「SNSの“黒歴史”」に関する意識・実態調査(日常的にSNSに投稿している15~39歳男女対象) 

2015年06月24日
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研は、日常的にSNSに投稿している15~39歳の男女500名を対象として、「SNSの“黒歴史”」に関する意識・実態調査をおこないました。

今回の調査対象者が日常的に投稿しているSNSは、「Twitter」(51%)、「LINE(タイムライン投稿)」(49%)、「Facebook」(45%)、「Instagram」(17%)、「ブログ」(11%)、「mixi」(11%)、「Google+」(8%)でした(複数回答)。利用層が特徴的だったのは「Twitter」と「Facebook」で、「Twitter」は20~30代の利用率が44%だったのに対し、10代の利用率は78%にのぼりました。反対に、「Facebook」は10代の利用率が28%だったのに対し、20~30代の利用率は49%でした。

【調査結果】

◆ 3人に1人はSNS投稿の“黒歴史化”を経験! 投稿の削除、アカウントの削除も当たり前?

まず、自分の過去のSNSの投稿を“黒歴史”だと認識したことがある人は32%と、3人に1人でした。一方、友人・知人の投稿を見て“黒歴史”になりそうだと思ったことがある人は49%。友人・知人の投稿は、自分の投稿よりも客観的な視点で見ることができると言えます。SNSの“黒歴史”は、価値観の変化などをきっかけに過去の投稿を客観視することで生じると考えられるため、今回は32%でしたが、“黒歴史”になりうる投稿をしている人は、実際にはもっと多い可能性があります。

過去の投稿を“黒歴史”だと認識するようになったきっかけを調べると、「我に返って自分を客観視したこと」(77%)が最多で、次いで、「離婚、恋人との別れ」(31%)や「結婚、新しい恋人との交際」(22%)、「就職、就職活動(転職、転職活動も含む)」(18%)などが並びました。投稿が“黒歴史化”するポイントは「客観的な視点を持つこと」であることが明らかになり、結婚・離婚や就職などのステータスの変化にともなって投稿者の価値観が変化することも、過去の投稿を客観視できるようになる要因だと言えるでしょう。

続いて、過去の投稿を “黒歴史”だと認識した後にどのようなアクションをとったのか聞いたところ、89%と大多数が「投稿自体を削除した」ことがあり、うち59%は「投稿自体を何回も削除した」ことがあると回答しました。何回も削除したことがある人は、20~30代では46%でしたが、10代では72%に上り、SNSの投稿の削除は、特に10代にとって当たり前だと感じられているようです。削除以外のアクションとしては、「投稿の内容を編集した」(67%)、「投稿の公開範囲を限定した」(64%)などがありました。

また、投稿の削除よりも抜本的なアクションとして「投稿元のアカウント自体を削除した」人も43%おり、うち半数以上は「アカウント自体を何回も削除したことがある」(55%)と回答しています。投稿の削除だけでも後悔のほどがうかがえますが、個人がとりうる中で最も抜本的なアクションだと言えるアカウントの削除という行動には、特に強い後悔が表れていると言えます。

ちなみに、投稿が“黒歴史化”しやすいSNSを調べたところ、1位が「Twitter」(55%)、2位が「mixi」(40%)、3位が「Facebook」(38%)でした。先の調査結果を踏まえ、各SNSで削除した投稿の累計を聞くと、これまでに「11個以上」の投稿を削除した人の割合は「Twitter」(47%)が突出して多く、他のSNSとしては「ブログ」(26%)、「mixi」(16%)、「Facebook」(11%)となりました。その上、Twitterでは投稿を「101個以上」削除したという人も12%おり、Twitterは投稿が“黒歴史化”しやすく、削除もされやすいSNSであることがうかがえます。

◆ 「病みツイート」、「恋人と喧嘩して悲劇のヒロイン気取り」…痛々しい“黒歴史”の実情

次に、“黒歴史化”した投稿の内容を調査しました。特に多かったのは「そのときの心情を表現したひとり言」(59%)で、続いて「恋愛に関するネガティブな内容」(34%)や「恋愛に関するポジティブな内容」(18%)、「仕事に関するネガティブな内容」(21%)などが並びました。

具体的な“黒歴史”の内容を聞くと、「迷走した内容」や「病んだツイート」といった不安定な心情を表しているものや、反対に、「万能感や正義感にあふれた記事」など、いつもより気分が盛り上がった状態で投稿したものが目立ちました。その場の心情にまかせたり、勢いにのったりした状態でした投稿は、のちのち“黒歴史化”しやすいようです。

▼“黒歴史化”した投稿の内容
 「病んでいる様子がうかがえる迷走した内容のブログ。
  冷静になってから読み直して深く後悔した」(23歳・女性)

 「受験生時代、心が不安定だった上に彼氏ともなかなか会えず、
  病んだツイートをしていたのが恥ずかしい」(18歳・女性)

 「恋人と喧嘩して感傷に浸っている投稿。
  悲劇のヒロイン気取りの内容で、冷静になったときに痛かった」(33歳・女性)

 「若さゆえの万能感と正義感にあふれたブログ記事。
  改めて見たら純粋に恥ずかしかった」(20歳・男性)

 「美容室でカットした後に投稿した自撮り。
  振り返って見たら、美人でも可愛くもないのに投稿したことが恥ずかしくなって削除した。
  自撮りは自分の残念な顔をさらしているだけだと後悔した」(26歳・女性)

◆ 5人に1人がSNS投稿によるトラブルを経験。情報発信のリスク意識が足りない人も

ここまでの調査結果から、多くの人が投稿の“黒歴史化”を経験していることが分かりました。“黒歴史”となる投稿は、レベル感の差はあれ“リスクの芽”が含まれているものも多いと想定され、トラブルにつながりかねません。
そこで、これまでに自分の投稿が原因でトラブルが起こったことがあるかどうかを聞くと、19%と5人に1人が「ある」と回答しました。また、具体的なトラブルとしては次のような内容が上位に並びました。

●「SNSでつながっている友人・知人からSNS上で批判・中傷を受けた」(48%)
 「SNSでこっそり悪口を書いたら本人に知られて、喧嘩になった」(15歳・女性)
 「テストの結果を何気なく投稿したら、友人から『自慢か』と叩かれた」(21歳・男性)

●「投稿内容が友人・知人に知られて信用をなくした」(27%)
 「別れた彼氏の悪口をFacebookに書いたら、共通の友達からの信用をなくし、
  友達付き合いがなくなった」(34歳・女性)

●「インターネット上でストーキング行為を受けた」(15%)
 「ブログで書いた記事に対してしつこくコメントをつけてくる人がいた」(28歳・女性)

●「投稿内容が職場に知られて上司・同僚などからの信用をなくした」(10%)
 「SNSに仕事の愚痴を投稿していたら同僚に知られてしまったようで、
  一時期、職場で悪い噂がたった」(38歳・男性)

SNSも含めインターネット上では、一度発信した情報を完全に削除することは非常に難しく、インターネット上に情報が残っていると、知られたくない情報が知られたくないタイミングで表面化したり、結婚や就職といった、ライフステージが変化する際に問題になったりするリスクがあります。こうしたリスクを理解しているか、さらに情報発信の際に意識できているかどうかを聞いたところ、「理解しており、情報発信の際に意識できている」(73%)人が過半数だった一方で、「理解しているが、情報発信の際にあまり意識できていない」人は21%、さらには「理解していない(リスク自体を知らない)」人も6%いるという結果に。これらをあわせると、リスク意識が不十分なままに情報発信をおこなっている人が約3割いるという実態が明らかになりました。


【調査概要】
調査名:「SNSの“黒歴史”」に関する意識・実態調査
調査対象:15~39歳 男女500名
※15~19歳 100名、20~24歳 100名、25~29歳 100名、30~34歳 100名、35~39歳 100名
※スクリーニング調査で「日常的に(目安として週に1回程度)何らかのSNSに投稿している」と回答した方
調査期間:2015年6月12日(金)~2015年6月15日(月)
調査方法:インターネット調査
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

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