パート主婦の働き方に関する意識調査(夫と中学生以下の子どもがいて、パート・アルバイトをしている20~59歳の主婦対象) 

2015年12月01日
ライフネット生命保険は、夫と中学生以下の子どもがいて、パート・アルバイトをしている20~59歳の主婦を対象に、「パート主婦の働き方に関する意識調査」をモバイルリサーチで実施、1,000名の有効回答を集計しました。

■パート主婦が直面する、社会保険や配偶者控除に関する年収の壁
・現在、パート主婦の7割半が、「年収を制限しながら働いている」
・9割のパート主婦が、「手取り年収を増やしたい」 希望増収額は平均68万円

■2016年10月に施行される「被用者保険の適用拡大」で、働き方をどう変える?
・パート主婦の半数以上が、2016年10月以降「手取りが増えるように働く」
・新たな“106万円の壁”に当たるパート主婦層、3人に2人が「手取りが増えるように働く」

■もしも収入が増えたら、何に使う?
・娯楽や自分磨きは二の次。1位は「貯蓄」で、パート主婦の3人に2人が回答
・僅差の2位に「子どもの養育費」

■もしも収入を増やすためにパートでの労働時間を増やして働くとしたら、問題点は?
・パート主婦の3人に2人が、「家事との両立が問題」
・パート主婦の10人に1人は、「新たな職場がブラックバイトでないか心配」
・乳幼児の子を持つパート主婦は、「子どもとの時間」や「預け先」に懸念

■パート主婦に聞いた、もしも自身が病気やケガで長期間働けなくなったら?
・不安なこと1位は「日々の生活費」7割、2位に「治療費」5割半
・年収が高い層ほど、自身が長期就業不能になったら「生活費」が不安

【調査結果】

■パート主婦が直面する、社会保険や配偶者控除に関する年収の壁
・現在、パート主婦の7割半が、「年収を制限しながら働いている」
・9割のパート主婦が、「手取り年収を増やしたい」 希望増収額は平均68万円

まず、夫と中学生以下の子どもがいて、パート・アルバイトをしている20〜59歳の主婦(以下、本レポートではパート主婦と呼びます)1,000名に、年収が103万円の壁や130万円の壁などを超えないように、働くことを制限しているか聞いたところ、「年収が103万円以下になるように制限している」が56.5%、「年収が130万円未満になるように制限している」が19.8%、「年収が141万円未満になるように制限している」が1.1%となりました。「制限はしていない」は22.6%で、裏を返すと、7割半(77.4%)のパート主婦が、自身の収入を制限していることがわかりました。

配偶者控除や社会保険料の負担を考慮して、収入を制限しながら働くパート主婦が多数となりました。では、本当は、どのくらい収入を増やしたいと考えているのでしょうか。
パート主婦1,000名に、本当は今より手取り年収がいくら増えるように働きたいと考えているか聞いたところ、「10万円〜50万円未満」が35.4%、「50万円〜100万円未満」が18.1%、「100万円〜150万円未満」が19.0%となり、平均額は67.9万円でした。「0円(増やしたいと思わない)」との回答は1割(10.0%)に留まり、大多数のパート主婦は、本当は手取り年収を増やしたいと考えていることがわかりました。

■2016年10月に施行される「被用者保険の適用拡大」で、働き方をどう変える?
・パート主婦の半数以上が、2016年10月以降「手取りが増えるように働く」
・新たな“106万円の壁”に当たるパート主婦層、3人に2人が「手取りが増えるように働く」

2016年10月に、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大があり、パート・アルバイトを含む短時間労働者の社会保険の適用基準が拡大されます。社会保険を適用されるにはいくつかの要件がありますが、そのうち、年収に関する要件である“130万円の壁”(年収130万円以上が適用対象)が、“106万円の壁”(年収106万円以上が適用対象)へと引き下げられます。これは、社会保険の適用対象を広げ、年収130万円を超えて働く人の“働き損”を解消することを目的としたものです。
以上の説明をしたうえで、パート主婦1,000名に、2016年10月にパート・アルバイトの社会保険の適用基準が拡大されたら、働き方をどう変えるか聞いたところ、「手取り年収が増えるように働きたい」が52.7%で半数以上となりました。
また、この改正の影響を直接的に受ける、現在の年収が106万円以上130万円未満のパート主婦層では、「手取り年収が増えるように働きたい」が64.0%で3人に2人と、より割合が高い結果となりました。2016年10月の改正によって新たに社会保険料を支払うことになるパート主婦層は、これを契機に、年収の壁を気にしない働き方に変えるのかもしれません。

■もしも収入が増えたら、何に使う?
・娯楽や自分磨きは二の次。1位は「貯蓄」で、パート主婦の3人に2人が回答
・僅差の2位に「子どもの養育費」

パート主婦1,000名に、もしも収入が増えたら何に使いたいか聞いたところ、1位は「貯蓄」(67.6%)となりました。2位は同じく6割台で「子どもの養育費・教育費」(62.5%)となり、収入が増えるなら子育て費用に回したいと考える人も多いようです。
それらに次いで、3位から5位に、「旅行」(34.5%)、「レジャー」(28.5%)、「美容・ファッション」(23.8%)といった娯楽や自分磨きに使うとの回答が並びました。6位から10位は、「住居費(家賃・ローン返済)」(21.7%)、「外食」(19.8%)、「家電の買い替え」(16.8%)、「自動車購入(新車購入、買い替えなど)」(14.9%)、「雑貨・日用品」(13.9%)となり、住まいや生活に関連する消費が多くなりました。

■もしも収入を増やすためにパートでの労働時間を増やして働くとしたら、問題点は?
・パート主婦の3人に2人が、「家事との両立が問題」
・パート主婦の10人に1人は、「新たな職場がブラックバイトでないか心配」
・乳幼児の子を持つパート主婦は、「子どもとの時間」や「預け先」に懸念

パート主婦1,000名に、収入を増やすためにパートでの労働時間を増やして働くとしたら、問題点は何か聞いたところ、最も割合が高かったのは「家事との両立ができるか」(67.2%)で、3人に2人の割合となり、2番目は「自分の体力がもつか」(58.2%)でした。働く時間を増やすとなると、家事と仕事の両立や、自分の体力に不安を抱くパート主婦が多いようです。また、学生が違法労働を強いられているなどとしてブラックバイトが問題になっていますが、「新たな職場を探す際、ブラックバイトに当たらないか」をパート主婦の10人に1人(11.5%)が挙げており、新たな勤務先がブラックバイト、という事態を心配する人もみられました。
次に、子どもの学齢別にみると、乳幼児の子を持つパート主婦層では「子どもとの時間を確保できるか」(54.9%)、「子どもの預け先があるか」(46.5%)が、他の層よりも高くなりました。まだ幼い子どもがいる主婦にとっては、これまでよりも仕事を増やすのであれば、子どもと触れ合う時間を確保できるかどうかや、仕事の間に子どもを預ける先があるかどうかが、課題となってくるようです。

■パート主婦に聞いた、もしも自身が病気やケガで長期間働けなくなったら?
・不安なこと1位は「日々の生活費」7割、2位に「治療費」5割半
・年収が高い層ほど、自身が長期就業不能になったら「生活費」が不安

共働き世帯が増加傾向にある昨今、主婦の収入が大きな柱となっている家庭も多いのではないでしょうか。そこで、パート主婦1,000名に、もしも、自身が病気やケガで長期間働けなくなったら、不安なことは何か聞きました。
最多となったのは「日々の生活費」(71.1%)でした。自身のパート収入がなくなってしまうことで生活が苦しくなるのでは、と考える人が7割を超える結果となりました。次いで多かったのは「自分の治療費」(57.3%)でした。病気やケガで働けなくなった場合は、生活費に加えて治療費がかかることもあり、それをきちんと支払っていけるのかを不安に感じる人が少なくないようです。
パート主婦の年収別にみると、年収が高いパート主婦層ほど「日々の生活費」の割合が高くなり、106万円未満の層では67.2%、106万円以上130万円未満の層では78.0%、130万円以上の層では83.7%となりました。年収が高い層ほど、家計への貢献度が高く、自身が病気やケガで長期間働けなくなることによって家計が受けるダメージが大きいのではないでしょうか。


【調査概要】
・調査タイトル:パート主婦の働き方に関する意識調査
・調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする夫と中学生以下の子どもがいて、パート・アルバイトをしている20〜59歳の主婦
・調査期間:2015年9月19日〜9月28日
・調査方法:モバイルリサーチ
・調査地域:全国
・有効回答数:1,000サンプル
・実施機関:ネットエイジア株式会社

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