第9回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況 

2015年02月12日
厚生労働省は、第9回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況を発表。

この調査は、団塊の世代を含む全国の中高年者世代の男女を追跡して、その健康・就業・社会活動について、意識面・事実面の変化の過程を継続的に調査し、行動の変化や事象間の関連性等を把握し、高齢者対策等厚生労働行政施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得ることを目的として、平成 17 年度を初年として実施しているものである。

調査の対象及び客体
平成 17 年 10 月末現在で 50~59歳である全国の男女を対象とし、そのうち、第7回調査又は第8回調査において協力を得られた者を客体とした。第9回調査における対象者の年齢は、58~67歳である

【調査結果の概要】

1 就業の状況

(1) 就業状況の変化
この8年間で、「正規の職員・従業員」は減少、「自営業主、家族従業者」、「パート・アルバイト」はほぼ横ばい


第1回調査から第9回調査までの就業状況の変化をみると、「正規の職員・従業員」は、第1回 37.9%から第9回 12.6%と減少している。一方、「自営業主、家族従業者」は、第1回 16.2%から第9回 15.0%、「パート・アルバイト」は、第1回 16.3%から第9回 17.3%とほぼ横ばいの状況である。
また、性、第1回の就業状況別に第9回の就業状況をみると、第1回「仕事をしている」から第9回「仕事をしていない」に変化した割合は、男では「パート・アルバイト」の 32.2%、「労働派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託」の 32.0%、女では「家庭での内職など、その他」の 48.2%で高くなっている。

(2) 就業希望と求職の状況
第8回調査で就業を希望していたが第9回で「仕事をしていない」者のうち、就業を希望する割合は 66.0%


第8回調査で「仕事をしていない」者について就業希望の有無別にみると、「仕事をしたい」は 27.8%となっており、これらの者について第9回調査の仕事の有無別にみると、「仕事をしていない」は、84.4%となっている。
第8回で就業を希望していたが、第9回で「仕事をしていない」者について就業希望の有無別にみると、「仕事をしたい」は、66.0%となっている。

第9回調査で「仕事をしたい」が仕事探しや開業準備などを「何もしていない」割合は 16.7%であり、何もしていない理由は「病気・けがのため」、「希望する仕事がありそうにない」が多い

第9回調査の「仕事をしていない」者について、就業希望と求職活動の有無を年齢階級別にみると、「仕事をしたい」は、「58,59 歳」で 36.4%、「60~64 歳」で 25.9%、「65~67 歳」で 22.4%となっている。
「仕事をしたい」が仕事探しや開業準備などを「何もしていない」は、「58,59 歳」で 21.8%、「60~64 歳」で17.0%、「65~67 歳」で 15.4%となっており、何もしていない理由別にみると、「病気・けがのため」が最も多く、次に「希望する仕事がありそうにない」が多くなっている。

(3) 再雇用制度の利用状況等

第8回調査に自営業関係以外の仕事をしていた者のうち、その仕事に就くに当たり再雇用制度を利用していた割合は、第8回では 22.4%、第9回調査まででは 30.4%


第8回調査において自営業関係以外の仕事をしていた者であって、第9回に 60~67 歳の者について、第8回調査時の仕事に就くに当たり再雇用制度を利用していた者は 22.4%、第9回までに利用した者では 30.4%となっており、8ポイント増加している。
また、第9回までに再雇用制度を利用した者の第9回の仕事のかたちをみると、「契約社員・嘱託」が 40.7%と最も多くなっている。

再雇用制度を利用した者の方が、仕事をしている理由を「現在の生活費のため」としている割合が高い

第6回調査において仕事をしていた50歳台の者であって、第9回においても仕事をしている58~62歳の者について、第9回までの再雇用制度利用の有無別に仕事をしている理由をみると、再雇用制度を利用した者の方が、「現在の生活費のため」の割合が高くなっている。
また、再雇用制度を利用した者について、第6回と第9回の仕事をしている理由の変化をみると、「将来の生活資金のため」、「現在の生活費のため」等が減少している一方、「健康を維持するため」、「社会とのつながりを維持したい」等が増加している。

2 これからの生活設計

(1)これからの仕事の希望
65~69 歳になっても仕事をしたい者は 35.3%、70 歳以降でも仕事をしたい者は 15.0%


第9回調査時のこれからの仕事の希望をみると、「仕事をしたい」は「60~64 歳の仕事」では 61.0%、「65~69 歳の仕事」では 35.3%、「70 歳以降の仕事」では 15.0%となっている(表3)。
また、「仕事をしたい」者が希望している仕事のかたちは、「60~64歳の仕事」と「65~69歳の仕事」では「雇われて働く(パートタイム)」がそれぞれ 33.8%、35.4%と最も多く、「70 歳以降の仕事」では「自営業主」が 29.8%と最も多くなっている。

(2)生活のまかない方の希望と実態
第1回調査時(8年前)の「60 歳以降の生活のまかない方」で、「働いて得た所得(本人)」でまかなうつもりだった者のうち、60~67 歳で「働いて得た所得」がある割合は 70.3%


第1回調査時(8年前)の 60 歳以降の生活のまかない方の希望(主なもの3つまで回答)別に、第9回で 60~67 歳の者の第9回の収入(1 か月間の収入)の状況をみると、主に「働いて得た所得(本人)」でまかなうつもりだった者のうち、第9回の収入の中に「働いて得た所得」がある割合は 70.3%、「公的年金」は 67.4%となっている。また、主に「公的年金」でまかなうつもりだった者のうち、第9回の収入の中に「公的年金」がある割合は79.6%、「働いて得た所得」は 43.0%となっている。

3 世帯の状況

この8年間で、「夫婦のみの世帯」は増加、「三世代世帯」、「親なし子ありの世帯」は減少

第1回調査から第9回調査までの世帯構成をみると、「夫婦のみの世帯」は、第1回 21.3%から第9回 36.8%と増加している。一方、「三世代世帯」は、第1回 22.3%から第9回 15.3%、「親なし子ありの世帯」は、第1回 39.1%から第9回 28.4%と減少している。
第1回の世帯構成別に第9回の世帯構成をみると、「夫婦のみの世帯」に変化した割合は、「親なし子ありの世帯」の 33.5%、「親あり子なしの世帯」の 25.0%で高くなっている。

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[厚生労働省]
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