登場した商品やサービスなどから3点を、 「2015年のここに注目!」は来年に向けての動きとして注目していること1点を、それぞれ記述 (フリーアンサー方式) 。
アンケートの集計トータルから各選定理由を踏まえて、MCEI東京のコミュニケーション委員会がランキングにまとめた。

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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[MCEI東京支部]
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