中高生の自転車通学についての最新動向調査 

2015年12月16日
自転車の安全利用促進委員会では、道交法改正以降、自転車通学や自転車の活用実態について、中学校・高校の自転車通学指導者宛のFAXアンケート、当事者である中高生また、保護者に対するアンケート調査をおこなってまいりました。
今回は、指導状況等の各校の取り組みについて、また、それに対しての保護者の考えについてまとめましたので、ご紹介いたします。

【調査トピックス】

自転車の義務・推奨項目は「自転車保険加入」(35.0%)などのソフト面が優勢。
「BAAマーク」(7.3%)など、自転車自体の安全性への意識はまだまだ低め!
●優先義務・推奨項目は「自転車保険加入」(35.0%)「ヘルメット着用」(27.7%)「ハンドルの形状」(26.3%)
●「両立型スタンド」(16.0%)「リアキャリア」(15.0%)「大きなかご」(8.3%)など中高生ならでは項目も!

自転車通学指導状況に保護者はご不満?
平均的な交通安全指導は年1回程度が約半数。中には未実施校(4.0%)も!!
●「毎月実施」(6.7%)の一方「年1回未満」(2.7%)「未実施」(4.0%)学校も!
●「左側通行の徹底」「スケアードストレート法の導入」ほかで事故が減った学校も!

自転車の義務・推奨項目は「自転車保険加入」(35.0%)などのソフト面が優勢。
「BAAマーク」(7.3%)など、自転車自体の安全性への意識はまだまだ低め!
●優先義務・推奨項目は「自転車保険加入」(35.0%)「ヘルメット着用」(27.7%)「ハンドルの形状」(26.3%)
●「両立型スタンド」(16.0%)「リアキャリア」(15.0%)「大きなかご」(8.3%)など中高生ならでは項目も!

【調査結果】

各中学校・高等学校の自転車利用における「義務化・推奨」項目につて、アンケートを実施いたしました。

Q:自転車通学者に対して義務化・推奨化している項目で該当するものはどれですか?(複数回答)

調査の結果、昨今耳にする機会の多い自転車の高額賠償問題や自治体の取り組みの影響を受け「自転車保険の加入」(35.0%)や「ヘルメットの着用」(27.7%)などの事故発生状況を想定した項目が重要視されている中、自転車の安全性を担保するBAAマーク(7.3%)やメンテナンス関連のTSマーク(14.0%)などの自転車事故そのものの原因をなくすための項目については、まだまだ浸透していないことが明らかとなりました。

「自転車保険の加入」(35.0%)や「ヘルメットの着用」(27.7%)などで多く「義務化・推奨」実績があることが分かる結果となりました。万が一事故が発生した際の対策としてこれらの項目が重要視されているようです。
特に「自転車保険の加入」(35.0%)については、当時小学校5年生だった少年(11)が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟で、神戸地裁が少年の母親に約9,500万円という高額賠償を命じたケース(2013年)や、男子高校生が対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突し、男性に重大な障害が残ってしまい約9,300万円の賠償責任を負わなければいけなくなってしまったケース(2008年)などの影響を受け、加入が進んでいるようです。また、これらを背景に兵庫県をはじめ自転車保険の加入を義務化している自治体もあります。

万が一事故が発生した際の対策としてこれらの項目が重要視される、自転車安全整備士により、メンテナンス(点検・整備)を受けたことを示す「TSマーク」(14.0%)や、約90項目の検査項目をクリアした自転車のみに貼付される、「BAAマーク」(7.3%)など、自転車自体の安全性を示す項目について低い値となりました。

自転車通学指導状況に保護者はご不満?
平均的な交通安全指導は年1回程度が約半数。中には未実施校(4.0%)も!!

●「毎月実施」(6.7%)の一方「年1回未満」(2.7%)「未実施」(4.0%)学校も!
●「左側通行の徹底」「スケアードストレート法の導入」ほかで事故が減った学校も!

今回の調査では「義務化・推奨」など学校としての考え方だけでなく、実際にどの程度の頻度で自転車通学者たちに対する講習会を実施しているかについても調査してみました。

その結果、「1年に1度」(47.3%)「年1回未満」(2.7%)「未実施」(4.0%)と、交通安全指導・授業に対し、半数以上の学校が年1回以下の実施という実態が明らかとなりました。これに対し、当委員会が9月に中高生の子供を持つ主婦を対象に実施したアンケートでは69.0%が「(自転車の交通安全に対する)教育機会が少ない」と感じているように、学外からはまだまだ十分な教育がなされていないという認識があることが分かりました。その一方、「毎月実施している」交通安全指導に力を入れている学校(6.7%)もあることから、学校ごとの意識差が大きく異なっているようです。

*スケアードストレート法
事故現場を目の前で再現することで、危機感を抱かせることでそれにつながる危険行為を未然に防ぎ、交通ルールを遵守することの大切さを体感させる教育方法。

【調査概要】
【全国の中学高校教職者向けアンケート】
調査方法:FAXリサーチ
回答数 :合計300校
調査時期:2015年11月

【中高生の自転車通学をする子供を持つ主婦へのアンケート】
調査方法:インターネットリサーチ
回答数 :合計100名
調査時期:2015年9月26日(土)~9月27日(日)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[自転車の安全利用促進委員会]
 マイページ TOP