“デジタル学習”に関する調査(小・中学生の子どもを持つ母親対象) 

2015年03月18日
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を活用した学習を“デジタル学習”として、小・中学生における、この“デジタル学習”の実態について調査を行いました。

今回の調査では、はじめに小・中学生の子どもを持つ母親500名を対象に、アンケート調査「小・中学生の“デジタル学習”に対する意識・実態調査」を実施。デジタル学習が小・中学生たちの間でどれだけ浸透しているのか、また、そのことに対する理解や意識について母親たちに聞きました。

【調査結果】

◆ 求められる効率化、小・中学生の“デジタル学習”の実施率はおよそ7割

はじめに、どの程度の小・中学生の子どもたちがデジタル学習を行っているのかを調べました。母親たちに、「小・中学生の子どもたちの学習に、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの電子機器を利用していますか?」とたずねたところ、68%が「利用している」と回答しました。小・中学生におけるデジタル学習の実施率は、およそ7割にのぼるようです。また、この実施率は、子どもの年齢とともに高まります。小学校低学年では60%だったデジタル学習の実施率ですが、小学校高学年で68%、中学生で77%。中学生では、デジタル学習の実施率は8割に迫ることが分かりました。
それでは、こうしたデジタル学習のメリットについて、母親たちはどのように思っているのでしょうか。子どもがデジタル学習を実施している人を対象に、「デジタル学習のメリットと感じること」を複数回答形式で聞きました。その結果、「効率的に調べ物ができる」(67%)という回答が最多。一般的な教材に求められる「子どもが興味を持って学習してくれる」(52%)などの項目をも上回る結果となりました。
こうした結果の背景には、子どもの学習の変化もあるのでしょう。小学生の英語教育が開始されたように、小・中学生の学習環境は大きな変化を迎えています。 “受験戦争”の激化もよく話題となるところです。今回の調査で、「子どもの学習は以前より大変なものになっていると感じる」という母親は81%にものぼります。その中で、90%の人が「小・中学生には、より効率的な学習方法が求められると感じる」と答えました。子どもの学習の負担を和らげるためにも、デジタル学習に期待している母親は多いようです。

◆ 「インターネット検索」に続く利用率第2位の「電子辞書」、中学生・成績上位層では利用率が2倍!

次に、「デジタル学習として具体的に行っていること」を答えてもらいました。すると、多くの子どもが実施している方法のTOP3は、「インターネット検索」(59%)、「電子辞書」(22%)、「タブレットで利用できる学習ソフト」(15%)という結果に。手軽に利用できる「インターネット検索」が最も多かった一方で、「電子辞書」や「学習ソフト」などのコンテンツを利用する子どもも多いことが分かりました。特に、2位となった「電子辞書」は、小・中学生向けの電子辞書が数年前に発売されたばかりです。今後のさらなる躍進にも期待されるところでしょう。
さらに、成績上位層における利用率が高いことも、「電子辞書」の特徴です。今回の調査では、「子どもの成績が所属学級で上位25%に入る」という人を成績上位層として、それ以外の人との回答傾向の違いを調べました。それ以外の方法では利用率に大きな変化が見られない中で、「電子辞書」のみは、成績上位の子どもの利用率は32%と、それ以外の子どもの1.5倍以上。大きな差があることが分かりました。特に中学生では、成績上位者の「電子辞書」の利用率は、それ以外の人の利用率の約2倍。およそ半数、48%の人が「電子辞書」を利用していることが明らかになりました。

◆ ニーズ高めるデジタル学習も、母親たちの不安や懸念の声も明らかに!

このように、変化する学習環境の中で、ニーズを高めている小・中学生のデジタル学習。実際に、かなり広く受け入れられていることも明らかになりました。それでは、こうしたデジタル学習に対して、母親たちはどのように感じているのでしょうか。それを探るべく、いくつかの質問を行いました。
まず、「小・中学生にとって、今後、デジタル学習が不可欠なものになると感じる」という人は78%。およそ8割にのぼります。そして、そのために、84%の人が「子どものデジタル学習のために、親も協力しなければならない」と感じていることが分かりました。効果的にデジタル学習を行うためには、デジタル機器を適切に利用しなければなりません。子どもだけでは難しいということも多いでしょう。これまで以上に、子どもの学習において親が協力するべきことは増えていくかもしれません。
一方で、デジタル学習にはいくつかのデメリットやリスクがあることも事実です。本調査においても、母親たちが抱えるデジタル学習への不安や懸念が見受けられました。代表的なところでは、「課金コンテンツや成人コンテンツへアクセスしてしまうのではないかと思う」(83%)、「ゲームなど、学習以外の目的で使用してしまうのではないかと思う」(77%)、「正確ではない情報も多いように感じる」(77%)といったところがあげられます。親としては、こうしたデジタル学習が抱える課題についてもしっかり理解しなければなりません。その上で、小・中学生たちにとって適切で効果的な方法で、デジタル学習が行われる必要があるでしょう。


【調査概要】
・調査名:小・中学生の“デジタル学習”に対する母親たちの意識・実態調査
・調査対象:小・中学生の子どもを持つ母親500 名 (※子どもの年齢、学校の種類により均等割付)
 ⇒ 子どもが公立の学校に通っている人:250 名
 (子どもが小学校低学年:83 名、子どもが小学校高学年:83 名、子どもが中学生:84 名)
 ⇒ 子どもが国立・私立の学校に通っている人:250 名
 (子どもが小学校低学年:83 名、子どもが小学校高学年:83 名、子どもが中学生:84 名)
・調査期間:2015 年3 月11 日(水)~2015 年3 月13 日(金) 調査方法:インターネット調査
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

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