第10回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査) 

2015年12月16日
厚生労働省は、同じ集団を対象に毎年実施している「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」の第 10 回(平成 26 年)結果を取りまとめましたので公表します。
今回は縦断調査の特性を生かし、調査開始以降の社会参加活動の状況と健康状態等に着目して分析しました。

「中高年者縦断調査」は、平成 17 年 10 月末に 50~59歳であった全国の中高年者世代の男女に対して、家族の状況、就業の状況、社会活動等の状況などを継続的に調査し、高齢者対策などの厚生労働行政施策のための基礎資料を得ることを目的としています。第 10 回調査では、平成 17 年度の第1回調査から協力が得られた 20,680 人について集計しており、調査対象者の年齢は、59~68 歳となっています。

【調査結果の概要】

1 世帯の状況
この9年間で、「夫婦のみの世帯」の割合は増加、「三世代世帯」、「親なし子ありの世帯」の割合は減少


第1回調査から第 10 回調査までの9年間の世帯構成の変化をみると、「夫婦のみの世帯」は、第1回 21.5%から第 10 回 37.7%と増加している。一方、「三世代世帯」は、第1回 22.2%から第 10 回 14.6%、「親なし子ありの世帯」は、第1回 39.2%から第 10 回 27.9%と減少している。
第1回の世帯構成別に第 10 回の世帯構成をみると、「夫婦のみの世帯」以外から「夫婦のみの世帯」に変化した割合は、「親なし子ありの世帯」の 35.6%、「親あり子なしの世帯」の 26.3%で高くなっている。

2 就業の状況
(1) 就業状況の変化
この9年間で、「正規の職員・従業員」の割合は減少、「自営業主、家族従業者」、「パート・アルバイト」の割合はほぼ横ばい

第1回調査から第 10 回調査までの9年間の就業状況の変化をみると、「正規の職員・従業員」は、第1回37.9%から第 10 回 10.1%と減少している。一方、「自営業主、家族従業者」は、第1回 16.0%から第 10 回 14.8%、「パート・アルバイト」は、第1回 16.4%から第 10 回 17.3%とほぼ横ばいの状況である。
また、性、第1回の就業状況別に第 10 回の就業状況をみると、男の「(第1回)正規の職員・従業員」では「仕事をしていない」の 31.4%が最も高く、次いで「正規の職員・従業員」の 23.0%、「労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託」の 21.1%、「パート・アルバイト」の 13.6%となっており、女の「(第1回)パート・アルバイト」では「パート・アルバイト」の 47.5%が最も高く、次いで「仕事をしていない」の 42.9%となっている。

(2) 仕事のための免許・資格の取得状況と就業状況
第1回調査時(9年前)に「60~64 歳は仕事をしたい」と希望していた、第 10 回調査時に 60~64 歳の者のうち、この5年間に仕事のための免許・資格を「取得した」者で「仕事をしている」割合は、男 88.6%、女 86.3%

第1回調査時(9年前)に「60~64 歳は仕事をしたい」と希望していた、第 10 回調査時に 60~64 歳の者の「仕事している」割合をみると、男は 83.1%、女は 67.6%となっている。これをこの5年間(平成 21年 11 月~平成26 年 10 月)に仕事のために取得した免許・資格の有無別にみると、男は「取得した」が 88.6%、「取得しなかった」が 82.5%、女は「取得した」が 86.3%、「取得しなかった」が 66.4%となっており、男女とも免許・資格を「取得した」者の方が「仕事をしている」割合が高くなっている。
また、「65 歳以降仕事をしたい」と希望していた、第 10 回調査時に 65~68 歳の者の「仕事をしている」割合をみると、男は 67.4%、女は 54.7%となっている。これを取得した免許・資格の有無別にみると、男は「取得した」が 82.7%、「取得しなかった」が 66.2%、女は「取得した」が 75.6%、「取得しなかった」が 54.2%となっており、男女とも免許・資格を「取得した」者の方が「仕事をしている」割合が高くなっている。

3 社会参加活動の状況
(1)健康状態と社会参加活動の状況
この9年間の社会参加活動の状況別に第 10 回調査の健康状態をみると、「活動あり」の方が「活動なし」より健康状態が「よい」割合が高い


第1回調査から第 10 回調査までの9年間の社会参加活動の状況別に第 10 回調査の健康状態が「よい」割合をみると、すべての社会参加活動において「活動あり(「第1回から活動あり」及び「「活動なし」から「活動あり」に変化」)」の割合が「活動なし(「「活動あり」から「活動なし」に変化」及び「第1回から活動なし」)」の割合より高くなっている。

(2)年齢と社会参加活動の状況
男女とも、「趣味・教養」「スポーツ・健康」「地域行事」では「活動あり」の割合が高くなっている


第10回調査の社会参加活動別に「活動あり」の割合をみると、男女とも、「趣味・教養」「スポーツ・健康」「地域行事」では高くなっており、「子育て支援・教育・文化」「高齢者支援」では低くなっている。このうち、「活動あり」の割合が高い「趣味・教養」「スポーツ・健康」「地域行事」について年齢階級別にみると、男女とも、「趣味・教養」では差はみられないが、「スポーツ・健康」「地域行事」では年齢が高くなるほど「活動あり」の割合が高くなっている。


【調査概要】
・調査の対象及び客体:平成 17 年 10 月末現在で 50~59 歳である全国の男女を対象とし、そのうち、第8回調査又は第9回調査において協力を得られた者を客体とした。
第10回調査における対象者の年齢は、59~68歳である。
・調査の期日:
 調査の周期 毎年1回(11 月の第一水曜日)
 調査の期日 第 10 回調査 平成 26 年 11 月5日(水)
・調査の事項:家族の状況、健康の状況、就業の状況、社会活動等の状況、免許・資格の状況 等
・調査の方法:厚生労働省から郵送された調査票に被調査者が自ら記入し、郵送により厚生労働省に提出する方法により行った。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[厚生労働省]
 マイページ TOP