アジア版マニュライフ投資意識指数(MISI)調査 

2015年08月31日
2015年第2四半期に投資家を対象に実施された最新のアジア版マニュライフ投資意識指数(MISI)調査によると、通常家計を預かっている場合が多い日本の女性は男性よりも保守的でリスクを避ける傾向が高く、また国の年金制度に対する理解度にも男女差があることが明らかになりました

●投資全般や年金制度に対する日本の投資家の理解度には男女差があり、また、女性は相対的に安全性の高い投資を好む

●退職後に備えた計画を開始している人は25%に過ぎず、日本がアジア8ヵ国の中で最も低い

●日本人の4割は国の年金制度に対して不安を抱いており、その結果、日本人の32%は国の年金制度を補う別の退職年金などに加入している


2015年第2四半期に投資家を対象に実施された最新のアジア版マニュライフ投資意識指数(MISI調査によると、通常家計を預かっている場合が多い日本の女性は男性よりも保守的でリスクを避ける傾向が高く、また国の年金制度に対する理解度にも男女差があることが明らかになりました。

■ 男女間でみられる投資意識の違い

MISI調査の結果では、日本の女性は男性よりも保守的でリスクを回避する傾向にあるだけでなく、投資全般、年金制度に対する理解度には男女差があり、また、女性は相対的に安全性の高い投資を好むことがわかりました。

この調査によれば、退職時の資金状況について把握できていると感じていると答えた女性の割合は男性を下回りました(回答した女性のうち退職時の資金状況がわからないと回答した割合は35%、男性では24%)。

また、国の年金制度を理解していると回答した人の比率は女性の方が男性よりも低く、男性の33%が年金制度を理解していると回答したのに対し、女性は19%に留まりました。また女性の42%は国の年金制度を理解していないと回答し、理解度向上のための制度に関する情報提供や広報が必要であることが分かります(男性は25%)。

さらに女性は投資の安全に対する関心が高く、投資へ資金をシフトさせるとした場合、女性の34%がより変動性の低い投資を好み(男性では21%)、かつ35%の女性は元本保証付きの投資を好んでいます(男性では26%)。同様に、女性の80%は投資対象として優良株を好むのに対して男性では72%でした。また、現在投資へ資金を振り向けずに現金を保有している理由のうち、日本人投資家全体では、誤った投資判断をすることへの懸念(30%)と投資商品の複雑さ(24%)が挙げられました。前者の回答では男女差は見られず同じ30%だったものの、後者では、31%の女性が、商品が複雑すぎると回答しています(男性は18%)。さらに、女性の22%は投資するには市場の変動が激しいため、より安全と思われる銀行預金として資金を保有すると答え(男性は15%)、投資においては女性のほうが、より保守的な姿勢であるといえます。

■退職後に備えた準備

今回のMISI調査では、回答した日本人の過半数が退職後の資金状況について懸念を抱いていることが示された反面、退職後に備えた準備を開始している人々は25%に過ぎず、これは調査対象となったアジア8ヵ国のうちで最も低い割合でした(アジア諸国の平均値は61%)。

調査に回答した日本の投資家は、退職後の収入の28%が国の年金制度から得られると予想しています。この比率はMISIの調査対象となったアジアの8ヵ国・地域のうち最も高く、日本人が全体として国の年金制度に依存していることが示されましたが、これは、日本ではすべての人が公的年金への加入を義務付けられていることも要因のひとつであると考えられます。

しかし、それにもかかわらず、前回の調査と同様に、最新のMISI調査でも依然として4割(42%)の人々が国の年金制度に対して不安を抱いていることが分かりました。年金制度を信頼していない主な理由には、この制度による給付では退職後の費用をまかなうには不十分である、また、自分が退職する時期までに年金制度が十分な積立金を擁していると考えにくいという不信感が挙げられています。結果として、調査対象となった日本人の32%は国の年金制度を補う別の退職年金などに加入しています。

■アジアで最もリスクを嫌う日本人投資家

アジアで最も豊かな5ヵ国・地域(日本、中国、香港、台湾、シンガポール)を比較した場合、日本人投資家は最もリスクを嫌い、それに対し中国人投資家はリスクを取ることに最も積極的でした。具体的には、資産配分において中国の投資家が個人のポートフォリオのうち比較的高リスクの資産が占める比率が5ヵ国中最も高くなっているのに対し(44%、これに対し日本での比率は32%)、日本の投資家は個人資産のうち41%を現預金で保有しています。日本人の現預金保有率は、MISIの調査対象となったアジア8ヵ国・地域で比較しても最も高い結果となりました。

■マニュライフ投資意識指数: 資産別では、現金以外の資産への投資意識が上向きに

マニュライフ投資意識指数は、主な資産 現金、株式 投資信託、債権、居住用および投資用不動産)への投資に対する姿勢や意識について測定する調査であり、アジアでは2013年より継続して実施されています。

今回の2015年第2四半期の調査では、日本人投資家の全体指数は、+18ポイントとなり、2014年第3四半期の+8ポイントから継続して上昇しており、投資家の投資見通しは着実に改善しています。資産別で見ると、現金を除いたすべての資産への投資意識が上向いており、特に、株式への投資意識指数は、2014年第1四半期の+21ポイントから2015年第2四半期の+39ポイントまで、4期連続で上昇しています。投資信託への投資意識指数も、2014年第3四半期の+13ポイントから2015年第2四半期の+27ポイントへ改善しました

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