新大人研レポート17:シニアから新大人へ、新型50・60代に(40~60代調査) 

2015年10月08日
博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代“と呼び、調査研究を行っています。

調査結果を見ると、40~60代の変化は、さらに本格感を増しています。新大人研レポート2012~13年は「絶滅!?する中高年-“新しい大人世代の登場”」、2013~14年は「いま高齢社会は“新しい大人社会”へと大きく変化」でした。2015年はあらためて生活者の変化に注目して『シニアから新大人へ』。自分たちは従来の50・60代とは違うという意識が高まっています。40代も含めて、単なる「若々しさ」だけでなく多方面での新たな兆が見えて来ました。今回のシリーズでは、消費にも大きな影響を与えるその生活者の意識変化を明らかにして行きます。

【調査結果サマリー】

・50代の9割近くは“シニア”を自分のことだと思っておらず、60代の9割近くは“シニア”と呼ばれたいとは思っていない。

・40~60代の85.1%の人たちが「自分達は従来の40~60代とは違う」と思っている。

・どういった点がいままでの同年代と違うかと尋ねたところ、「年相応にならない」が1位に。

・6割近い人が、従来の同年代と違うのは「自分とその周囲だけだ」、と思っている。


【調査結果】

■50・60代は自分を“シニア”だと思わず、“シニア”と呼ばれたいとも思っていない。

2012年の調査によると「“シニア”を自分の事だと感じる」人は50代で19.7%、2015年には13.1%に減少し、 9割近くは自分のことだとは思っていません。60代に至っては2012年の56.1%から2015年は46.2%と約10ポイント減少しており、これまでも自分のことを“シニア”と思わない傾向にあった50代・60代ですが、その傾向が強くなっています。60代は46.2%と半数近くが自分を“シニア”と思ってはいるものの、「“シニア”と呼ばれたいか」というと、9割近くは呼ばれたいとは思っていません。50・60代は自分を“シニア”とは思っておらず、呼ばれたいとも思っていないことがわかります。

■自分たちは従来の40~60代とは違う。50・60代がやや高い傾向。

「自分は従来の40~60代と違うと感じるか」について尋ねたところ、 85.1%の人たちが「従来の40~60代とは違う」、と思っていることがわかりました。現在でも、政府自治体では65歳からを高齢者と規定しており、 60代は少し前までは「オジイサン・オバアサン」と呼ばれていましたが、50・60代の意識が従来より大きく変わろうとしていることが明らかになりました。この傾向は女性においてより顕著なものとなっています。

■違うポイントは「年相応にならない」「若さ」「新しいものやコトに敏感」。いずれも50・60代が高い。

では、どういった点が今までの同年代と違うかを尋ねたところ、1位は「年相応にならない」、2位「若さ」、3位「新しいものやコトに敏感」でした。特に「年相応にならない」「新しいモノやコトに敏感」は50・60代で高くなっています。かつての「オジイサン・オバアサン」から大きく様変わりしているといえます。50・60代はポスト団塊世代にあたり、人口ボリュームが最も多い世代であり、 50・60代の変化が全体に与える影響が大きく、こういった意識を持つ新しい大人を“新型50・60代”と呼ぶことができます。


■従来の年代と違うのは「自分とその周囲だけ」だ、と思っている。

「従来の年代と違う」という意識について、「同年代全体がそうだ」と思っているかについて尋ねたところ、「そうではない」という結果がでました。「自分はそうだが、自分の周りや世の中全体の人はそうでもない」および「自分と周りの人はそうだが世の中全体の人はそうだと思わない」の合計は59.2%で、つまり「自分と自分の周りはそうだが、世の中の人たちはそうではない」と思っており、60%近くが「自分たちだけは違う」と思っていることが伺えます。


【調査概要】
調査主体:博報堂 エルダーナレッジ開発 新しい大人文化研究所
調査対象:40~60代男女
対象エリア:
 1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)
 中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市および岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数:2,700サンプル
調査手法:インターネット調査
調査日時:2015年3月20日(金)~3月22日(日)

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[博報堂]
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