結婚に関する実態調査(婚姻経験者対象) 

2015年06月30日
インターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチは、GMOリサーチが保有する日本のモニターを対象に「結婚に関する実態調査」を実施。

【調査背景】

日本では、出生率の低下による少子化が長年の問題となっています。日本政府主導で20年以上にわたって様々な施策が行われているものの、2014年の年間出生数は100万3千人と過去最少を更新し、100万人割れに迫っています。(厚生労働省「平成26年人口動態統計月報年計(概数)」)
こうした少子化問題については多くの先行研究が存在し、その中で晩婚化・非婚化の影響が強いと示唆されてきました。晩婚化・非婚化の要因としては、社会構造の変化、収入格差の問題、結婚に関する意識の変化など、さまざまな可能性が挙げられています。
そこでこの度GMOリサーチは、配偶者との出会い⇒交際⇒結婚というステップや、結婚に関する意識がここ数十年でどのように変化したかを把握し、晩婚化・非婚化の実態を読み解くべく、婚姻経験者を対象にアンケートを実施しました。
※本調査における「結婚」は、初婚のみを対象としています。

【調査結果】

■出会い年齢の推移
配偶者と出会った年齢を尋ねたところ、初婚時期が1974年以前の男性の約8割が29歳までに、女性の約8割が24歳までに配偶者に出会っていることがわかった。一方で、初婚時期が2005年以降の男性は約8割が34歳までに、女性は29歳までに配偶者との出会いを経験している。男女ともに、時代を下るにつれて出会い年齢が高くなっており、この傾向は男性が「1995~2004年初婚層と2005年以降初婚層間」、女性は「1975~1984年初婚層と1985~1994年初婚層間」で顕著である。
また、配偶者と出会った平均年齢を比較したところ、初婚時期が1974年以前の男性は24.2歳、女性は21.3歳である一方、2005年以降の平均出会い年齢は男性29.7歳、女性25.1歳と、4歳~5歳上昇した。

■平均交際期間の推移
交際開始年齢(同棲期間含む)および結婚年齢から交際期間を算出したところ、男女ともに時代を下るにつれて平均交際期間が長期化していることがわかった。初婚時期が1974年以前の男性は、同棲ありで1.00年/同棲なしで1.32年だったのに対し2005年以降では同棲ありで3.31年/同棲なしで4.60年と、3倍以上になった。女性も同様の傾向で、1974年以前は同棲ありで1.31年/なしで1.20年だったのが、3.82年/5.51年と、同棲ありで約3倍、同棲なしの場合は4倍以上に長期化している。
しかし、出会いから交際開始までの期間はほとんど変化していないため、出会い年齢の上昇とともに、交際期間の長期化が晩婚化を押し進めているといえる。

■結婚を決めたきっかけ
結婚を決めたきっかけを尋ねたところ、男女ともに「配偶者とずっと一緒に暮らしたいと思った」「配偶者であれば素敵な家庭が築けると思った」の2項目が、どの初婚時期にも共通して2~3割を占めている。同じく「結婚適齢期になったと思った」という回答も男女共通して多い一方で、特に女性においては「結婚適齢期を過ぎてしまうと思った」の割合が年代を経るごとに増加していることがわかる。
また、1985年以降は「配偶者との子供を持ちたいと思った」の割合が男女ともに増加しており、2005年以降の初婚層では1割に達した。さらに、1974年以前では「両親、親戚など身内からの奨め」が男女ともに1.5割を超えていたものの、1970-90年代にかけて減少した。

■「結婚」についてのイメージ(自由回答)
「結婚」という言葉から連想される言葉を自由回答で挙げてもらい、最初に書かれた第一想起の割合を縦軸にとり、挙げられた言葉の順序から言葉の連想関係を矢印で示した。
1974年以前初婚層は「家庭」の第一想起率が圧倒的に高く、家庭が結婚の根本にあることが分かる。また、「家族」や「安定」「義務感」といった言葉は、「家庭」から連想される存在であるといえる。
一方、2005年以降初婚層を同様に可視化したところ、「家庭」の存在感は低下し、代わって「幸せ」の想起率が上昇した。「家庭」は、「幸せ」から連想される従属的概念となっている。また、1974年以前と比較して、「家族」「家庭」などの家族生活に関する概念や、「結婚式」に代表される個人の結婚概念が存在感を高めている。

【総論】

1)晩婚化は、出会い年齢の上昇とともに、交際期間の長期化が引き起こしていると考えられる。一方で、出会いから交際開始までの期間にはほとんど変化がない。
2)結婚のきっかけは、どの年代も共通して「配偶者に対する愛情」と「結婚適齢期に関する意識」の変化によるものが大きいことが分かった。また特に女性においては、時代を下るごとに「結婚適齢期を過ぎてしまう」という割合が増加しており、結婚への焦りが垣間見える。
3)「結婚」についてのイメージは、1974年以前は「家庭」を中心とした家概念が支配的な存在であった。しかし時代を下るとその影響は薄れ、2005年以降の初婚層では「幸せ」に従属する下位概念となっている。
また一方で、「家庭」に代表される家族生活のイメージや、「結婚式」を中心とする個人の結婚概念がその存在感を強めている。


【調査概要】
調査テーマ:結婚に関する実態調査
調査地域:日本
調査対象:婚姻歴のある男性 1,000名 女性 1,004名 計 2,004名
調査期間:2015年3月27日~2015年3月31日
調査方法:インターネット調査(クローズド調査)

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[GMOリサーチ]
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